結論:全身性強皮症でも、日常生活や仕事への制限が重ければ、障害年金を受け取れることがあります
全身性強皮症で障害年金を受け取れることはあります。
ただし、全身性強皮症と診断されたことだけで決まるのではありません。病気によって、日常生活や仕事がどのくらい制限されているかで決まります。
全身性強皮症は、皮膚や内臓が硬くなる変化(硬化、あるいは線維化)が特徴の病気です。30〜50歳代の女性に多く見られるとされています(難病情報センター「全身性強皮症(指定難病51)」)。
障害年金の認定基準(日本年金機構「障害認定基準」)には、この病名の専用の項がありません。そのため、症状が出ている部位の基準に当てはめて、日常生活や仕事の制限を総合的に見て判断されます。
- 手指や関節の動き:「肢体の障害」の基準
- 肺:「呼吸器疾患による障害」の基準
- 腎臓:「腎疾患による障害」の基準
診断書も、症状の出ている部位に合わせて出します。1枚とは限らず、複数になることがあります。
皮膚が硬くなること、寒さで指先の色が変わること、指先の潰瘍などの皮膚の症状そのものについては、認定基準に個別の定めがありません。どの基準で、どの程度のときに等級に当たるのかを、ここで「当たる」「当たらない」と言い切ることはできません。
手指や関節の動き、肺や腎臓などの内臓の状態、日常生活や仕事で困っている動作を、診断書や申立書で具体的に伝えることが大切です。
この記事は、全身性強皮症で障害年金を考えている方とそのご家族のために、受け取れるかどうかの考え方、準備するもの、注意点を説明します。
病名の呼び方についても、お伝えします。日本リウマチ学会は、2024年4月からこの病気の正式な呼び方を「全身性硬化症」に統一しています(難病情報センターによる)。
ただし、難病情報センターによると、医療現場や患者会、社会一般では「全身性強皮症」という呼び方が使われ続けています。同センターのページでも、段階的に移行する予定とされています。診断書や医療費助成の書類に「全身性硬化症」と書かれていても、この記事の内容は同じです。
障害年金を受け取れるのは、どんなときか
条件は3つあります。1つめは、初診日に年金制度へ加入していたことです。
初診日とは、障害の原因となった病気で、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。診断名がついた日とは限りません。
初診日にどの制度に加入していたかで、受け取れる年金が変わります。
- 厚生年金に加入していた期間に初診日がある方:1級・2級では障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。3級では障害厚生年金だけが支給されます。
- 国民年金の期間に初診日がある方:障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。
- 60歳以上65歳未満で日本国内に住んでいる間に初診日がある方:その時点で年金制度に加入していなくても、以前に加入していたことがあれば、障害基礎年金の対象になります(国民年金法第30条第1項第2号)。ただし、老齢基礎年金を繰上げて受け取っている(65歳より早く受け取り始めた)方は、この特例の対象になりません(国民年金法附則第9条の2の3)。
- 初診日が20歳前で、そのとき厚生年金に加入していなかった方:保険料の納付要件を問わない「20歳前障害」として、障害基礎年金の対象になります(国民年金法第30条の4)。本人の所得による制限があります(第36条の3)。
20歳前でも、厚生年金に加入中に初診日があれば、障害厚生年金の対象です。くわしくは20歳前に初診日がある障害年金(20歳前障害):条件・保険料・所得制限・注意点をご覧ください。
2つめは、保険料の納付です。保険料の納付の条件(納付要件)では、納めた期間と免除された期間をあわせて数えます。
初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、あわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって初診日に65歳未満であれば、別の特例もあります。初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例です。
3つめは、障害の程度です。次の節で説明します。
申請の窓口は、初診日に加入していた制度で決まります。
- 市区町村の窓口:初診日が20歳前でそのとき厚生年金に加入していなかった方、国民年金の第1号被保険者だった方、60歳以上65歳未満で年金制度に加入していなかった方(老齢年金を繰上げて受け取っている方を除く)。年金事務所や街角の年金相談センターでも受け付けています。
- 年金事務所または街角の年金相談センター:厚生年金に加入していた方、第3号被保険者だった方。
- 共済組合等:初診日に共済組合の組合員だった方。
初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか?」(Q2)をご覧ください。
どの基準で、どう判断されるのか
障害認定基準には、全身性強皮症という病名の専用の項はありません。
基準の第3 第1章 第18節「その他の疾患による障害」は、第1節から第17節で取り扱われていない疾患について定めています。全身状態、栄養状態、年齢、術後の経過、予後、原疾患の性質、進行状況、具体的な日常生活状況などを考慮し、総合的に認定する、という内容です。
この節に、「いわゆる難病」の定めがあります。
