結論:働いていても、障害年金を受け取れる場合があります
障害年金は、「働いているかどうか」だけで決まるものではありません。働いていても、障害の状態が障害年金の等級に当たれば、受け取れる場合があります。
障害認定基準では、2級を「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度」と説明しているため、働いていることは審査で確認されます。そのうえで、精神の障害では、次のような点が見られます。
- どんな仕事を、どのくらいの時間・日数しているか
- 職場に、特別な配慮や、周囲の支援があるか
- 欠勤や早退、休職が多くないか
- 仕事以外の日常生活が、一人でできているか
なお、3級は、初診日に厚生年金に加入していた方(障害厚生年金)だけにあります。障害基礎年金は、1級と2級です。
傷病によって、見られ方が違います
精神の障害(うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害など):障害認定基準では、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したとは捉えず、仕事の種類や内容、職場で受けている援助、他の従業員との意思疎通の状況などを十分に確認する、とされています(障害認定基準 第8節、精神の障害に係る等級判定ガイドライン)。障害者雇用で働いている、短時間勤務である、といった事情は、医師に伝えて、診断書の「現症時の就労状況」の欄に反映してもらうことが重要です。申立書にも、具体的に書きます。
身体の障害(肢体、内部障害など):人工透析を受けている場合は、認定基準で原則2級とされています(症状などによって上位の等級もあります)。心臓・腎臓・呼吸器などの内部障害では、「軽労働や座業はできるか」といった一般状態が、等級の判断に使われるため、働き方の実態が見られることがあります。肢体の障害は、主に、関節の動きや筋力、日常生活動作で判断されます。
働いている方が、確認しておくこと
1. 仕事の内容と勤務の実態。 勤務時間、日数、仕事の内容、欠勤・早退の回数。2. 職場の配慮と支援。 障害者雇用か、短時間勤務か、仕事の内容の調整、周囲のサポートなど。3. 日常生活の様子。 家事、通院、金銭の管理などを、一人でできているか。家族の支援があるか。4. 診断書と申立書に、実態が伝わっているか。 診断書の依頼のしかたは、障害年金の診断書:種類・依頼・確認・書いてもらえないときの対処をご覧ください。
当センターの事例には、障害者雇用で週3日の短時間勤務をしていても、欠勤や早退が多く、ご主人の支援がなければ日常生活の維持が困難であることを整理して伝え、障害厚生年金3級が決まった事例があります。その後、病状が改善せず、退職して、額改定請求で2級が決まりました(2級は、退職後の額改定で決まりました)(事例)。
在職中でも、年金は止まりませんか
障害年金は、在職しているという理由だけで支給停止になる仕組みではありません。在職老齢年金は、老齢厚生年金の仕組みで、障害年金には適用されません。
ただし、次の場合は、年金や、ほかの給付が調整されたり、止まったりすることがあります。
- 20歳前障害の障害基礎年金:本人の前年の所得が一定の額を超えると、年金の半額または全額が支給停止になります(10月分から翌年9月分まで)。くわしくは、20歳前に初診日がある障害年金(20歳前障害):条件・保険料・所得制限・注意点をご覧ください。
- 傷病手当金と重なる場合:同じ病気やけがで障害厚生年金を受けられるときは、健康保険の傷病手当金は支給されないか、差額だけになります(健康保険法第108条第3項)。障害年金がさかのぼって決まると、傷病手当金の返還を求められることがあります。
- 労災保険の年金と重なる場合:同じ事由で重なるときは、障害年金は全額支給され、労災の年金が減額されます。ただし、20歳前障害の障害基礎年金は、労災の年金額の範囲で支給が止まります。くわしくは、労災で障害年金はもらえる?をご覧ください。
働き始めたあとに、更新で影響することがあります
障害年金を受けている方が、働き始めたり、働く時間が増えたりすると、更新のときに、障害の状態が軽くなったと判断されることがあります。仕事の内容や、職場の配慮、周囲の支援の状況も含めて、診断書に実態が伝わっているかが重要です。更新で等級が下がったり、支給が停止されたりした場合の手続きは、別のページで説明する予定です。
就労系の福祉サービスを使っている場合
精神の障害・知的障害・発達障害では、等級判定ガイドラインで、就労継続支援A型・B型や就労移行支援、障害者雇用での就労は、1級または2級の可能性を検討する事情とされています。利用しているというだけで、受給できないわけではありません。利用の頻度、支援の内容、一人でできることの範囲などが、診断書と申立書に書かれていることが重要です。
ご相談は、当センターへ
働いていることが、受給に不利にならないか不安な方のご相談もお受けしています。ただし、65歳以上の方、生活保護を受けている方のご相談はお受けしておりません。くわしくは、65歳以上の方の障害年金:当センターでお手伝いできないこと、ご自身で確認していただきたいこと、生活保護を受けている方は障害年金をもらえる?受け取れる場合の注意点と、当センターでお手伝いできないことをご覧ください。
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。このほか、診断書の作成料(医療機関に支払う実費)は、受給できたかどうかにかかわらずご負担いただきます。医師への同行などをご依頼いただく場合は、日当がかかることがあります(100の質問Q90)。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。
慢性疲労症候群(ME/CFS)で障害年金を考えている方は、慢性疲労症候群(ME/CFS)で障害年金はもらえる?認定基準・診断書・初診日の考え方もご覧ください。
障害者雇用で働いている方、働こうとしている方は、障害者雇用で働くと、障害年金はどうなる?止まるのか・審査で見られる点・診断書と更新の注意点もご覧ください。
制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















