結論:ミオパチーでも、筋力の低下などで生活や仕事が制限されていれば、障害年金を受け取れることがあります
ミオパチーで障害年金を受け取れることはあります。ただし、ミオパチーと診断されたこと、または指定難病であることで決まるのではなく、筋力の低下や疲れやすさなどのために、日常生活や仕事がどのくらい制限されているかで決まります。
「ミオパチー」は、筋肉そのものに原因のある病気(筋疾患)をまとめて呼ぶ言葉として使われることがあり、先天性のもの、炎症によるもの、薬の影響によるものなど、原因も経過もさまざまです。日本年金機構の障害認定基準には、「ミオパチー」という病名は出てきません。そのため、障害年金では、病名の種類ではなく、筋力の低下などで生じた障害の状態が、症状の出ている部位に応じた基準で判断されます。
もう1つ大切なのは、初診日です。ミオパチーは、力が入りにくい、疲れやすいといった症状から始まり、診断がつくまでに時間がかかったり、最初に別の病名を言われたりすることがあります。障害年金の初診日は、診断名がついた日とは限らず、その傷病の症状で最初に医師の診療を受けた日です。
この記事は、ミオパチーで障害年金を考えている方と、そのご家族のために、受け取れるかどうかの考え方、診断書の注意点、初診日の考え方、請求の流れを説明します。
ミオパチーと呼ばれる病気には、どんなものがあるか
ミオパチーと呼ばれる病気は、広い範囲にわたります。難病情報センターの病気の解説から、主なものを紹介します。
- 先天性ミオパチー(指定難病111):生まれながらに筋組織の形態に問題があり、生後間もなくから、または幼少期から筋力の低下などが出る病気です。大人になってから「力が入りにくい」「疲れやすい」と気づいて受診する成人型もあります。呼吸や心臓の症状を伴うことがあり、症状の経過はゆっくりですが、進行性とされています。診断の確定には、筋生検(筋組織を採取して顕微鏡で調べる検査)か遺伝子検査が必要とされています。
- 遠位型ミオパチー(指定難病30):体幹から遠い筋肉(足首や指先を動かす筋肉)から障害される遺伝性の筋疾患の総称です。日本で比較的多いとされる「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)」と「三好型ミオパチー」は、多くが20代から30代にかけて発症するとされています。
- 皮膚筋炎/多発性筋炎(指定難病50):筋肉の炎症により、筋肉に力が入りにくくなったり、疲れやすくなったりする病気です。膠原病に含まれ、皮膚症状(皮膚筋炎)や関節の症状、間質性肺炎などを伴うことがあります。難病情報センターは、グルココルチコイド(副腎皮質ステロイド)療法が9割以上の症例で効果を示し、大多数が日常生活に復帰するとしています。一方で、高齢者を中心に、炎症が落ち着いたあとも筋力低下が残る場合が多くある、とも説明しています。
- 封入体筋炎(指定難病15):主に50歳以上で発症する慢性の経過の筋疾患で、大腿部や手指の筋肉が萎縮して筋力が低下します。ステロイドの治療に反応しないことが多く、治療法が確立されていない、と説明されています。
このほか、ベスレムミオパチー(指定難病31)、自己貪食空胞性ミオパチー(指定難病32)など、病名に「ミオパチー」がつく指定難病があります。また、ステロイドを長く使ったことによる筋力の低下(難病情報センターの多発性筋炎・皮膚筋炎の解説では「グルココルチコイド筋症」。ステロイドミオパチーとも呼ばれます)や、代謝の異常によるもの(代謝性ミオパチー)など、指定難病ではないものもあります。
同じ「ミオパチー」でも、障害年金の対象になるほど重い方と、そうでない方がいます。次の節から、どこを見て判断されるかを説明します。
ミオパチーで障害年金を受け取れるのは、どんなときか
条件の1つめは、初診日に年金制度へ加入していたことです。会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、1級・2級では障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、3級では障害厚生年金だけが支給されます。国民年金の期間に初診日がある方は、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。また、60歳以上65歳未満で日本国内に住んでいる間に初診日がある方は、その時点で年金制度に加入していなくても、以前に加入していたことがあれば、障害基礎年金の対象になります(国民年金法第30条第1項第2号。老齢基礎年金を繰上げ受給している方は対象になりません。国民年金法附則第9条の2の3)。
