結論:更新があるかどうかは、初めて受け取った年金証書なら「次回診断書提出年月」の欄が目安になります。永久認定でも、ずっと変わらないとは言い切れません
障害年金には、一定の期間ごとに診断書を出して障害の状態を確認される方(有期認定)と、その確認がない方(永久認定)がいます。有期認定の方は、日本年金機構から届く「障害状態確認届(診断書)」を主治医に書いてもらい、提出します。永久認定の方は、この更新の手続きがありません。
初めて年金を受け取った方は、年金証書の「次回診断書提出年月」の欄を見てください。年月が書かれていれば、その年月が初回の更新の提出期限です。すでに更新を済ませた方は、更新後に届いた「次回の診断書の提出について(お知らせ)」などで確認します。欄に年月がない場合や、よくわからない場合は、ねんきんダイヤルか年金事務所(共済組合等から受けている方は、その共済組合等)で確認してください(日本年金機構「障害状態確認届(診断書)の提出期限は何でわかりますか。」)。
ただし、永久認定になっても、「何があっても年金が変わらない」わけではありません。悪化したときの額改定請求や、20歳前障害の所得制限など、永久認定でも続く決まりがあります。更新のある方(有期認定)が「ずっともらえる」と思い込むのは、とくに注意が必要です。
有期認定と永久認定の違い
- 有期認定:厚生労働大臣が指定した年に、障害状態確認届(診断書)を提出し、日本年金機構が障害の状態を確認します。確認の間隔は、障害の状態に応じて決められ、当センターの経験では1年から5年の間のことが多く、実際の時期は年金証書や届いた通知で確認してください。
- 永久認定:診断書を出す年の指定がなく、更新の手続きがありません。
法令には、障害年金の受給権者のうち、障害の程度の審査(厚生年金では「診査」)が必要であると認めて厚生労働大臣が指定した人は、指定された年に、指定日の前3か月以内に作成された診断書を提出する、と定められています(国民年金法施行規則第36条の4、厚生年金保険法施行規則第51条の4)。
「永久認定」「有期認定」という言葉は、法律や施行規則には定められていません。障害年金の実務で広く使われている呼び方で、診断書を出す年の指定がなく更新のない状態を指します。
自分が有期認定か永久認定かを見分ける方法
日本年金機構の案内によると、障害状態確認届(診断書)の提出期限は、初回の更新の場合は「国民年金・厚生年金保険年金証書」の「次回診断書提出年月」の欄で確認します。2回目以降は、「次回の診断書の提出について(お知らせ)」などで確認します。不明な場合は、ねんきんダイヤルか最寄りの年金事務所に問い合わせます(日本年金機構「障害状態確認届(診断書)の提出期限は何でわかりますか。」)。
当センターのQ&Aでは、発達障害で障害年金を受けている方が、役場の窓口で「ずっともらい続けられる」と言われたという相談に対し、年金証書に次回診断書提出年月が書かれている場合は永久認定ではなく、更新時の診断書の内容によって級が下がったり年金が止まったりすることは十分にありうる、とお答えしています(Q&A)。
窓口で「ずっともらえる」と言われたときも、年金証書や届いた通知の記載を、ご自分で確認してください。
更新(有期認定)の流れ
有期認定の方には、提出期限(誕生月の末日)の3か月前の月末に、日本年金機構から障害状態確認届(診断書)が送られます。診断書には、提出期限前3か月以内の障害の状態を書いてもらう必要があります(日本年金機構「障害状態確認届(診断書)が届いたとき」)。
提出が遅れたり、記載に不備があったりすると、年金の支払いが一時止まることがあります。当センターのQ&Aでは、提出から結果が届くまでは、通常3〜4か月ほどとお答えしています(Q&A)。
更新の結果が、同じ等級での継続、等級の引き下げ、支給停止のどれになるか、支給停止になったあとの手続き、結果に納得できないときの審査請求などは、障害年金の更新で支給停止・等級が下がったとき:再開・額改定・審査請求の手続きで説明しています。
通院をやめたからといって、すぐに年金が打ち切られるわけではありません。ただし、有期認定の方は、更新のときに現在の状態を書いた診断書が必要です。通院をやめていると、適切な診断書が作成されないおそれがあるため、自己判断で通院をやめず、主治医と相談することが大切です(Q&A)。
永久認定になるのは、どんな場合か
永久認定になる条件を、法令や障害認定基準が傷病名ごとに定めているわけではありません。日本年金機構も、永久認定になる傷病の一覧を公表していません(2026年10月時点で当センターが確認できた範囲)。そのため、どのような場合に更新が不要になるかは、障害の状態を見て、日本年金機構が個別に判断すると考えられます。
当センターの実務では、両目の視力を完全に失っている場合や、両足を切断している場合のように、障害の状態が今後変わらないと判断されやすいものは、永久認定になることがあります。一方、うつ病や統合失調症などの精神の障害は、症状に波があるため、更新のある有期認定になることが多いと感じています(Q&A、Q&A)。ただし、いずれも当センターの経験にもとづく見方で、法令や日本年金機構が傷病名ごとに定めたものではありません。
精神の障害であれば必ず有期認定、というわけでもありません。当センターの事例では、重度の知的障害と筋ジストロフィーが併合された20代の方が、障害基礎年金1級の永久認定を受けています。また、若年性アルツハイマー型認知症の40代の方が、障害基礎年金1級の永久認定を受けた事例もあります。
永久認定になるかどうかは、請求の段階で、こちらから選べるものではありません。診断書に、日常生活の状況や障害の状態を正確に書いてもらうことが、まず大切です。
永久認定でも、続く決まりがあります
永久認定になっても、次のような決まりは変わりません。
- 悪化したとき:障害の程度が増進したときは、受給権者が年金額の改定を請求できます。原則として、受給権を取得した日または前回の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません(国民年金法第34条第2項・第3項、厚生年金保険法第52条第2項・第3項)。なお、65歳以上で、同じ傷病による障害基礎年金の受給権がない方(1級・2級になったことのない障害厚生年金3級の方)は、この請求ができません(厚生年金保険法第52条第7項)。更新のない方は、悪化しても診断書を出す機会が自動的には来ないため、ご自分で請求するのが基本です。くわしくは、障害年金の額改定請求:悪化したときに等級を上げる請求の条件・時期・注意点をご覧ください。
