結論:リウマチでも、障害年金を受け取れることがあります
リウマチ(関節リウマチ)は、障害年金の対象になる病気です。ただし、リウマチと診断されただけで受け取れるわけではありません。リウマチは、手足の関節が腫れたり痛んだりして、動かしにくくなる病気で、障害年金では、関節の動く範囲、筋力、日常生活での動作(つまむ、握る、さじで食事をする、顔を洗う、上着を着たり脱いだりする、歩く、階段を上り下りするなど)が、肢体の障害として見られます。
受け取るための条件は、大きく3つです。初診日(リウマチの症状で、初めて医師の診療を受けた日。リウマチと診断された日とは限りません。転院した場合は、一番初めに受診した日です)に、国民年金か厚生年金に加入していたこと。初診日の前日までの保険料の納付状況が要件を満たしていること。そして、障害認定日(原則として初診日から1年6か月後)か、その後65歳になるまでに、障害の状態が等級に当たっていることです(後者の場合の請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります)。
薬で症状が落ち着いている時期は、等級に当たりにくくなります。反対に、関節の変形や痛みで日常生活に大きな支障がある方、人工関節を入れた方(厚生年金の期間に初診日がある場合)は、受け取れる可能性があります。この記事では、リウマチで障害年金を考えている方のために、受け取れるかどうかの考え方、準備するもの、注意点を説明します。
リウマチで障害年金を受け取れるのは、どんなときか
条件の1つめは、初診日に年金制度へ加入していたことです(ただし、20歳前の期間や、日本に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間に初診日がある場合も、障害基礎年金の対象になります。60歳以上65歳未満の期間については、老齢基礎年金を繰り上げて受け取っている方は対象になりません)。会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、1級・2級では障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、3級では障害厚生年金だけが支給されます。自営業やフリーランス、学生などで国民年金に加入していた期間に初診日があれば、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。
初診日が、厚生年金と国民年金のどちらの期間かで、結果が大きく変わります。当センターの事例では、リウマチで3級が決まったのは、いずれも厚生年金の期間に初診日がある方で、国民年金の期間に初診日がある方は、2級に当たらなければ受け取れません。
2つめは、保険料の納付です。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって、初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。
3つめは、障害の程度です。リウマチの場合は、手足の関節の動く範囲、筋力、日常生活動作などが、あわせて見られます。
初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか?」(Q2)をご覧ください。
リウマチは、どのように等級が判断されるのか
国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(肢体の障害)には、関節リウマチだけを対象にした項目はありません。リウマチの場合も、上肢(肩・ひじ・手首と手指)や下肢(股・ひざ・足首と足指)の障害として見られ、上肢と下肢の広い範囲に障害がある場合は、「肢体の機能の障害」として認定されます。関節の評価では、関節の動く範囲だけでなく、筋力、巧緻性(手先の器用さ)、速さ、耐久性も考え、日常生活の動作の状態から総合的に判断されます。日常生活の動作には、つまむ、握る、タオルを絞る、ひもを結ぶ、さじで食事をする、顔を洗う、上着を着たり脱いだりする、片足で立つ、歩く、立ち上がる、階段を上り下りする、などがあります。
上肢と下肢の広い範囲に障害がある場合、3級の例は「一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの」、2級の例は「四肢に機能障害を残すもの」、1級の例は「四肢の機能に相当程度の障害を残すもの」です。「機能障害を残すもの」とは、日常生活の動作の一部が一人では全くできないか、ほとんどが一人でできてもやや不自由な場合をいいます。なお、3級は、厚生年金の期間に初診日がある方だけが対象です。
当センターの事例では、診断書に、筋力・関節可動域を詳しく書いてもらった事例や、全身の筋力が衰え、歩くことはできるが手足がやや不自由である、という本人の症状がきちんと反映された診断書を書いてもらった事例があります。
等級の決まり方は、100の質問の「障害年金の等級(1級・2級・3級)はどう決まりますか?」(Q4)をご覧ください。
申立書には、手と足の「使いづらいエピソード」を書きます
リウマチは、薬で症状が落ち着く時期と、悪化する時期があり、診察のときの状態だけでは、日常生活の困りごとが伝わりにくいことがあります。当センターの事例では、申立書に次のようなことを具体的に書いています。
- 「階段の上り下りができず、寝ていても関節の激痛で目が覚める」といった、当時の状態
- ゴミ出し、食事、着替え、化粧など、日常生活の動作の不便
- 手足それぞれで使いづらいエピソード
- 箸や包丁が使えない、歯磨きで激痛が走る、通勤に家族の送迎が必要になった、といったできごと
