線維筋痛症で障害年金はもらえる?

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結論:線維筋痛症でも、障害年金を受け取れることがあります

線維筋痛症は、障害年金の対象になる病気です。ただし、病名があるだけで受け取れるわけではありません。線維筋痛症は、全身の強い痛みを中心に、疲れやすさ、眠れない、気分の落ち込みなど、さまざまな症状が出る病気です。外から見て分かりにくく、症状にも波があるため、痛みが日常生活や仕事にどれだけ影響しているかが、診断書や申立書でどれだけ具体的に伝わるかが、結果を左右します。

受け取るための条件は、大きく3つです。初診日(線維筋痛症について、初めて医師の診療を受けた日。病名がつく前でも、同じ病気による痛みで受診していたと認められれば、その日が初診日になることがあります)に、国民年金か厚生年金に加入していたこと。初診日の前日までの保険料の納付状況が要件を満たしていること。そして、障害認定日(原則として初診日から1年6か月後)か、その後65歳になるまでに、障害の状態が等級に当たっていることです(後者の場合の請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります)。

この記事では、線維筋痛症で障害年金を考えている方のために、受け取れるかどうかの考え方、準備するもの、注意点を説明します。

線維筋痛症で障害年金を受け取れるのは、どんなときか

条件の1つめは、初診日に年金制度へ加入していたことです(20歳前や、日本に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間に初診日がある場合を除きます)。会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、1級・2級では障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、3級では障害厚生年金だけが支給されます。自営業やフリーランス、学生などで国民年金に加入していた期間に初診日があれば、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。

2つめは、保険料の納付です。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって、初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。

3つめは、障害の程度です。線維筋痛症の場合は、痛みの強さや、痛みのある部位、日常生活でできなくなっていること、仕事への影響などが、あわせて見られます。

初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか?」(Q2)をご覧ください。

線維筋痛症は、どのように等級が判断されるのか

線維筋痛症について、障害認定基準に専用の項目はありません。日本年金機構は、線維筋痛症の診断書を「肢体の障害用」の様式で作成するよう医師に案内しており、診断書の記載例と1級・2級・3級の認定事例を公開しています。公開されている事例では、関節の動きや握力に加えて、つまむ・握る・歩く・立ち上がる・階段を上り下りするといった日常生活の動作が一人でどの程度できるかと、重症度分類(ステージ)をあわせて、等級が判断されています。

当センターの事例でも、肢体の障害用の診断書が作成されています。肢体の計測が必要になるため、精神科の医師が肢体用の診断書を書くのに慣れておらず、診断書が出来上がるまでに5か月かかった事例もあります。

等級の目安は、肢体の障害の考え方と同じです。日常生活が著しく制限を受ける状態が2級、日常生活の用を弁ずることができない状態が1級、労働が著しい制限を受ける状態が3級(障害厚生年金のみ)です。ただし、検査の数値で機械的に決まるものではなく、痛みの広がりや、日常生活の動作のできなさをあわせて判断されます。

線維筋痛症は、症状に波があります。診察のときに痛みが軽い日だと、診断書に実際より軽く書かれてしまうことがあります。痛みが強いときの状態を診断書に書いてもらえるよう、ふだんの状態を医師にしっかり伝えることが大切です。当センターの事例でも、症状に波があるため、痛みが強いときの症状で診断書を書いてもらうようお願いして、障害厚生年金2級が決まった事例があります。診察のとき比較的動ける日に受診していたため診断書の書かれ方を心配していたところ、「日によっては著しい痛みのため労働は不能」と書いてもらえて、障害厚生年金3級が決まった事例もあります。

日本年金機構は、医師に対して、厚生労働省研究班の「線維筋痛症の重症度分類試案」(ステージⅠ〜Ⅴ)のどれに当たるかを、診断書の「現在までの治療の内容、期間、経過、その他参考となる事項」欄に書くよう依頼しています。公開されている認定事例では、ステージと、日常生活の動作がどれだけできるかをあわせて等級が判断されています。ステージだけで等級が決まるわけではありません。

等級の決まり方は、100の質問の「障害年金の等級(1級・2級・3級)はどう決まりますか?」(Q4)をご覧ください。

診断書とあわせて、申立書に、日常生活の困りごとを書きます

線維筋痛症は、検査の数値で重さが決まる病気ではありません。そのため、診断書に加えて、病歴・就労状況等申立書に、日常生活でできなくなったことを、具体的に書くことが大切です。たとえば、当センターの事例では、自宅マンションから1階に降りるだけで15分かかる、食事をよくこぼすようになった、といった、できなくなったエピソードを詳しく書いて、障害厚生年金2級が決まった事例があります。

痛みで通院できない日が多い、外出は通院のときだけ、家事がほとんどできない、といった状況も、診断書や申立書に書いておくと、審査で状況が伝わりやすくなります。痛みの強さや、その日にできなかったことを、日ごろから記録しておくことをおすすめします。

初診日の確認が、最初の大切な作業です

障害年金の申請では、初診日がいつかを証明することが、最初の大きな作業になります。線維筋痛症は、はっきりした異常が見つからないまま、いくつもの科を受診して、何年もたってから病名がつくことがあります。当センターの事例にも、初診日の扱いが結果に影響したものが3件あります。

1件めは、心臓の病気で通院中に体の痛みを医師に訴えていたものの、検査で異常が見つからず、相談の約1年前に整形外科で線維筋痛症と診断された事例です。整形外科を受診したときには退職して厚生年金を抜けていましたが、痛みを最初に訴えた日が初診日として認められ、障害厚生年金3級が決まりました。心臓の主治医が、痛みを訴えた日を初診日とする受診状況等証明書を作成し、後に診断された線維筋痛症との関連を書いてくれました。

