結論:音声又は言語機能の障害(障害認定基準 第3 第1章 第6節)には、2級・3級・障害手当金の程度の定めがあり、日常会話がどの程度成り立つかで判断されます。条件を満たせば、年金として受け取れることがあります。1級の定めはありません(ほかの障害との併合で1級になる場合は別です)。等級は、構音障害・失語症などの種類ごとではなく、日常会話がどの程度成り立つかで共通に定められています(評価の参考にする項目は、種類ごとに分かれています)
話しにくい、声が出ない、言葉が出てこない、相手の話が理解できない。こうした症状で障害年金を考える方は、まず、障害認定基準(日本年金機構)で言語の障害がどう扱われているかを知っておく必要があります。
言語の障害は、障害認定基準の第3 第1章 第6節「音声又は言語機能の障害」で扱われます。この節には、次の3つの程度が定められています。
- 2級:音声又は言語機能に著しい障害を有するもの(障害基礎年金・障害厚生年金)
- 3級:言語の機能に相当程度の障害を残すもの(障害厚生年金だけ)
- 障害手当金:言語の機能に障害を残すもの(一度だけ受け取る一時金。厚生年金の制度です)
第6節には1級の定めがありません。言語の障害だけで1級と認定されることはありませんが、肢体の障害などほかの障害と併合認定されて、1級になることはあります。併合認定とは、複数の障害を合わせて等級を決めることです。
どの程度に当たるかは、診断書などをもとに日本年金機構が判断します。この記事は、受給をお約束するものではありません。
この記事では、次の内容を説明します。
- 認定基準の読み方
- 原因ごとの境目(失語症・構音障害・喉頭の手術・聴覚障害・神経の病気)
- 診断書、初診日、窓口
言語の障害は、認定基準でどう扱われているか
第6節の認定要領は、まず、対象になる障害を次のように定めています(日本年金機構「障害認定基準」第3 第1章 第6節 2(1))。
- 「音声又は言語機能の障害とは、発音に関わる機能又は音声言語の理解と表出に関わる機能の障害をいい、構音障害又は音声障害、失語症及び聴覚障害による障害が含まれる。」
- 構音障害又は音声障害:「歯、顎、口腔(舌、口唇、口蓋等)、咽頭、喉頭、気管等の発声器官の形態異常や運動機能障害により、発音に関わる機能に障害が生じた状態のものをいう。」
- 失語症:「大脳の言語野の後天性脳損傷(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷や脳炎など)により、一旦獲得された言語機能に障害が生じた状態のものをいう。」
- 聴覚障害による障害:「先天的な聴覚障害により音声言語の表出ができないものや、中途の聴覚障害によって発音に障害が生じた状態のものをいう。」
等級の考え方は、次のとおりです(同じ節の2(2)〜(4))。
- 2級の「音声又は言語機能に著しい障害を有するもの」とは、「発音に関わる機能を喪失するか、話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方がほとんどできないため、日常会話が誰とも成立しないものをいう。」
- 3級の「言語の機能に相当程度の障害を残すもの」とは、「話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に多くの制限があるため、日常会話が、互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つものをいう。」
- 障害手当金の「言語の機能に障害を残すもの」とは、「話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に一定の制限があるものの、日常会話が、互いに確認することなどで、ある程度成り立つものをいう。」
ここで、次の点に注意してください。
- 等級は、病名ではなく、日常会話がどの程度成り立つかで書かれています。同じ病気でも、状態によって、2級・3級・障害手当金のどれに当たるか、どれにも当たらないかが分かれます。
- 3級があるのは、障害厚生年金だけです。初診日(障害の原因となった病気で、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日。診断名がついた日とは限りません)に、厚生年金に加入していた方が対象です。
- 初診日に国民年金だけに加入していた方(自営業の方、学生、無職の方、厚生年金に加入している方に扶養されている配偶者など)や、初診日が20歳前で厚生年金に加入していなかった方は、障害基礎年金の1級・2級に当たる場合に限られます。