人工関節を入れた場合・入れる前の場合
リウマチで関節が壊れると、人工関節を入れる手術を受けることがあります。人工関節の場合の扱いは、人工関節の柱ページ(人工関節で障害年金はもらえる?)もご覧ください。
肩・ひじ・手首、または股・ひざ・足首のうち、1つ以上の関節に人工関節や人工骨頭を入れた場合は、原則として3級と認定されます。入れたあとも、なお重い障害が残っている場合は、さらに上の等級になることがあります。3級は障害厚生年金だけの等級のため、国民年金の期間に初診日がある方は、人工関節を入れていても、2級に当たらなければ受け取れません。
障害の程度を見る日(障害認定日)は、人工関節を入れた日です。ただし、これは初診日から1年6か月以内に手術を受けた場合に限られます。1年6か月を過ぎてから手術を受けた場合は、原則どおり、初診日から1年6か月が過ぎた日が障害認定日です。この場合、障害認定日の時点で、関節の動く範囲や筋力などが等級に当たっていなければ、手術の日にさかのぼって受け取ることはできず、手術のあとの状態で請求(事後重症請求)することになります。人工関節を入れる前でも、関節の動く範囲、筋力、日常生活の動作の状態が等級に当たっていれば、請求できます。
当センターの事例には、次のようなものがあります。
- 初診日から1年9か月後に人工関節を入れた事例では、認定日(初診日から1年6か月)の時点では人工関節を入れていなかったため、認定日の請求が認められるかは診断書次第でした。肢体の障害だけで請求することになるため、筋力・関節可動域を詳しく書いてもらい、当時から杖を使っていたことなどを申立書に書いて、認定日からの障害厚生年金3級が認められ、5年さかのぼって約280万円を受け取りました。
- 主治医が人工関節置換術をすすめていて、手術後に診断書を書くと言っていた事例では、初診日が国民年金の期間にあり、2級に当たらなければ受給できないため、現在の状態での診断書をお願いし、書いてもらって、障害基礎年金2級が決まりました。なお、障害年金を受け取り始めたあとも、障害状態確認届で状態が確認されます。手術で関節の状態がよくなれば、2級に当たらなくなり、支給が止まることがあります。
初診日の確認が、最初の大切な作業です
障害年金の申請では、初診日がいつかを証明することが、最初の大きな作業になります。リウマチは、診断がつくまでに時間がかかったり、別の病気のあとにリウマチと診断されたりして、初診日の判断が分かれることがあります。当センターの事例にも、次のようなものがありました。
- 交通事故のあと、長い年月をかけて転院を繰り返す中でリウマチと言われた方の事例では、どの受診をリウマチの初診日とみるかが問題になりました。結果は、2級が認められました。
- 初診と聞いていた病院に確認したところ、初診は別の病院でしたが、その病院名を教えてもらうことができ、その病院にもカルテが残っていて、受診状況等証明書を取得できた事例があります。
初診日は、リウマチと診断された日とは限りません。前の病気やけががなかったらリウマチにならなかった、という関係(相当因果関係)が認められる場合は、前の病気やけがで初めて受診した日が初診日になります。
くわしくは、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか?」(Q26)をご覧ください。
認定日請求と事後重症請求
障害認定日(初診日から1年6か月が過ぎた日)のころの状態が等級に当たっていれば、さかのぼって請求(遡及請求)できます。ただし、時効があるため、さかのぼって受け取れるのは、5年分までです。上の人工関節の事例のように、5年さかのぼって約280万円を受け取った事例があります。
認定日のあとに状態が悪化したときは、現在の診断書で請求する方法(事後重症請求)もあります。事後重症請求は、請求した月の翌月分からの支給で、さかのぼっては受け取れません。請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。当センターの事例には、初診から1年半の認定日から1年以内で、認定日請求ができる状況でしたが、認定日以降の半年で状態が格段に悪化していたため、確実に等級に当たる現在の診断書で、事後重症請求にした事例があります。この事例では、診断書に、全身の筋力が衰え、歩くことはできるが手足がやや不自由である、という症状がきちんと反映され、申立書に、ゴミ出し、食事、着替え、化粧など日常生活の不便を詳しく書いて、障害厚生年金3級が決まりました。
くわしくは、100の質問の「遡及請求(さかのぼって受給)とは何ですか?何年分までもらえますか?」(Q78)をご覧ください。
リウマチと、ほかの病気が重なっている場合
リウマチと、双極性障害のような精神の病気が重なっている場合は、それぞれで請求できます。当センターの事例では、以前に精神の障害だけを自分で請求して不支給になった方について、肢体不自由があるため、精神と合わせてリウマチでも請求しました。精神の障害は2級に当たらないという結果でしたが、リウマチだけで障害基礎年金2級が認められました。精神の障害については、20年以上の通院歴があり、だんだん悪化してきていることを強調し、リウマチについては、手足それぞれの使いづらいエピソードを詳しく書きました。
働いていても、受け取れますか
働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。当センターの事例には、就労を続けていて、箸や包丁を使えない、歯磨きで激痛が走る、通勤は家族に送迎してもらっている、という状態で、障害厚生年金3級が決まった事例があります。