先天性ミオパチーのように、子どものころに症状が出る病気もあります。初診日が20歳になる前で、そのとき厚生年金に加入していなかった場合は、20歳前の傷病による障害基礎年金の対象になり、保険料の納付要件は問われません(国民年金法第30条の4。ご本人の所得による支給の制限があります〔第36条の3〕)。20歳前でも、就職して厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、障害厚生年金の対象です。くわしくは、20歳前に初診日がある障害年金(20歳前障害)をご覧ください。
2つめは、保険料の納付です。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。
3つめは、障害の程度です。次の節で説明します。
3級があるのは障害厚生年金だけで、初診日に厚生年金に加入していた方が対象です。初診日が国民年金の期間にある方は、1級か2級に当たらなければ受け取れません。
初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか?」(Q2)をご覧ください。
障害の程度は、どの基準で、どう見られるのか
障害認定基準は、病名ごとではなく、主に障害の出ている部位や機能(肢体、そしゃく・嚥下、言語、呼吸器、心疾患など)ごとに作られています。そのため、ミオパチーという病名が基準になくても、筋力の低下などで生じた障害は、症状が出ている部位に応じた基準で判断されることになります。主なものは次のとおりです。なお、基準に明示されていない障害については、「最も近似している認定基準の障害の程度に相当するものを準用して行う」という定めもあります(障害認定基準 第2の3(4))。
手足の筋力低下:肢体の障害(第7節)の「肢体の機能の障害」の基準で見られます。神経系統の障害(第9節)にも、肢体の障害の認定は第7節の認定要領に基づいて行う、という定めがあります。肢体の障害が上肢と下肢などの広範囲にわたる場合(例として、脳血管障害、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー等が挙がっています)は、上肢・下肢・体幹を別々に見ず、「肢体の機能の障害」としてまとめて認定されます。その程度について、基準は「関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する」としています。疲れやすさにかかわる「耐久性」が、考慮する項目に入っています。障害が両足だけなど一部に限られている場合は、その部位の基準(下肢の障害など)で認定されます。
等級の例として、基準は、1級に「一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの」「四肢の機能に相当程度の障害を残すもの」、2級に「一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」「四肢に機能障害を残すもの」、3級に「一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの」を示しています。「機能障害を残すもの」は、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」か、ほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいう、とされています。例示にミオパチーは挙がっておらず、等級は、お一人おひとりの状態で判断されます。
等級のおおまかな考え方は、1級は日常生活の用を弁ずることができない程度、2級は日常生活が著しい制限を受けるか、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度、3級は労働が著しい制限を受けるか、労働に著しい制限を加えることを必要とする程度です。なお、傷病が治っていない場合は、労働が制限を受ける程度でも3級に当たるとされています。
飲み込み(嚥下):そしゃく・嚥下機能の障害(第5節)は、摂取できる食物の内容と摂取方法で判断されます。2級は「そしゃくの機能を欠くもの」(流動食以外は摂取できない、経口で食物を摂取することが極めて困難など)、3級は「そしゃくの機能に相当程度の障害を残すもの」(ゾンデ栄養の併用が必要、または全粥又は軟菜以外は摂取できない程度)です。
発音・話すこと:音声又は言語機能の障害(第6節)は、構音障害(発音に関わる機能の障害)を含みます。「日常会話が誰とも成立しない」程度は2級、「互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つ」程度は3級の例です。構音障害とそしゃく・嚥下の障害が併存するときは、併合認定の取扱いとされています。
