発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD)で引きこもり状態に|幼少期からの症状を整理し障害年金を請求した事例
相談者
相談者: 愛媛県伊予市在住の女性(20代)
傷病名: 自閉スペクトラム症 注意欠如多動症
申請日: 令和7年(2025年)5月
支給決定日: 令和7年(2025年)7月
決定した年金種類と等級: 障害基礎年金2級 (年間約83万円))
相談時の相談者の状況
相談者は20代女性で、幼少期から落ち着きのなさや対人関係の困難さが見られ、小学生頃から集団生活に馴染めない状態が続いていました。
高校進学後も環境への適応が難しく、通学はほとんどできず通信制高校へ転校しましたが、登校日も他者との関わりはほとんどなく、孤立した状態が続いていました。その後、心療内科を受診し、発達検査の結果、自閉スペクトラム症および注意欠如多動症(ADHD)と診断されています。
現在日常生活においても、入浴や歯磨きなどの身の回りのことが十分にできず、食事は家族の支援に依存し、コミュニケーションは主にメモでのやり取りに限られていました。感情のコントロールも難しく、パニック状態になることもあり、生活全般にわたり常時の支援が必要な状況でした。
このような状態の中、ご本人だけでの対応が難しいことから、ご家族に連れられて当事務所へご相談に来られました。
相談から申請までのサポート
本件では、幼少期からの発達特性が現在の生活困難にどのようにつながっているかを、時系列で丁寧に整理することが重要でした。
特に以下の点を意識して申立書の内容を補強しました。
幼少期から一貫して続く対人関係の困難さやこだわりの強さ、注意力の問題など、発達障害の特性を具体的エピソードで明確化しました。さらに、不登校や進学後の適応困難、就労不能に至るまでの流れを連続性をもって整理しています。
また、日常生活能力の低下については、単なる「できない」という表現ではなく、実際の生活状況(入浴頻度、食事管理、家族との関係性など)を具体的に記載し、常時の援助が必要な状態であることを明確にしました。
加えて、就労不能の理由についても、意欲の問題ではなく、発達特性および精神症状による実質的な困難である点を丁寧に説明しています。
結果
本件では、幼少期から一貫して続く発達障害の特性に加え、思春期以降の精神的な不安定さや引きこもり状態、日常生活全般における著しい支障が認められました。
特に、身の回りのことを自発的に行うことが難しく、家族の支援がなければ生活が成り立たない状況である点や、対人関係の構築が困難で就労に至らない状態が継続している点が総合的に評価され、その結果、障害基礎年金2級が決定しました。
発達障害の場合、症状の見えにくさから評価が難しいケースもありますが、本事例のように幼少期からの経過と現在の生活状況を具体的に整理することで、障害の状態が適切に判断されることにつながります。
愛媛・松山障害年金相談センターから皆様へ
発達障害は外見からは分かりにくく、「周囲に理解されない」「本人の努力不足と思われてしまう」といった悩みを抱える方も少なくありません。しかし、実際には日常生活や対人関係、就労において大きな困難を伴うケースも多く見られます。
本事例のように、幼少期からの経過や現在の生活状況を丁寧に整理することで、障害の状態が正しく伝わり、適切な支援につながる可能性があります。
「自分も対象になるのではないか」「申請できるのか分からない」と感じている方も、一人で抱え込まず、まずは状況を整理することから始めてみてください。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も可能です。
適切な制度を活用することで、少しでも安心して生活できる環境づくりにつながることを願っています。
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