「いわゆる難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、発病は緩徐であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、その認定に当たっては、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定するものとする。」(障害認定基準 第3 第1章 第18節 2(5))
つまり、検査などの客観的な所見をもとに、日常生活能力の程度を十分に考えて、総合的に判断するということです。
同じ(5)には、厚生労働省研究班や関係学会で定めた診断基準、治療基準があり、それに当てはまるものは、病状の経過、治療効果などを参考とし、認定時の具体的な日常生活状況などを把握して総合的に認定する、ともあります。全身性強皮症には、厚生労働省の研究班による診断基準(2016年)があります(難病情報センター・厚生労働省の指定難病の公開情報)。
ただし、全身性強皮症が基準のいう「いわゆる難病」に当たるのかは、基準にこの病名がないため、ここでは断定できません。
基準に示されていない障害や障害の程度は、その障害によって生じる障害の程度を医学的に判断し、最も近似している認定基準の障害の程度に準じて(その基準にならって)認定する、とされています(第18節 2(8)、第2「障害認定に当たっての基本的事項」3(4))。
基準の組み立てからすると、症状の出ている部位ごとの節に当てはめて判断されることになります。難病情報センターが挙げる主な症状と、基準の節の関係は、次のとおりです。
- 手指や関節の症状:難病情報センターは、手指の屈曲拘縮(指が曲がったまま伸びにくくなること)や関節痛が起こることがあるとしています。手足の広い範囲に及ぶときは、基準の「肢体の機能の障害」(第7節 第4)で見られます。関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する、とされています。
- 手指の動作:つまむ、握る、タオルを絞る、ひもを結ぶといった動作が、同じ節で日常生活動作の例として挙げられています。手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱われます。
- 範囲が上肢に限られるとき:「上肢の障害」(第7節 第1)で見られます。指の著しい変形や不良肢位拘縮などで「指があってもそれがないのとほとんど同程度の機能障害があるもの」は、指の用を全く廃したものとされています。
- 皮膚の症状(皮膚硬化、指先や関節の潰瘍など):皮膚の症状だけを定めた節はありません。全身の状態や日常生活の制限とあわせて、総合的に見られます。
- 肺の症状(間質性肺疾患:間質性肺炎・肺線維症):基準の「呼吸器疾患による障害」(第10節)で見られます。基準は、慢性呼吸不全を生じる疾患の1つに、拘束性換気障害(間質性肺炎など)を挙げています。
- 肺高血圧症:基準の「心疾患による障害」(第11節)に、肺動脈性肺高血圧症を心疾患として認定する定めがあります。「呼吸器疾患による障害」(第10節)にも、肺血管疾患の定めがあります。どちらの診断書で出すかは、年金事務所で確認してください。
- 腎臓の症状(強皮症腎クリーゼなど):基準の「腎疾患による障害」(第12節)で見られます。基準は、腎疾患の原因の1つに膠原病を挙げています。なお、基準に「強皮症腎クリーゼ」という言葉は出てきません。
- 食道・消化管の症状:消化管の症状だけを定めた節はありません。食道の狭窄などによって生じる嚥下(飲み込み)の障害は、基準の「そしゃく・嚥下機能の障害」(第5節 2(4))に、摂取できる食物の内容によって認定する、という定めがあります。全身性強皮症の消化管の症状がこの定めで見られるのか、ほかの考え方で見られるのかは、個別に判断されます。
- 精神症状:基準の「精神の障害」(第8節)は、膠原病を含む全身疾患による中枢神経障害などを原因として生じる症状性の精神障害も、含むものとしています。
障害が複数の部位に出ているときの扱いは、次のとおりです。第10節から第18節までの内科的疾患が併存している場合は、総合的に認定すると定められています(第2「障害認定に当たっての基本的事項」3(2))。
手足の障害(第7節)と精神の障害(第8節)のように、違う種類の障害が重なるときは、併合等認定基準で判断されます。複数の障害を合わせて等級を決める基準です。
どの基準で見られるかは症状の出方によります。診断書を依頼する前に、年金事務所などで確認してください。
等級のおおまかな目安は、基準の内容をまとめると次のとおりです(3級は原文のまま引用します)。
- 1級:日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度(他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度)
- 2級:日常生活が著しい制限を受けるか、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度(必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度)
- 3級:「労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。また、『傷病が治らないもの』にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。」(障害認定基準 第2 1(3))