呼吸:呼吸器疾患による障害(第10節)の「呼吸不全」の説明では、慢性呼吸不全を生じる疾患として「神経・筋疾患」が挙がっています。呼吸不全の程度は、動脈血ガス分析値(動脈血の酸素分圧と二酸化炭素分圧)を優先し、予測肺活量1秒率などの検査成績や一般状態区分表(日常生活での介助の程度)も参考にして、総合的に判断されます。
心臓:心臓の機能に障害が出る場合は、心疾患による障害(第11節)の基準で見られます。先天性ミオパチーでは、心臓の合併症が検査で見つかることがあるとされています(難病情報センター)。
症状が複数の部位に出ているときの組み合わせ方は、個別に判断が分かれます。ご相談ください。
基準の「その他の疾患による障害」(第18節)には、「いわゆる難病」の定めがあります。「いわゆる難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、発病は緩徐であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、その認定に当たっては、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定するものとする。」とされ、続けて「なお、厚生労働省研究班や関係学会で定めた診断基準、治療基準があり、それに該当するものは、病状の経過、治療効果等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。」とされています。この定めは、いわゆる難病を認定するときの考え方を示したものです。ミオパチーがこの定めの対象に当たるかどうかは、基準に書かれていませんが、どちらの場合も、症状の出ている部位の基準とあわせて、日常生活の状況が総合的に見られます。
等級の決まり方は、100の質問の「障害年金の等級(1級・2級・3級)はどう決まりますか?」(Q4)をご覧ください。各基準のくわしい説明は、肢体の障害認定基準、そしゃく・嚥下・言語の障害年金認定基準、呼吸器疾患の障害認定基準、心臓の障害(循環器障害)の障害認定基準のページにあります。
多発性筋炎・皮膚筋炎は、基準でどう扱われるか
多発性筋炎・皮膚筋炎は、膠原病に含まれる病気です(難病情報センター)。障害認定基準の全文で調べたところ、「筋炎」という語は見当たりませんでした。「膠原病」という語は、第8節(精神の障害:膠原病や内分泌疾患を含む全身疾患による中枢神経障害を原因とする精神障害)、第11節(心疾患:大動脈瘤の原因として)、第12節(腎疾患:慢性腎不全を生じる疾患として)の3か所に出てきますが、いずれも、他の障害の原因となる疾患の例として挙がっているものです。多発性筋炎・皮膚筋炎の筋力低下そのものを、どの節で見るかを定めた文は、基準に見当たりません。
障害認定基準は部位別に作られているので、多発性筋炎・皮膚筋炎も、ほかのミオパチーと同じく、筋力低下などで生じた状態が、症状の出ている部位に応じた基準で判断されると考えられます。肺の症状(間質性肺炎)がある場合は呼吸器疾患の基準、心臓に障害がある場合は心疾患の基準、飲み込みに障害がある場合はそしゃく・嚥下機能の基準、といった形です。膠原病の柱ページとして、リウマチで障害年金はもらえる?と全身性エリテマトーデス(SLE)で障害年金はもらえる?もあります。
多発性筋炎・皮膚筋炎は、治療で症状が落ち着く方が多いと説明されています(難病情報センター)。更新のある認定になることもあるため、更新の診断書の内容は大切です。
人工呼吸器を使っている場合
障害認定基準には、人工呼吸器の使用にかかわる定めが、神経系統の障害(第9節)にあります。「神経系の障害により」次のいずれかの状態にある場合は、「原則として初診日から起算して1年6月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱う」とされ、そのうちの1つが次のとおりです(等級の基準ではなく、障害認定日を早める定めです)。
「現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき。」
この定めは神経系の障害についてのもので、筋肉そのものの病気であるミオパチーに当たるかどうかは、基準に書かれていません。また、定めに書かれているのは「気管切開下での」人工呼吸器の使用で、マスクで使う人工呼吸器(NPPVなど)が当たるかどうかは、文言からは読み取れません。初診日から6月経過した日以後であること、「恒久的な措置」であること、「今後の回復は期待できず」「日常の用を弁ずることができない状態」と認められることも条件です。なお、呼吸器疾患の基準(第10節)には、人工呼吸器の使用そのものを等級の目安とする定めは見当たりません(在宅酸素療法を施行中の方についての定めはあります)。人工呼吸器を使っている方は、診断書に、使い始めた時期や、使っている時間、日常生活の状態を具体的に書いてもらうことが大切です。