- 障害認定基準の総論(第2 1(3))には、「傷病が治らないもの」は、第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する、とあります。障害手当金は、傷病が治ったもの(これ以上よくならない状態になったもの)が対象です。
評価の参考になる項目も、第6節に書かれています(2(5)〜(7))。
- 「構音障害、音声障害又は聴覚障害による障害については、発音不能な語音を評価の参考とする。」発音不能な語音は、次の4種について確認します。口唇音(ま行音、ぱ行音、ば行音等)、歯音・歯茎音(さ行、た行、ら行等)、歯茎硬口蓋音(しゃ、ちゃ、じゃ等)、軟口蓋音(か行音、が行音等)です。語音発語明瞭度検査等が行われた場合は、その結果も確認するとされています。
- 「失語症については、失語症の障害の程度を評価の参考とする。」失語症の障害の程度は、音声言語の表出及び理解の程度について確認します。標準失語症検査等が行われた場合は、その結果も確認するとされています。
- 「失語症が、音声言語の障害の程度と比較して、文字言語(読み書き)の障害の程度が重い場合には、その症状も勘案し、総合的に認定する。」
喉頭を全部摘出したとき、歯だけの障害のとき、ほかの障害があるとき
第6節には、次の個別の定めがあります(2(8)〜(10))。
- 喉頭全摘出手術:「喉頭全摘出手術を施したものについては、原則として次により取り扱う。ア 手術を施した結果、発音に関わる機能を喪失したものについては、2級と認定する。イ 障害の程度を認定する時期は、喉頭全摘出手術を施した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする。」
- 歯のみの障害:「歯のみの障害による場合は、補綴等の治療を行った結果により認定を行う。」
- ほかの障害との併存:「音声又は言語機能の障害(特に構音障害)とそしゃく・嚥下機能の障害とは併存することが多いが、この場合には、併合認定の取扱いを行う。また、音声又は言語機能の障害(特に失語症)と肢体の障害又は精神の障害とは併存することが多いが、この場合についても、併合認定の取扱いを行う。」
併合認定をしたときに等級が上がるかどうかは、症状によって違います。当センターのQ&Aでも、後遺障害が2つ以上ある場合は、それぞれの診断書をとって併合判定になる場合と、併合しても等級が上がらない場合があると説明しています。くわしくは、後の「当センターの事例・Q&A」をご覧ください。
原因によって、どの節で見られるか
言語の障害は、原因によって、第6節だけでなく、ほかの節の基準もかかわります。
脳卒中・脳腫瘍・頭部外傷・脳炎などによる失語症:第6節 2(1)イが「失語症」を定義しています。一方、第8節(精神の障害)B「症状性を含む器質性精神障害」(5)は、高次脳機能障害の主な症状として「失語、失行、失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害など」を挙げています。そのうえで、「失語の障害については、本章『第6節 音声又は言語機能の障害』の認定要領により認定する。」と定めています。
つまり、失語は第6節で見て、記憶や注意などの障害は第8節で見ることになります。くわしくは、高次脳機能障害で障害年金はもらえる?、脳梗塞で障害年金はもらえる?、脳出血で障害年金はもらえる?をご覧ください。
舌・口・顎・咽頭・喉頭などの病気や手術のあとに、発音がしにくい場合:構音障害又は音声障害として、第6節で見ます(第6節 2(1)ア)。食べる・飲み込む機能の障害は、第5節「そしゃく・嚥下機能の障害」で見ます。両方がある場合は、先に述べた併合認定の取扱いになります。
がんの治療のあとの障害:悪性新生物による障害を扱う第16節の2(6)は、「悪性新生物そのものによるか又は悪性新生物に対する治療の結果として起こる障害の程度は、本章各節の認定要領により認定する。」と定めています。治療の結果として話しにくくなった場合は、第6節の認定要領で見ることになります。くわしくは、がんで障害年金はもらえる?をご覧ください。
聴覚障害に伴う言語の障害:先天的な聴覚障害で音声言語の表出ができない場合や、中途の聴覚障害で発音に障害が出た場合は、第6節に含まれています(第6節 2(1)ウ)。聴力そのものの障害は、第2節「聴覚の障害」で見ます。くわしくは、感音性難聴で障害年金はもらえる?をご覧ください。初診日が20歳前にある場合は、20歳前障害の仕組みが関係することがあります。