3級があるのは障害厚生年金だけです。初診日に厚生年金に加入していた方が対象です。
第18節には、日常生活の状態の目安となる「一般状態区分表」もあります。基準は、一般状態が区分表のオに当たるものは1級に、エまたはウに当たるものは2級に、ウまたはイに当たるものは3級に、「おおむね相当する」ので、認定にあたっては「参考とする」としています(第18節 2(7))。あくまで参考で、これだけで等級が決まるわけではありません。
等級の決まり方は、100の質問の「障害年金の等級(1級・2級・3級)はどう決まりますか?」(Q4)をご覧ください。
診断書は、症状の出ている部位で様式が変わります
障害年金の診断書は、障害がどこにあるかによって様式が違います(日本年金機構「障害年金の診断書」〔かけはし別冊〕)。全身性強皮症で使われうる様式は、次のとおりです。
- 肢体の障害用:様式第120号の3
- 呼吸器疾患の障害用:様式第120号の5
- 循環器疾患の障害用:様式第120号の6-(1)
- 腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用:様式第120号の6-(2)
- 聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、言語機能の障害用:様式第120号の2
- 精神の障害用:様式第120号の4
- 血液・造血器・その他の障害用:様式第120号の7
全身性強皮症の診断書は、どの様式で出すと決まっているわけではありません。手指や関節の症状が中心か、肺か、腎臓か、心臓かによって、使う様式が変わります。複数必要になることもあります。
様式名に「その他の障害用」とある様式第120号の7(血液・造血器・その他の障害用)もあります。どの診断書が必要か、複数必要かは、依頼する前に年金事務所で確認してください。
診断書には、医師が、障害の原因となった傷病名、初めて医師の診療を受けた日、現在までの治療の内容や経過、現在の症状や検査の結果、日常生活の状況などを記入します。
診察のときは、日ごろの状態を具体的に主治医に伝えることが大切です。症状の重い日と軽い日の差や、日常生活で困っている動作も伝えます。
たとえば、ペットボトルの蓋を開ける、包丁を使う、ボタンやひもを扱う、といった手指の動作です。診断書に何を書くかは、医師が判断します。
くわしくは、障害年金の診断書:種類・依頼・確認・書いてもらえないときの対処をご覧ください。
指定難病の医療費助成と、障害年金は、別の制度です
全身性強皮症は、指定難病です(指定難病51。難病情報センター)。医療費助成の対象になるのは、診断基準を満たし、重症度分類に当たる場合です。重症度分類とは、病気の重さを段階に分けた、医療費助成のための区分です。
現在の重症度分類は、皮膚、肺、心臓、腎臓、消化管のうち、最も重症度スコアの高いものが中等度(moderate)以上の場合とされています。
この基準に当たらなくても、診断基準を満たし、申請した月以前の12か月以内に、医療費の総額が33,330円を超える月が3回以上ある場合は、医療費助成の対象になります(軽症高額該当)。
診断基準や重症度分類は改正されることがあります。最新の内容は、お住まいの都道府県・指定都市の窓口と、難病情報センターでご確認ください。
一方、障害年金は、年金制度にもとづく給付で、指定難病かどうかは問いません。医療費助成を受けているからといって、障害年金が決まるわけではありません。医療費助成を受けていなくても、初診日や保険料の納付の要件を満たし、障害の程度が等級に当たれば受け取れます。
また、指定難病の重症度分類と、障害年金の認定基準は、別のものです。くわしくは、難病で障害年金はもらえる?をご覧ください。
当センターの事例:強皮症の経過がある方
当センターに、強皮症の経過がある方の事例があります。ただし、この事例は、全身性強皮症そのものではありません。強皮症の経過のなかで起きた大腿骨頭壊死について請求したものです。
- 60代の女性。8年前から強皮症で通院していました。同じころに間質性肺炎と診断され、強皮症から来ていると言われています。
- 間質性肺炎の治療のステロイドで骨がもろくなり、骨折を繰り返しました。大腿骨頭壊死と診断され、人工骨頭の手術を受けています(事例ページの題名では人工股関節置換)。
- 咳が続いて内科を受診し、間質性肺炎と診断されました。同じ病院の膠原病内科の検査で、強皮症と診断された経過です。初診日を証明するための、医療機関が書く書類(受診状況等証明書)は、最初に受診した内科で作成されました(カルテが残っていました)。
- 障害認定日の時点ではそこまで悪化していなかったため、人工関節を入れたことによる事後重症請求を行いました。障害認定日より後に、等級に当たる状態になったときの請求です。
- 結果は、障害厚生年金3級(年額約58万円。令和4年当時の額)でした(事例)。
事例ページに認定の理由は書かれていませんが、基準には、一下肢の3大関節のうち1関節以上に人工骨頭または人工関節を入れたものは3級と認定する、という定めがあります(第3 第1章 第7節 第2「下肢の障害」)。ただし、入れたあとも、さらに重い程度に当たる場合は、上位の等級に認定されます。
3級は障害厚生年金だけです。初診日に厚生年金に加入していなかった方(国民年金の加入中だった方や、20歳前で厚生年金に加入していなかった方など)は、人工関節を入れたことによる3級の程度だけでは、障害年金は支給されません。
