難病で障害年金はもらえる?

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結論:難病でも、障害年金を受け取れることがあります。ただし、指定難病であることが条件ではありません

難病を抱えている方も、障害年金を請求できます。ただし、障害年金は、病名ではなく、病気やけがのために、日常生活や仕事がどのくらい制限されているかで決まります。「指定難病」に当たるかどうかが、障害年金を受け取れる条件になるわけではありません。指定難病であっても、障害の程度が等級に当たらなければ受け取れませんし、指定難病でなくても、障害の程度が等級に当たれば受け取れます。

この記事は、難病で障害年金を考えている方と、そのご家族のために、指定難病の医療費助成との違い、等級の考え方、診断がつくまでに時間がかかる難病での注意点、請求の方法を説明します。

障害年金を受け取るための3つの条件

条件の1つめは、初診日に年金制度へ加入していたことです。会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、1級・2級では障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、3級では障害厚生年金だけが支給されます。国民年金の期間に初診日がある方は、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。

2つめは、保険料の納付です。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。

3つめは、障害の程度が、等級(1級・2級、厚生年金は3級も)に当たることです。病名ではなく、障害の状態で決まります。

初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか?」(Q2)をご覧ください。

「指定難病」と「障害年金」は、別の制度です

難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)は、発病の仕組みが明らかでなく、治療方法が確立していない、まれな病気で、長期の療養が必要なものを「難病」としています。そのうち、患者数が一定の人数(人口のおおむね千分の一程度)に達せず、客観的な診断基準が定まっているなどの要件を満たし、国(厚生労働大臣)が指定したものが「指定難病」で、医療費の助成の対象になります。指定難病は、2026年10月現在、348疾病です(難病情報センター「指定難病一覧」)。

障害年金は、年金制度にもとづく給付で、指定難病かどうかは問いません。次のように、制度の目的も、判断の基準も違います。

  • 指定難病の医療費助成:医療費の自己負担を軽くする制度。病名ごとに定められた診断基準と重症度(一部は軽症でも高額な医療を続ける場合)で決まります。
  • 障害年金:障害のために生活や仕事が制限されている人に、生活を支えるために支給される年金。障害認定基準にもとづき、障害の程度で決まります。
  • 障害者手帳:別の制度で、障害の程度を認定する基準も別です。くわしくは、100の質問の「障害者手帳を持っていれば障害年金をもらえますか?」(Q7)をご覧ください。

3つは、それぞれ別の制度で、どれかを受けているからといって、ほかが認められるわけではありません。反対に、医療費助成を受けながら障害年金を受け取ることも、障害者手帳を持ちながら障害年金を受け取ることもできます。障害年金を受け取ると医療費助成が止まる、という決まりはありません。ただし、医療費助成の自己負担の上限額を決めるときの収入に、障害年金が含まれる場合があります。くわしくは、お住まいの都道府県の難病の窓口でご確認ください。

障害の程度は、病名ではなく、症状で判断されます

障害年金の等級は、障害認定基準が定める、障害の部位ごとの基準で判断されます。難病でも、手足の動きに障害が出る病気は「肢体の障害」、目の病気は「眼の障害」、呼吸や心臓、腎臓などの内部の病気は、それぞれの基準で見られます。気分や考える力に影響が出る病気は、精神の障害の基準で見られます。

当センターで解説している難病の例を、いくつか挙げます。

ALS、パーキンソン病、筋ジストロフィー、網膜色素変性症は、指定難病です(難病情報センター)。一方で、関節リウマチや線維筋痛症のように、指定難病ではない病気でも、障害の程度が等級に当たれば障害年金を受け取れます。くわしくは、100の質問の「難病(パーキンソン病・筋ジストロフィーなど)は対象になりますか?」(Q50)もご覧ください。指定難病かどうかにかかわらず、症状に応じて、それぞれの病名の解説をご覧ください。

当センターのQ&Aには、足のしびれから足を引きずるようになり、大きな病院でパーキンソン病とわかった方の面談があります。パーキンソン病は難病に指定されているが、難病でも障害年金は受給できる、とお答えしました(Q&A)。

診断がつくまでに時間がかかる難病では、初診日に注意します

難病は、診断が確定するまでに時間がかかることが多くあります。障害年金の初診日は、障害の原因となった病気について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です(障害認定基準 第1 一般的事項)。診断がつく前の、手足の動かしにくさなどで受診した日が、初診日になることがあります。ただし、その症状が、のちに診断された難病によるものと判断される場合に限られます。

当センターの事例には、手の関節が動かしにくくなって近くの整形外科を受診したものの異常がなく、総合病院を紹介されて詳しい検査をして筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された方がいます。難病では、初診から確定診断まで、日数が経っていることが多くあります(事例)。

初診日が分からないときは、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか?」(Q26)をご覧ください。

進行する病気では、請求のしかたを選びます

難病には、時間とともに症状が進む病気が多くあります。障害年金の請求には、障害認定日(原則として初診日から1年6か月が過ぎた日)の状態で請求し、さかのぼって受け取る方法(認定日請求)と、障害認定日には等級に当たらなかった方が、現在の状態で請求する方法(事後重症請求)があります。