パーキンソン病・ALSなど神経の難病で話しにくくなった場合:構音障害の定義には、発声器官の「運動機能障害」が含まれています(第6節 2(1)ア)。一方、第6節には、パーキンソン病やALSといった病名ごとの項はありません。
神経の難病を、第6節の定義に当てはめて見るのか、神経系統の障害(第9節)、いわゆる難病(第18節 2(5))として総合的に見るのかは、障害認定基準に明示がありません。くわしくは、パーキンソン病で障害年金はもらえる?、ALSで障害年金はもらえる?をご覧ください。
吃音や、基準に書かれていない症状はどうなるのか
吃音(どもる)は、第6節にも、発達障害を扱う第8節Eにも、名前が出てきません。吃音が、どの節で、どの基準で見られるかは、障害認定基準に明示がありません。
障害認定基準の第2の3(4)は、「障害等級認定基準」(第3の第1章)と「併合等認定基準」に明示されていない障害と障害の程度について、「その障害によって生じる障害の程度を医学的検査結果等に基づき判断し、最も近似している認定基準の障害の程度に相当するものを準用して行う」と定めています。つまり、基準に書かれていない障害は、最も近い認定基準の障害の程度にならって判断する、ということです。
ただし、吃音がこれに当たるのか、当たる場合にどの節に近いと見られるのかは、基準からは分かりません。個別にご相談ください。
障害年金は、病名で対象かどうかが決まる制度ではなく、障害の状態で判断されます(障害年金の対象となる傷病)。第6節の等級は、病名ではなく日常会話の成り立ち方で書かれています。その状態をどのように確認するかは、診断書などの書類で判断されます。
当センターの事例・Q&A
失語症と肢体の麻痺の事例(case-6924):くも膜下出血で倒れ、右手・右足の麻痺と失語症が残った40代の女性の事例です。事例ページには、名詞が出てこず形状で伝えるなど、意思疎通に時間がかかるようになったと書かれています。
申請では、初診日を証明するための、医療機関が書く書類(受診状況等証明書)と、「肢体不自由用」「言語機能用」の診断書を用意しました。言語機能の診断書は「互いに内容の見当をつけることで部分的に成り立つ」という内容で、事例ページは、これを3級の規定に当たると説明しています。
結果は2級に決定しました(ページには「障害共済年金2級」と書かれています)。事例ページには、肢体の障害のみで2級程度だったこと、言語機能が3級の規定でも併合で1級にあげることはできなかったことが書かれています。この事例は、くも膜下出血の経過がある方の事例で、言語の障害だけで2級になった事例ではありません(事例)。
脳梗塞のあとの言語障害のQ&A(6529):脳梗塞による言語障害が残っている方からの、受給できるかというご質問です。身体の症状はリハビリで問題なく、言語障害は「時々吃ることがあり、スムーズに会話が以前のようにできない」ということでした。
お電話で会話した当センターの担当者は「時々言葉に詰まることはあったけれど、初めて話す相手と問題なく会話ができた」と感じました。そして、Q&Aが基準として挙げた「言語機能に相当程度の障害を残すもの」(日常会話が推論したり見当をつけることで部分的に成り立つもの)の程度ではないとして、受給は難しいとお伝えした、と書かれています(Q&A)。
この基準は第6節の3級にあたります。Q&Aは、2級と障害手当金の程度には触れていません。初診日に厚生年金に加入していた方で傷病が治った(これ以上よくならない状態になった)場合は、障害手当金の程度(日常会話が、互いに確認することなどで、ある程度成り立つもの)に当たるかも見られます。電話での印象は、診断書などをもとにした日本年金機構の判断とは別のものです。
舌がんの手術のあとのQ&A(6918):舌がんで舌を切除した方のご家族からのご相談です。初診日に加入していた年金は国民年金で、障害基礎年金(1級・2級)が対象となる方でした。現在は横になると飲み込むことができず、話もゆっくりしか話せない、という状態でした。
Q&Aには、嚥下機能の2級(そしゃくの機能を欠くもの)と言語機能の2級の規定を挙げたうえで、どちらの機能も軽度であり、受給は難しいとお伝えした、と書かれています(Q&A)。認定基準の言語機能の2級は、「発音に関わる機能を喪失するか、話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方がほとんどできないため、日常会話が誰とも成立しないもの」です(第6節 2(2))。