この事例は、皮膚硬化や肺の症状で請求したものではありません。全身性強皮症の方が同じ結果になると決まっているわけではありません。
事例は、受給をお約束するものではありません。同じ病名でも、症状の出方や、それが診断書にどう書かれるかで、結果は変わります。
当センターへのご相談の記録
当センターには、全身性強皮症の方からのご相談の記録もあります。いずれも受給結果は記録されていません。受給できたかどうかを示すものではありません。
- 手指に力が入らず、ペットボトルの蓋が開けられない、包丁で硬いものが切れない、というお話をいただいた面談の記録があります(Q&A)。
- 手の指や足の指の関節が痛む、手がこわばる、というお話をいただいた電話相談の記録があります(Q&A)。
初診日:診断された日ではなく、最初に受診した日です
障害年金の初診日は、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です(障害認定基準 第1「一般的事項」3)。診断名がついた日とは限りません。
難病情報センターによると、全身性強皮症は、冷たいものに触れると手指が蒼白〜紫色になるレイノー現象から始まることが最も多いとされています。軽症のうちは気づかれなかったり、医療機関を受診しても診断されなかったりすることもあるとされています。
手指の腫れぼったさやこわばり、関節の痛み、咳や息苦しさなどで、診断がついた病院とは別の科や病院を先に受診していることもあります。
障害年金では、障害の原因となった傷病について初めて診療を受けた日が初診日になります。ただし、そのときの受診が全身性強皮症によるものと認められるかどうかは、個別に判断されます。
なお、健康診断を受けた日は、原則として初診日になりません(平成27年9月28日 年管管発0928第6号)。
障害認定基準は、認定の方法として「原則として、本人の申立等及び記憶に基づく受診証明のみでは判断せず、必ず、その裏付けの資料を収集する。」と定めています(第2の3(1))。初診の病院のカルテが残っていなくても、ほかの資料で確認できることがあります。
くわしくは、受診状況等証明書とはと、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか?」(Q26)をご覧ください。
別の病気が先にあったときは、注意が必要です。障害認定基準は、障害の原因となる「傷病」に、前の病気やけがに「起因する疾病」を含めています(第1「一般的事項」2)。
「起因する疾病」とは、前の病気やけががなかったら、あとの病気は起こらなかったであろう、と認められる関係(相当因果関係)がある場合をいいます。相当因果関係があると認められると、前の病気で初めて受診した日が初診日として扱われることがあります。
先にある病気の治療を受けていた方は、それぞれの病気をいつ、どこで受診したかを整理してください。初診日をどの病気で考えるかは、年金事務所や専門家に確認してください。
働いていても、受け取れますか
働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。障害年金は、働いているかどうかではなく、障害の状態が基準に当たるかで判断されます。
なお、20歳前に初診日がある障害基礎年金(20歳前障害)は、本人の前年の所得が一定の額を超えると、全額または半額が支給停止になります(国民年金法第36条の3)。
難病情報センターによると、全身性強皮症は、病気の進行や内臓病変を起こす頻度が、患者さんによって大きく異なるとされています。
診察の日が調子のよい日だと、症状が実際より軽く伝わることがあります。診察のときは、日ごろの状態を具体的に伝えることが大切です。次のような点も伝えます。
- 症状の重い日と軽い日の差
- 1日や1か月のなかでの変動
- 介助が必要な場面
- 職場で受けている配慮
診断書に何を書くかは医師が判断します。病歴・就労状況等申立書にも、具体的に書きます。
くわしくは、働いていても障害年金はもらえる?と、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)をご覧ください。
さかのぼって受け取れることがあります
障害の程度を判断する基準になる日を、障害認定日といいます。原則として、初診日から1年6か月が過ぎた日です。
障害認定日の時点で等級に当たっていたことが認められると、障害認定日の翌月分までさかのぼって年金を受け取れることがあります。ただし、さかのぼれるのは、時効の関係で、5年分までです。
障害認定日から1年以上たってから請求するときは、診断書が2通必要です。
- 障害認定日から3か月以内の状態を示す診断書(20歳前に初診日があって厚生年金に加入していなかった場合は、障害認定日の前後3か月以内)
- 現在の診断書
障害認定日に等級に当たっていなかった場合は、障害認定日より後に、等級に当たる状態になったときの請求(事後重症請求)ができます。請求は、65歳の誕生日の前々日までにする必要があります。年金は請求した月の翌月分から支給され、さかのぼっては受け取れません。
老齢年金を繰上げて受け取っている方は、事後重症による障害基礎年金・障害厚生年金を請求できません(障害基礎年金は国民年金法附則第9条の2の3、障害厚生年金は厚生年金保険法附則第16条の3)。
さかのぼって受け取るための請求について、くわしくは、障害年金の遡及請求と、100の質問の「遡及請求(さかのぼって受給)とは何ですか?何年分までもらえますか?」(Q78)をご覧ください。
受け取れる金額の目安