くわしくは、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)と「フルタイムで働いていても障害年金はもらえますか?」(Q54)をご覧ください。
診断書は、何科の医師に、どう書いてもらうか
リウマチの診断書は、肢体の障害用(様式第120号の3)を使います。日本年金機構は、肢体の障害用の診断書を使う主な病気として関節リウマチを挙げています。書く医師の診療科の決まりは示されていないため、リウマチの治療を受けている主治医に依頼してください。診断書には、関節の動く範囲と筋力を左右両方とも書く欄、日常生活の動作の欄、働く能力の欄があり、日常生活の動作は、杖などの補助用具を使わない状態で判断して書くことになっています。人工関節を入れた方は、入れた部位と手術日も書いてもらいます。
診断書の費用は、医療機関ごとに決められており、健康保険の対象外です。依頼する前に、料金と作成にかかる期間を確認してください。くわしくは、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか?」(Q19)をご覧ください。
障害者手帳との関係
障害年金と、障害者手帳は、別の制度です。手帳があることと、障害年金を受け取れることは別で、手帳を持っていなくても、障害年金の申請はできます。くわしくは、100の質問の「障害者手帳を持っていれば障害年金をもらえますか?」(Q7)をご覧ください。
受け取れる金額の目安
障害基礎年金は定額です。令和8年度(2026年度)は、2級が年額847,300円、1級が年額1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です。子がいる場合は、加算があります)。障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。1級・2級では、障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級には最低保障額(令和8年度は年額635,500円・昭和31年4月2日以後生まれの方の額)があります。
年金額は年度ごとに改定されるため、最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。障害年金は、所得税や住民税がかからない年金です。
申請の流れと、結果が出るまでの期間
申請は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、3か月程度が目安です(日本年金機構「障害年金ガイド」の目安です。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります)。受け取れることが決まると、年金証書が届き、1〜2か月後ごろに最初の振込が始まります。
くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。
不支給になった場合と、受給後の更新
審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。どちらが適しているかは、不支給の理由によって変わります。
障害年金を受け取り始めたあとも、多くの場合、1〜5年ごとに、障害状態確認届(診断書)を提出して、障害の状態を確認されます。症状が改善したと判断されると、年金額が下がったり、支給が停止したりすることがあります。反対に、悪化したときは、等級を上げる請求(額改定請求)ができます。3級の障害厚生年金だけを受けている方(過去に2級以上になったことがない方)は、65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。ただし原則として、年金を受ける権利が発生した日(受給権を取得した日)や、障害の程度の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません。
くわしくは、100の質問の「不支給の通知が届きました。どうすればよいですか?」(Q68)と、「障害年金の更新(障害状態確認届)とは何ですか?」(Q72)をご覧ください。
当センターに、ご相談ください
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。入院中の方やご家族だけでのご相談も、ご本人の同意があれば承ります。一度も事務所にお越しにならずに、受給された方もいらっしゃいます。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。
リウマチの受給事例
リウマチで障害年金を受給された方の事例を、一部ご紹介します。個人が特定されないよう、内容を調整しています。
- リウマチで障害年金3級決定した事例
- リウマチで障害厚生年金3級、年間約58万円受給した事例
- リウマチ・双極性障害 併合申請でリウマチのみ障害基礎年金2級を取得、年間約78万円受給したケース
- リウマチで基礎年金2級、年間約78万円受給となったケース
- 関節リウマチで障害厚生年金2級を受給、年間約130万円を受給できたケース
事例は、受給をお約束するものではありません。同じ病名でも、結果は一人ひとりの状況で異なります。
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制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構「障害年金ガイド 令和8年度版」「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