喉頭を摘出した方のQ&A(2846):事故で喉を打ち、呼吸困難のため喉頭を摘出して、声帯も動かない方との面談です。Q&Aには、次のことが書かれています(Q&A)。
- 喉頭を摘出して声が出なくなった場合も、障害年金の対象となること
- その場合は「音声又は言語機能」用の診断書が必要になること
- 診断書は8種類あるので、どの診断書で申請するのかが重要であること
構音障害と肢体の障害のQ&A(4291):くも膜下出血で、左手が動かず、両足も硬直があり、構音障害もあって意思疎通に時間がかかる、という方のご家族との面談です。後遺障害が2つ以上ある場合は、それぞれの診断書をとって併合判定になる場合と、併合しても等級が上がらない場合があります。Q&Aには、出ている症状によって違う、と書かれています(Q&A)。
受け取れる金額の目安
年金として受け取る障害年金の額(令和8年度・2026年度)は、障害基礎年金が2級847,300円、1級1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額)。子がいる場合の加算は、1人目・2人目は1人あたり243,800円、3人目以降は1人あたり81,300円です。
障害厚生年金の3級には最低保障額635,500円があります(昭和31年4月2日以後生まれの方の額)。障害厚生年金には、報酬比例の部分があるため、1級・2級・3級とも、加入期間や報酬によって額が変わります。
障害手当金は、一度だけ支給される一時金で、最低保障額は令和8年度に1,271,000円です(昭和31年4月2日以後に生まれた方の額。厚生年金保険法第57条、日本年金機構)。くわしくは、障害手当金とは、障害年金の金額のページをご覧ください。
診断書は、音声又は言語機能の障害の欄がある様式を使います
言語の障害の診断書は、聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用(様式第120号の2)を使います(日本年金機構「聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用の診断書を提出するとき」)。聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下の障害と共通の様式です。
この様式の「音声又は言語機能の障害」の欄には、次のような項目があります(機構が公開しているエクセル様式で確認しました)。
- 会話による意思疎通の程度:該当するものを1つ選びます。「日常会話が誰とでも成立する」「日常会話が、互いに確認することなどで、ある程度成り立つ」「日常会話が、互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つ」「日常会話が誰とも成立しない」の4つの区分があります。このうち下の3つは、第6節2(2)〜(4)の2級・3級・障害手当金の文言と同じです。
- 発音不能な語音:口唇音、歯音・歯茎音、歯茎硬口蓋音、軟口蓋音の4種について、「全て発音できる」「一部発音できる」「発音不能」から選びます。発音に関する検査結果(語音発語明瞭度検査など)を書く項目もあります(構音障害、音声障害又は聴覚障害による障害がある場合に記入)。
- 失語症の障害の程度(失語症がある場合に記入):単語の呼称、短文の発話、長文の発話、単語の理解、短文の理解、長文の理解について、「できる」「おおむねできる」「あまりできない」「できない」から選びます。失語症に関する検査結果(標準失語症検査など)を書く項目もあります。
診察のときには、日ごろの会話の様子や、困っている場面を具体的に伝えることが大切です。診断書に何を書くかは、医師が判断します。診断名は医師が決めるもので、年金のために変えるものではありません。
肢体の麻痺や、記憶・注意の障害など、言語のほかの障害もある場合は、その障害の診断書が別に必要になることがあります(上の事例を参照)。診断書の作成料は、医療機関によって異なり、実費です。
診断書については、障害年金の診断書:種類・依頼・確認・書いてもらえないときの対処と、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか?」(Q19)をご覧ください。
初診日は、診断名がついた日とは限りません
障害年金の初診日は、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です(診断名がついた日とは限りません)。健康診断の日は、原則として初診日になりません(平成27年9月28日 年管管発0928第6号)。初診日は、申立てと証明書類をもとに、日本年金機構が認定します。