認定日請求は、さかのぼって受け取れる分だけ多くなる利点があります。一方で、障害厚生年金の3級と決まると、その後に悪化しても、等級を上げる請求(額改定請求)は、原則として、年金を受ける権利が発生した日(受給権を取得した日)や、障害の程度の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないとできません(国民年金法第34条第3項、厚生年金保険法第52条第3項)。人工呼吸器を1か月を超えて常時装着している場合など、障害の程度が明らかに重くなったと省令で定める場合は、1年を待たずに請求できます(国民年金法施行規則第33条の2の2)。どちらで請求するかは、認定日と現在の状態、それぞれの診断書が取れるかによって変わります。

当センターの事例では、手足のほぼ全体が動かせず、常に介助が必要な筋ジストロフィーの方について、初診から1年6か月の時点を基準とする認定日請求と、現在からの事後重症請求を比べ、事後重症請求を選んで、2級が決まりました(事例)。

さかのぼれるのは、時効の関係で、5年分までです。事後重症の請求は、65歳の誕生日の前々日までにする必要があり、年金は請求した月の翌月分から支給されます。さかのぼっては受け取れません。くわしくは、100の質問の「遡及請求(さかのぼって受給)とは何ですか?何年分までもらえますか?」(Q78)をご覧ください。

診断書が、実際の状態より軽く書かれることがあります

難病は、診断書を書く医師が、障害年金の診断書に慣れていないことがあります。当センターの事例では、ALSで、認定日の診断書はA病院、現在の診断書はK病院でしたが、できあがった現在の診断書が、認定日の診断書より軽い内容になっていました。悪化していく難病で、診断書の内容が良くなっているのは考えにくく、そのままでは、症状が良くなっていて障害年金は必要ないと判断されるおそれがあったため、医療機関に、現在の症状が正確に反映された診断書になるよう確認を依頼しました。その結果、診断書を修正してもらい、障害基礎年金2級が決まりました(事例)。

診断書は、提出する前に、実際の状態と合っているか確認することをおすすめします。診断書については、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか?」(Q19)もご覧ください。

症状の出方に波がある難病では

難病には、1日のなかや日によって、症状の強さが変わる病気もあります。診察のときの状態が、1日のなかで一番よい状態だと、診断書に実際より軽く書かれてしまうことがあります。主治医には、診察室での様子だけでなく、症状が重いときの状態、1日のなかでの変動、介助が必要な場面を、具体的に伝えておくことが大切です。病歴・就労状況等申立書にも、場面ごとに具体的に書きます。

働いていても、受け取れますか

働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。難病は、症状が進んだり、波があったりして、仕事を続けるために職場の配慮を受けている方も多くいます。診断書には、日常生活活動能力と労働能力を書く欄がある様式もあります。職場で受けている配慮や、できなくなった作業を、主治医に伝えておくことをおすすめします。

くわしくは、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)をご覧ください。

受け取れる金額の目安

障害基礎年金は定額です。令和8年度(2026年度)は、2級が年額847,300円、1級が年額1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です。子がいる場合は、加算があります)。障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。1級・2級では、障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級には最低保障額(令和8年度は年額635,500円・昭和31年4月2日以後生まれの方の額)があります。

障害年金は、所得税や住民税がかからない年金です。年金額は年度ごとに改定されるため、最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。

申請の流れと、結果が出るまでの期間

申請は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、3か月程度が目安です(日本年金機構「障害年金ガイド」の目安です。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります)。

くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。

不支給になった場合と、受給後の更新

審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。どちらが適しているかは、不支給の理由によって変わります。

障害年金を受け取り始めたあとも、多くの場合、1〜5年ごとに、障害状態確認届(診断書)を提出して、障害の状態を確認されます。症状が改善したと判断されると、年金額が下がったり、支給が停止したりすることがあります。反対に、悪化したときは、等級を上げる請求(額改定請求)ができます。ただし原則として、受給権を取得した日か、前回の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません(人工呼吸器を1か月を超えて常時装着している場合など、障害の程度が明らかに重くなったと省令で定める場合は、1年を待たずに請求できます)。3級の障害厚生年金だけを受けている方(過去に2級以上になったことがない方)は、65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。

くわしくは、100の質問の「不支給の通知が届きました。どうすればよいですか?」(Q68)と、「障害年金の更新(障害状態確認届)とは何ですか?」(Q72)をご覧ください。

当センターに、ご相談ください

愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。入院中の方やご家族だけでのご相談も、ご本人の同意があれば承ります。一度も事務所にお越しにならずに、受給された方もいらっしゃいます。

料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。このほか、診断書の作成料(医療機関に支払う実費)は、受給できたかどうかにかかわらずご負担いただきます。医師への同行などをご依頼いただく場合は、日当がかかることがあります(100の質問Q90)。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。

電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定では、1分ほどの入力で、受給の可能性について社会保険労務士の判定を受けられます(結果は目安で、受給をお約束するものではありません)。

難病に関連する受給事例とコラム

難病で障害年金を受給された方の事例を、一部ご紹介します。個人が特定されないよう、内容を調整しています。

事例は、受給をお約束するものではありません。

関連するコラム:

制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。

執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一

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>>当事務所に依頼するメリット

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
眼ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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