診断書は、症状に合わせて様式を選びます
障害年金の診断書は、障害がどこにあるかによって様式が違います。日本年金機構は、障害の現れる部位や状態が多岐にわたる場合は、一番的確に記入できる様式(場合によっては2種類以上)を提出するよう案内しています。ミオパチーで使われることがあるのは、主に次のとおりです。
- 肢体の障害用(様式第120号の3):手足の筋力低下、歩行や日常生活の動作の制限があるとき
- 聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害用(様式第120号の2):飲み込みにくさや、発音のしにくさがあるとき
- 呼吸器疾患の障害用(様式第120号の5):息苦しさや、呼吸の補助があるとき
- 循環器疾患の障害用(様式第120号の6-(1)):心臓の機能に障害があるとき
肢体の障害用の診断書の留意事項には、言語障害もあるときは、言語機能の障害用の診断書も必要になる、と書かれています。どの様式が必要かは、症状の出方によって変わります。診断書を依頼する前に、年金事務所や当センターで確認してください。
肢体の障害用の診断書は、関節の動く範囲と筋力を測って書く様式です。筋力は、医師が手で抵抗を加える徒手の検査で測り、障害認定基準(別紙「肢体の障害関係の測定方法」)では、次の5段階に分けるとされています。
- 正常:検者の手で加える十分な抵抗を排して自動可能な場合
- やや減:検者の手をおいた程度の抵抗を排して自動可能な場合
- 半減:検者の加える抵抗には抗し得ないが、自分の体部分の重さに抗して自動可能な場合
- 著減:自分の体部分の重さに抗し得ないが、それを排するような体位では自動可能な場合
- 消失:いかなる体位でも関節の自動が不能な場合
診断書の記載要領には、肩、肘、前腕、手首、股、膝、足首の関節の動く範囲を、左右とも書くこと、日常生活における動作は、必ず補助用具を使わない状態で判断すること、日常生活活動能力だけでなく労働能力も必ず書くこと、書ききれないことや請求者の状態について特記すべきことがあれば特記事項の欄に書くこと、が示されています。診断書には、診察した日(現症日)の状態が書かれます。ですから、疲れやすさや、動き続けたあとの状態、階段や立ち上がりでの困りごとなど、診察室の測定だけでは伝わりにくいことは、主治医に具体的に伝えておいてください。手指や足首の筋力低下が中心の場合も、つまむ、握る、ひもを結ぶ、歩く、階段を上るといった、日常生活の動作でできないこと、不自由なことを、そのとおり伝えることが大切です。
診断書については、障害年金の診断書のページと、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか?」(Q19)をご覧ください。
初診日は、診断名がつく前の受診日になることがあります
ミオパチーは、最初は、力が入りにくい、疲れやすい、つまずきやすいといった症状で医療機関にかかり、診断がつくまでに時間がかかることがあります。先天性ミオパチーでは、診断の確定に筋生検か遺伝子検査が必要とされています(難病情報センター)。多発性筋炎・皮膚筋炎では、筋症状は徐々に現れるので、通常は症状の出た日を特定できない、と説明されています(難病情報センター)。
障害年金の初診日は、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です(障害認定基準「一般的事項」)。診断名がついた日とは限りません。診断名がつく前の受診でも、のちにミオパチーと診断された症状での受診であれば、その受診が初診日にあたる可能性があります。どの受診が初診日になるかは、受診した理由や、その後の経過で判断されます。なお、健康診断を受けた日は、原則として初診日にはなりません(厚生労働省 平成27年9月28日年管管発0928第6号)。健康診断で異常を指摘されて医療機関を受診した場合は、その受診が初診日の候補になります。
初診日が、厚生年金と国民年金のどちらの期間か、20歳前かどうかで、受け取れる年金の種類が変わります。子どものころから症状があった方、症状がゆっくり進んで受診が遅れた方、最初に別の病名で受診していた方は、初診日の整理を早めにしておくことをおすすめします。
初診日は、ご本人や医師の言い分だけで決まるものではなく、裏付けの資料にもとづいて判断されます。初診の病院に、カルテが残っていない、病院がなくなっている、といった場合の対処は、受診状況等証明書のページをご覧ください。初診日が分からないときは、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか?」(Q26)もご覧ください。