言語の障害では、原因になった病気や怪我の最初の受診日が初診日になります。例は次のとおりです。
- 脳卒中のあとの失語症:脳卒中の最初の受診日
- 舌や喉頭の病気のあとの発音の障害:その病気の最初の受診日
- 事故による喉の怪我:事故のあとに最初に医師または歯科医師の診療を受けた日
手術を受けた日が初診日になるとは限りません。
初診日のほかに、保険料の納付の条件(納付要件。納めた期間と免除された期間をあわせて数えます)もあります。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。
初診日が20歳前で厚生年金に加入していなかった場合は納付要件は問われませんが、本人の所得による支給制限があります(国民年金法第36条の3)。
初診の医療機関と、診断書を書く医療機関が違う場合は、初診の医療機関に受診状況等証明書を書いてもらうのが原則です。受診状況等証明書をご覧ください。初診日については、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)もご覧ください。
障害の程度を判断する日(障害認定日)
障害の程度を判断する基準になる日を、障害認定日といいます。原則として、初診日から1年6か月を過ぎた日です(その前に症状が固定した場合を除く)。言語の障害では、次の点が関係します。
- 喉頭全摘出手術:障害の程度を認定する時期は、手術を施した日です(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。第6節 2(8)イ)。
- 脳血管障害:第9節(神経系統の障害)2(4)アは、「原則として初診日から起算して1年6月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱う」場合として、「脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき」を挙げています。
第9節の特例が、言語機能の障害(失語症)にどう当てはまるかは、障害認定基準に明示がありません。個別にご相談ください。
障害認定日の考え方や、さかのぼって受け取るための請求(遡及請求)は、遡及請求のページと、障害年金をもらうためのポイントをご覧ください。
障害認定日から1年以上たってから請求するときは、診断書は2通必要です(障害認定日から3か月以内の現症の診断書と、請求日前3か月以内の現症の診断書。日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」「障害厚生年金を受けられるとき」。初診日が20歳前で、そのとき厚生年金に加入していなかった場合は、障害認定日の前後3か月以内の現症です)。
事故のとき、労災のとき
事故や仕事中の怪我で、喉や口、頭を傷めて言語の障害が残った場合は、労災保険の障害補償給付・障害給付の対象になることがあります。障害手当金は、同じ傷病で労災保険の障害補償給付などを受ける権利がある方には、支給されません(厚生年金保険法第56条)。くわしくは、労災で障害年金はもらえる?をご覧ください。
交通事故など、加害者がいる事故のときは、障害年金の請求書に「第三者の行為」を記入し、第三者行為事故状況届などを出します。加害者から損害賠償を受けると、その額に応じて、障害年金や障害手当金が支給されない(年金では一定期間支給停止になる)場合があります。
条文は、障害厚生年金・障害手当金が厚生年金保険法第40条第2項、障害基礎年金が国民年金法第22条第2項です。くわしくは、交通事故で障害年金はもらえる?をご覧ください。
働いていても、受け取れますか
第6節の2級・3級・障害手当金の文言は、仕事の有無ではなく、日常会話がどの程度成り立つかで書かれています。働いていることだけで、対象外になると決まっているわけではありません。
働きながら障害年金を受け取れるかどうかの一般的な考え方は、働いていても障害年金はもらえる?をご覧ください。100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)もご覧ください。
悪化したとき、更新のとき
障害認定日より後に、等級に当たる状態になったときの請求を「事後重症請求」といいます。障害認定日の時点で等級に当たらなかった方や、障害認定日ごろの診断書が取れない方でも、この請求ができることがあります。