障害基礎年金は定額です。令和8年度(2026年度)は、2級が年額847,300円、1級が年額1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です)。子がいる場合は、子の人数に応じて年金額が上乗せされます(子の加算)。
障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。1級・2級では、障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級には最低保障額があります(令和8年度は年額635,500円・昭和31年4月2日以後生まれの方の額)。
障害年金は、所得税や住民税がかからない年金です。年金額は年度ごとに改定されます。最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。
申請の流れと、結果が出るまでの期間
申請は、次の順で進みます。
- 初診日と年金制度の確認
- 初診日の証明
- 診断書の依頼
- 申立書の作成
- 年金請求書の提出
年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、3か月程度が目安です(日本年金機構「障害年金ガイド」令和8年度版)。
認定審査を複数回行う場合は、4か月が目安とされています(令和8年4月以降。日本年金機構の運営評議会資料65-07、厚生労働省年金局「障害年金における認定調書の取扱いについて」)。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります。
くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。
障害者手帳について
障害者手帳(身体障害者手帳など)は、障害年金とは別の制度で、認定の基準も別です。手帳を持っているだけで障害年金が決まるわけではありません。
手帳の申請は、当センターではお受けしていません。くわしくは、障害者手帳と障害年金の違いと、100の質問の「障害者手帳を持っていれば障害年金をもらえますか?」(Q7)をご覧ください。
不支給になった場合と、受給後の更新
審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。
診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。どちらが適しているかは、不支給の理由によって変わります。
なお、当センターでは、審査請求・再審査請求は、当センターで申請した方に限って受けています。
障害年金を受け取り始めたあとの更新は、更新(診断書の再提出)がある認定(有期認定)の場合だけです。有期認定では、1〜5年ごとに障害状態確認届(診断書)を提出します。更新のない認定(永久認定)には、更新がありません。くわしくは、有期認定と永久認定の違いをご覧ください。
更新で症状が改善したと判断されると、年金額が下がったり、支給が停止したりすることがあります。くわしくは、更新で支給停止になったときをご覧ください。
反対に、悪化したときは、等級を上げる請求(額改定請求)ができます。ただし原則として、年金を受け取る権利を得た日(受給権を取得した日)か、前回の審査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません。
3級の障害厚生年金だけを受けている方(過去に2級以上になったことがない方)は、65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。くわしくは、額改定請求をご覧ください。
不支給と更新について、くわしくは、100の質問の「不支給の通知が届きました。どうすればよいですか?」(Q68)と、「障害年金の更新(障害状態確認届)とは何ですか?」(Q72)をご覧ください。
当センターに、ご相談ください
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。
電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。入院中の方やご家族だけでのご相談も、ご本人の同意があれば承ります。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。
ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。診断書の作成料は、実費をご負担いただきます。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。
なお、65歳以上の方、生活保護を受けている方のご相談は、お受けしておりません(65歳以上の方は、老齢年金を受け取っておらず、障害年金の受給条件に当てはまる場合には、お受けすることもあります)。くわしくは、65歳以上の方の障害年金と、生活保護を受けている方は障害年金をもらえる?をご覧ください。
強皮症の経過がある方の受給事例
強皮症の経過がある方の事例をご紹介します。個人が特定されないよう、内容を調整しています。
事例は、受給をお約束するものではありません。
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執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