指定難病の医療費助成とは、別の制度です
先天性ミオパチー(111)、遠位型ミオパチー(30)、皮膚筋炎/多発性筋炎(50)、封入体筋炎(15)などは、指定難病です(難病情報センター)。指定難病の医療費助成は、医療費の自己負担を軽くする制度で、難病指定医が作成した臨床調査個人票(診断書)を添えて、都道府県・指定都市の窓口に申請します。助成の対象になるのは、原則として、病気ごとの重症度分類に照らして病状の程度が一定以上の方か、重症度分類を満たさなくても高額な医療を続ける必要がある方(軽症高額該当)です。
障害年金は、年金制度にもとづく給付で、指定難病かどうかは問いません。制度の目的も、判断の基準も、申請先も違います。医療費助成を受けているからといって障害年金が認められるわけではなく、反対に、指定難病に当たらないミオパチーでも、障害年金を受け取れる可能性はあります。医療費助成について、くわしくはお住まいの都道府県の難病の窓口でご確認ください。
難病全般の考え方は、難病で障害年金はもらえる?と、100の質問の「難病(パーキンソン病・筋ジストロフィーなど)は対象になりますか?」(Q50)をご覧ください。同じ筋疾患の柱ページとして、筋ジストロフィーで障害年金はもらえる?もあります。
身体障害者手帳(肢体不自由など)も、障害年金とは別の制度です。手帳の申請は、当センターでは受けておりません(障害者手帳をお持ちの方・取得をお考えの方へ)。
当センターのQ&Aと、相談者の声
当センターのQ&A(無料相談会などの記録)と、相談者の声には、次のものがあります。
- 四国中央市の新聞折り込みちらしを見て、無料相談会に飛び入りで参加された方です。約10年前に高熱が出て受診し、最初はギラン・バレー症候群と診断され、のちの病院の診察でミオパチーと診断された、と記録しています。このQ&Aに、申請の結果は書かれていません(Q&A)。
- 2020年1月版の相談者の声には、ミオパチーの方が、相談の理由を「自分に資格があるのか?今後働けなくなった時、不安な為」と書き、求めることとして「障害年金の可否判断」を選んでいます(相談者の声)。
上のQ&Aのように、最初は別の病名で診断され、のちにミオパチーと診断される経過をたどる方もいます。診断名が変わった場合の初診日の考え方は、前の節をご覧ください。
働いていても、受け取れますか
働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。肢体の障害は、関節の動く範囲や筋力、日常生活の動作の状態で判断されます。診断書には、日常生活活動能力と労働能力を書く欄があるため、職場で受けている配慮(休憩、重い物を持たない、など)や、できなくなった作業を、主治医に伝えておくことをおすすめします。
くわしくは、働いていても障害年金はもらえる?と、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)をご覧ください。
障害認定日と、さかのぼって受け取れる場合
障害認定日は、原則として、初診日から1年6か月が過ぎた日です。1年6か月以内に傷病が治った場合(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)は、その日です。初診日が20歳前で、そのとき厚生年金に加入していなかった方は、障害認定日が20歳になる前なら、20歳に達した日の状態で判断されます。
ミオパチーは、症状がゆっくり進む病気もあります。障害認定日の時点で等級に当たっていたことが認められると、障害認定日の翌月分までさかのぼって年金を受け取れることがあります(時効の関係で5年分まで)。障害認定日から1年以上たってから請求するときは、診断書は2通必要です。診断書の時期は、障害認定日から3か月以内の現症のものと、請求日前3か月以内の現症のものです(日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」「障害厚生年金を受けられるとき」)。ただし、初診日が20歳前で厚生年金に加入していなかった方は、診断書の時期が異なることがあるため、請求前にご相談ください。昔の診察の記録が残っていないと、障害認定日の診断書を書いてもらえないことがあります。
障害認定日に等級に当たっていなかった場合や、障害認定日の診断書が取れない場合は、「事後重症」として請求できます。事後重症の請求は、65歳の誕生日の前々日までにする必要があり(老齢基礎年金を繰上げ受給している方は請求できません)、年金は請求した月の翌月分から支給されます。さかのぼっては受け取れません。