障害基礎年金・障害厚生年金とも、65歳の誕生日の前々日までに請求することが必要で、請求した月の翌月分から支給されます(さかのぼっては受け取れません。国民年金法第30条の2、厚生年金保険法第47条の2)。
ただし、老齢年金の繰上げを請求した日以後は、事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求することができません(日本年金機構「年金の繰上げ受給」。障害基礎年金は国民年金法附則第9条の2の3、障害厚生年金は厚生年金保険法附則第16条の3)。障害が重くなった場合の、受給中の額の見直しは、額改定請求をご覧ください。
年金として受け取る障害年金は、更新(診断書の再提出)がある認定(有期認定)の場合は、1〜5年ごとに障害状態確認届(診断書)の提出が必要です。更新のない認定(永久認定)の場合は、更新はありません。くわしくは、障害年金は更新が必要?有期認定と永久認定をご覧ください。更新で支給停止になった場合は、更新で支給停止をご覧ください。
障害者手帳との関係
身体障害者手帳などの障害者手帳は、障害年金とは別の制度です。手帳の申請は、当センターではお受けしていません。手帳についての一般的な説明は、障害者手帳をお持ちの方・取得をお考えの方へをご覧ください。
申請の流れと、窓口
申請は、次の順で進みます。
- 初診日と年金制度の確認
- 初診日の証明
- 診断書の依頼
- 申立書の作成
- 年金請求書の提出
くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。申立書については、病歴・就労状況等申立書をご覧ください。
年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、3か月程度が目安です(日本年金機構「障害年金ガイド」令和8年度版)。認定審査を複数回行う場合は、4か月が目安とされています(令和8年4月以降。日本年金機構の運営評議会資料65-07、厚生労働省年金局「障害年金における認定調書の取扱いについて」)。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります。
請求先の窓口は、初診日に加入していた制度によって違います。市区町村の窓口になるのは、次の方です(年金事務所・街角の年金相談センターでも受け付けています)。
- 初診日に国民年金の第1号被保険者だった方
- 初診日が20歳前で、そのとき厚生年金に加入していなかった方
- 初診日が60歳以上65歳未満で、日本国内に住み年金制度に加入していなかった方(老齢年金を繰上げで受け取っている方を除きます)
厚生年金に加入していた方、第3号被保険者だった方は、年金事務所または街角の年金相談センターです。初診日に共済組合の組合員だった方は、共済組合等です。
不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。審査請求・再審査請求は、当センターで申請した方に限って受けています。くわしくは、障害年金が不支給になったときをご覧ください。ご自身で申請する場合は、障害年金は自分で申請できる?をご覧ください。
当センターに、ご相談ください
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。
入院中の方やご家族だけでのご相談も、ご本人の同意があれば承ります。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。
ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。診断書の作成料は実費です。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
なお、生活保護を受けている方のご相談はお受けしておりません。65歳以上の方のご相談も、原則としてお受けしておりません(老齢年金を受け取っておらず、障害年金の受給条件に当てはまる場合には、お受けすることもあります)。
くわしくは、65歳以上の方の障害年金、生活保護を受けている方は障害年金をもらえる?をご覧ください。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。
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制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