2件めは、15年前から体の不調で通院し、5年前に線維筋痛症と診断された事例です。15年前の受診を初診日として、厚生年金の期間で請求しましたが、年金機構から「初診は病名が確定された病院の初診日とする」と判断され、障害基礎年金での請求になりました。初診日がいつと判断されるかで、受け取れる年金の種類が変わります。どの受診を初診日と認めるかは、受診の記録をもとに個別に判断されます。

3件めは、15年前から体の痛みが始まり、複数の診療科を受診していた事例です。提出後に、初診日がはっきりしないとして、それぞれの診療科の受診状況等証明書を求められました。診断書に書かれた初診日の病院が内科だったと分かり、申立書を修正して対応し、障害基礎年金2級が決まりました。

終診から5年を過ぎると、カルテが廃棄されていることがあります。早めに受診歴を整理しておくことをおすすめします。

くわしくは、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか?」(Q26)をご覧ください。

働いていても、受け取れますか

働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。肢体の障害用の診断書には、医師が「日常生活活動能力」だけでなく「労働能力」も必ず書く欄があります。痛みの強い日の様子や、仕事で受けている配慮、続けるうえで困っていることを医師に伝え、申立書にも具体的に書くことが大切です。短時間勤務や、職場の理解を得て働いている、といった事情があれば、あわせて書きましょう。当センターの事例には、痛みのために仕事ができなくなって退職したあとに、障害厚生年金2級が決まった事例もあります。

くわしくは、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)と「フルタイムで働いていても障害年金はもらえますか?」(Q54)をご覧ください。

診断書は、何科の医師に、どう書いてもらうか

線維筋痛症の診断書は、日本年金機構の「診断書(肢体の障害用)」の様式を使います。握力、関節の動き、日常生活の動作、補助用具、日常生活と労働の能力などを、医師に書いてもらいます。いくつかの診療科にかかっている場合は、どの医師に書いてもらうか、早めに相談してください。

診断書の費用は、医療機関ごとに決められており、健康保険の対象外です。依頼する前に、料金と作成にかかる期間を確認してください。くわしくは、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか?」(Q19)をご覧ください。

障害者手帳との関係

障害年金と、障害者手帳は、別の制度です。手帳があることと、障害年金を受け取れることは別で、手帳を持っていなくても、障害年金の申請はできます。くわしくは、100の質問の「障害者手帳を持っていれば障害年金をもらえますか?」(Q7)と、コラム「線維筋痛症と障害者手帳の取得について」をご覧ください。

受け取れる金額の目安

障害基礎年金は定額です。令和8年度(2026年度)は、2級が年額847,300円、1級が年額1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です。子がいる場合は、加算があります)。障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。1級・2級では、障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級には最低保障額(令和8年度は年額635,500円・昭和31年4月2日以後生まれの方の額)があります。

年金額は年度ごとに改定されるため、最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。障害年金は、所得税や住民税がかからない年金です。

申請の流れと、結果が出るまでの期間

申請は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、3か月程度が目安です(日本年金機構「障害年金ガイド」の目安です。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります)。ただし、初診日の確認で追加の書類を求められる(返戻)と、結果が出るまでに半年ほどかかることもあります。受け取れることが決まると、年金証書が届き、1〜2か月後ごろに最初の振込が始まります。

くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。

さかのぼって受け取れることがあります

障害認定日の時点で等級に当たっていたことが認められると、障害認定日の翌月分までさかのぼって年金を受け取れることがあります。ただし、さかのぼれるのは、時効の関係で、5年分までです。障害認定日のころに受診していて、診断書を書いてもらえることが必要です。線維筋痛症は、診断がつくまでに時間がかかることが多く、さかのぼれるかどうかは、認定日のころの受診の状況で変わります。

くわしくは、100の質問の「遡及請求(さかのぼって受給)とは何ですか?何年分までもらえますか?」(Q78)をご覧ください。

不支給になった場合と、受給後の更新

審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。どちらが適しているかは、不支給の理由によって変わります。当センターの事例には、1回目は不支給になったものの、半年後に診断書を作り直して再請求し、障害基礎年金2級が決まった事例があります。

障害年金を受け取り始めたあとも、多くの場合、1〜5年ごとに、障害状態確認届(診断書)を提出して、障害の状態を確認されます。症状が改善したと判断されると、年金額が下がったり、支給が停止したりすることがあります。反対に、悪化したときは、等級を上げる請求(額改定請求)ができます。3級の障害厚生年金だけを受けている方(過去に2級以上になったことがない方)は、65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。ただし原則として、年金を受ける権利が発生した日(受給権を取得した日)や、障害の程度の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません。

くわしくは、100の質問の「不支給の通知が届きました。どうすればよいですか?」(Q68)と、「障害年金の更新(障害状態確認届)とは何ですか?」(Q72)をご覧ください。

当センターに、ご相談ください

愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。一度も事務所にお越しにならずに、受給された方もいらっしゃいます。

料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。

電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。

線維筋痛症の受給事例

線維筋痛症で障害年金を受給された方の事例を、一部ご紹介します。個人が特定されないよう、内容を調整しています。

事例は、受給をお約束するものではありません。同じ病名でも、結果は一人ひとりの状況で異なります。

関連するコラム・Q&A:

制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構「障害年金ガイド 令和8年度版」「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。

執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
眼ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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