くわしくは、障害年金の遡及請求と、100の質問の「遡及請求(さかのぼって受給)とは何ですか?何年分までもらえますか?」(Q78)をご覧ください。
受け取れる金額の目安
障害基礎年金は定額です。令和8年度(2026年度)は、2級が年額847,300円、1級が年額1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です。子がいる場合は、加算があります)。障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。1級・2級では、障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級には最低保障額(令和8年度は年額635,500円・昭和31年4月2日以後生まれの方の額)があります。
障害年金は、所得税や住民税がかからない年金です。年金額は年度ごとに改定されるため、最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。
申請の流れと、結果が出るまでの期間
申請は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、数か月かかります(日本年金機構の目安は、最新の障害年金ガイドでご確認ください。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります)。
提出先は、初診日に国民年金の第1号被保険者だった方、初診日が20歳前で厚生年金に加入していなかった方、60歳以上65歳未満で年金制度に加入していなかった方は、お住まいの市区町村の窓口です。初診日に厚生年金に加入していた方と、国民年金の第3号被保険者だった方は、年金事務所または街角の年金相談センターです。初診日が共済組合の加入期間にある方は、共済組合等が窓口になります(日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」「障害厚生年金を受けられるとき」)。
病歴・就労状況等申立書には、症状が出始めたころからの経過を、具体的に書きます(申立書のページ)。くわしい手順は、障害年金請求の流れと、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。
不支給になった場合と、受給後の更新
審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。くわしくは、障害年金が不支給になったときをご覧ください。
障害年金を受け取り始めたあとも、障害の状態が変わる可能性があるとして「有期認定」とされた場合は、1〜5年ごとに障害状態確認届(診断書)を提出し、障害の状態を確認されます(障害の状態が変わらないとされた「永久認定」の場合は、提出は求められません)。症状が改善したと判断されると、年金額が下がったり、支給が停止したりすることがあります。更新については、更新で支給停止になったときと、障害年金の有期認定と永久認定の違いをご覧ください。反対に、症状が進んだときは、等級を上げる請求(額改定請求)ができます。ただし原則として、受給権を取得した日か、前回の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません。くわしくは、額改定請求のページをご覧ください。
当センターに、ご相談ください
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。入院中の方やご家族だけでのご相談も、ご本人の同意があれば承ります。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。診断書の作成料は実費です。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
なお、生活保護を受けている方のご相談はお受けしておりません。65歳以上の方のご相談も、原則としてお受けしておりません(老齢年金を受け取っておらず、障害年金の受給条件に当てはまる場合には、お受けすることもあります)。くわしくは、65歳以上の方の障害年金、生活保護を受けている方は障害年金をもらえる?をご覧ください。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。
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制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















