「診断書を書きたがらない医師」にどう対応する?MSWの声かけ実例集

障害年金の申請において、診断書は最も重要な書類のひとつです。しかし実際の現場では、「医師が診断書を書くのを渋る」「協力的でない」「内容が薄い」といった場面に直面することがあります。

この記事では、医療ソーシャルワーカー(MSW)が医師と良好な関係を築きながら、スムーズに診断書作成へつなげるための声かけ例をご紹介します。

なぜ医師は診断書を書きたがらないのか?

まず、背景にある医師側の心理や事情を理解することが大切です。

  • 「診断書の書き方が難しい・責任が重い」と感じている

  • 対象の制度(障害年金)への理解が浅い

  • 診断名や等級の判断に自信がない

  • 診断書記載によって患者が「働けない」と判断されることへの懸念

  • 忙しさや事務負担の増加への抵抗感

こうした事情を踏まえたうえで、MSWとしてできる“声かけ”の工夫がポイントになります。

医師への声かけ実例【目的別】

▶制度を知らない・誤解している医師への声かけ

「障害年金は“働けないこと”が条件ではなく、日常生活に支障があることが基準になります。

〇〇さんの生活状況を考えると、制度上の対象になる可能性がありますので、一度ご確認いただけないでしょうか?」

▶書き方に自信がない/書類負担が大きいと感じている医師へ

「診断書は社労士が内容を確認しながら進めますので、形式面はご心配いりません。

診療情報提供書と同様に、〇〇さんの日常で気になっていることを書いていただくだけでも非常に助かります。」

▶判断に迷っている医師へ(等級や該当性)

「最終的な受給判断は日本年金機構側になります。

そのため先生の“主観的評価”ではなく、観察された事実ベースで記載していただければ大丈夫です。」

▶協力に消極的な場合の一歩踏み込んだ声かけ

「〇〇さん、退院後の生活資金のめどが立たず、不安が強まっています。

今後の療養継続のためにも、制度利用の可能性を閉ざさないように進めたいと考えております。」

診断書を依頼する際のコツとマナー

  • 事前に制度のパンフレットや記載例を添えて依頼する

  • 口頭だけでなく、簡単な文書で依頼意図を明確にする

  • 診療の合間を避け、短時間で済むように配慮する

  • 書いていただいた後の確認作業(社労士との連携)も伝えて安心感を与える

どうしても書いてもらえない場合の代替策は?

  • 他院・前医での初診日証明や診断書の取得を検討

  • 本人や家族の陳述(申立書)を充実させる

  • 社労士など外部支援者と連携して申請ルートを再構築する

まとめ

診断書は、患者の将来を左右する大切な支援の第一歩です。

医師を責めるのではなく、理解と信頼をベースにした声かけと協力依頼が、結果として患者にとって最良の支援につながります。

「診断書はお願いしにくい」

そんなときこそ、MSWの力が発揮される場面です。

困ったときは社労士と連携を

診断書の内容チェックや申立書の作成、初診日の確認など、MSWだけでは対応が難しいケースもあります。

障害年金専門の社労士と連携することで、より確実でスムーズな支援が可能になります。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

>>障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

>>障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる1分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

LINEで簡単にご相談できます。

LINEをお使いのお方はLINEを使って簡単にご相談することができます。
医療ソーシャルワーカーの方でもお気軽にお問い合わせください(四国地域限定)。

当事務所に依頼するメリット

障害年金はご自身で申請することができます。
ご自身で障害年金を申請する場合は多くのハードルがあります。

なぜ当事務所に依頼した方がいいのか依頼するメリットについて解説します。

医療ソーシャルワーカーが障害年金に取り組む難しさ

医療ソーシャルワーカーの皆様は、日々、お忙しい中、患者様の悩みや相談に乗られていることと思います。しかも、悩みや相談を持ちかけてくる患者様を取り巻く環境は複雑で、家族関係、経済状態に問題を抱えていることが多く、解決は一筋縄ではいかないことが多いと思います。

我々が専門としている障害年金に関する相談も、まずは身近にいるソーシャルワーカーの皆様が受けることも多いかもしれません。

しかし、障害年金に関する相談には専門的知識が必要不可欠です。
保険料の納付要件などを確認し、正確に相談に乗るためには、時間もかかります。

私自身、ソーシャルワーカーの方が、上辺の知識だけで相談に答えてしまい、受給可能性がある患者様に間違った知識を持たせしまい「自分は障害年金がもらえるとは思わなかった」という相談も、残念ながら多く受けてきました。

社会保険制度が複雑化する現代において、医療ソーシャルワーカーの皆様が患者様のすべてを解決することは難しいのが現実ではないでしょうか。

社会保険制度の一つである障害年金に関するご相談も、必要な情報を提供し、我々のような障害年金の請求を数多くしている社会保険労務士を紹介するといった援助によって、患者様の悩みに解決の道筋をつける事ができると思います。

医療ソーシャルワーカーの皆様に「勉強会」をしております!

ソーシャルワーカーの皆様が障害年金のことを調べていて、一番苦労するのは「専門用語」だと思います。単に難しい言葉が使われているというだけではなく、よく知っている言葉なのに、それが意味することが異なっている場合があります。

障害年金のご相談を、日々お客様からお受けしている中で下記についてのご質問を多くお受けします。

初診日
障害認定日
事後重症

ソーシャルワーカーの皆様に障害年金のことをもっと知ってもらおうと思い勉強会も開催しています。
もしソーシャルワーカー向けに勉強会を開催してほしいと思われている病院関係者の方はご連絡ください。

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