- 20歳前障害の所得制限:20歳前で、年金制度に加入していない期間に初診日がある障害基礎年金(国民年金法第30条の4。以下「20歳前障害」)には、本人の前年の所得による支給停止があり、所得に応じて、その年の10月から翌年9月まで、年金の全額または半額が止まります(国民年金法第36条の3)。20歳前でも、厚生年金に加入している間に初診日がある方は、この所得制限の対象になりません。20歳前障害の所得は、日本年金機構が市区町村から情報の提供を受けて確認するため、所得状況届は原則として提出不要です。障害の状態は、これとは別に障害状態確認届(診断書)で確認されます(日本年金機構「障害年金受給者が行う手続きの変更について」、2019年8月1日更新)。くわしくは、20歳前に初診日がある障害年金(20歳前障害):条件・保険料・所得制限・注意点をご覧ください。
- そのほかの支給停止:同じ傷病で労働基準法の障害補償を受けられるときの6年間の支給停止(国民年金法第36条第1項、厚生年金保険法第54条第1項)があります。20歳前障害の障害基礎年金は、恩給や労災保険の年金など他の年金給付を受けられるとき、刑事施設に拘禁されているとき、日本国内に住所がないときなどにも止まる場合があります(国民年金法第36条の2)。
- 受給権がなくなる場合:受給権者が亡くなったときなどに、受給権はなくなります(国民年金法第35条)。
また、法律は、国(厚生年金では実施機関)が受給権者の障害の程度を診査し、等級が変わったと認めるときは年金額を改定できること(国民年金法第34条第1項、厚生年金保険法第52条第1項)、必要があるときは障害の状態に関する書類の提出や医師の診断を求められること(国民年金法第107条)を定めています。これらは更新のあるなしで区別されていません。なお、65歳以上で障害厚生年金3級だけを受けている方には、この職権による改定の規定も適用されません(厚生年金保険法第52条第7項)。障害等級に当たる状態でなくなったときは支給が停止されることも、同じです(国民年金法第36条第2項、厚生年金保険法第54条第2項)。
「障害年金はずっともらえますか」というご質問に
当センターでは、「障害年金は一生もらえますか」というご質問に、必ずしもそうとは限りません、とお答えしています。更新のある方は、障害の状態に応じて決められた間隔(当センターの経験では1年から5年の間のことが多い)で診断書を出して障害の状態を確認され、その結果によって、支給の継続、等級の変更、支給停止のどれかになるためです(Q&A)。実際の時期は、年金証書や届いた通知で確認してください。
障害の状態が軽くなったと判断されて支給が停止されても、すぐに受給権がなくなるわけではありません。ただし、障害等級(障害厚生年金の3級を含む)に当たらない状態のまま3年が過ぎ、かつ65歳以上になると、受給権はなくなります(国民年金法第35条、厚生年金保険法第53条)。それまでに状態が悪くなったときは、支給停止事由消滅届で支給の再開を目指せる場合があります。ただし、前回と同じ診断書では、支給停止の解除が認められない可能性が高いため、主治医とタイミングを相談して届出を行うのがよい、とお答えしています(Q&A)。
当センターの事例
- 20代の女性で、重度の知的障害と筋ジストロフィーがありました。20歳前障害に該当するため、発達歴や学校歴、療育手帳の取得状況を整理し、知的障害を主な傷病、筋ジストロフィーを併合の対象として請求しました。障害基礎年金1級の永久認定が決まりました(事例)。
- 40代の女性が、若年性アルツハイマー型認知症で、日常生活全般に介護が必要な状態でした。障害基礎年金1級の永久認定が決まりました(事例)。
- 50代の男性が、うつ病で障害厚生年金3級を受給中でしたが、生活がヘルパーに頼る状態に悪化していました。次回の診断書提出まで1年あったことから額改定請求をして、3級から2級になりました(事例)。更新のある方が、悪化したときに使える手続きの例です。
事例は、受給をお約束するものではありません。永久認定になるかどうかは、障害の状態によって変わります。
請求の流れ
障害年金の請求は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金証書が届いたら、「次回診断書提出年月」の欄を、必ず確認してください。くわしい手順は、障害年金の請求の流れをご覧ください。
当センターに、ご相談ください
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。更新(障害状態確認届)の診断書の準備や、額改定請求、支給停止事由消滅届のご相談もお受けしています。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。診断書の作成料は実費です。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
ただし、65歳以上の方、生活保護を受けている方のご相談はお受けしておりません。65歳以上の方で、老齢年金を受け取っておらず、障害年金の受給条件に当てはまる場合には、お受けすることもあります。くわしくは、65歳以上の方の障害年金:当センターでお手伝いできないこと、ご自身で確認していただきたいこと、生活保護を受けている方は障害年金をもらえる?受け取れる場合の注意点と、当センターでお手伝いできないことをご覧ください。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。
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制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















