結論:心不全の程度が重ければ、心筋症でも障害年金を受け取れます
心筋症で障害年金を受け取れることはあります。ただし、心筋症と診断されたことだけで決まるのではなく、心臓のはたらきが慢性的に弱った状態(慢性心不全)が、日常生活や仕事をどのくらい制限しているかで決まります。障害認定基準の「心疾患による障害」(第11節)は、心疾患の障害等級の認定は「最終的には心臓機能が慢性的に障害された慢性心不全の状態を評価すること」と定めています。
心筋症は、心筋疾患として、基準に等級の目安が示されています。心臓移植や人工心臓を使っている場合、心臓の再同期医療機器(CRT・CRT-D)やペースメーカー・植込み型除細動器(ICD)を装着した場合は、別の定めがあります。この記事は、心筋症の方と、そのご家族のために、受け取れるかどうかの考え方、診断書、初診日、注意点を説明します。
心筋症で障害年金を受け取れるのは、どんなときか
条件の1つめは、初診日に年金制度へ加入していたことです。会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、1級・2級では障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされ、3級では障害厚生年金だけが支給されます。国民年金の期間に初診日がある方は、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。つまり、心筋症が基準の3級の状態にとどまる場合、初診日が国民年金の期間だと、受け取れません。また、60歳以上65歳未満で日本国内に住んでいる間に初診日がある方は、その時点で年金制度に加入していなくても、以前に加入していたことがあれば、障害基礎年金の対象になります(国民年金法第30条第1項第2号。老齢基礎年金を繰上げて受け取っている方を除きます。国民年金法附則第9条の2の3)。なお、初診日が20歳前で、年金制度に加入していなかった方も、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります(国民年金法第30条の4)。この場合、保険料の納付の条件はかかりません。ただし、20歳前に初診日がある障害基礎年金には、本人の所得による支給の制限があります(国民年金法第36条の3。くわしくは20歳前に初診日がある障害年金(20歳前障害):条件・保険料・所得制限・注意点)。
2つめは、保険料の納付です。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です(初診日の前日で判定します)。令和18年3月末までに初診日があって初診日に65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。
3つめは、障害の程度です。次の節で説明します。
初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか?」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか?」(Q2)をご覧ください。
心筋症は、障害認定基準でどう扱われるか
障害認定基準(第11節「心疾患による障害」)は、心疾患を、弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患に区分しています。心筋症は、このうちの「心筋疾患」です。拡張型、肥大型、拘束型といった種類の別は、等級の表には出てきません。どの種類でも、心不全の状態で判断されます(肥大型心筋症には、後で説明する注意書きがあります)。
障害の程度は、呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫などの臨床症状、X線、心電図などの検査成績、一般状態、治療と病状の経過などから総合的に認定される、とされています。障害認定基準は、これらを総合的に認定したうえで、「当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」を1級に、「日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」を2級に、「労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの」を3級に認定する、としています。
心筋疾患の等級の目安は、基準に次のように示されています。
- 1級:病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラスIV)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
- 2級:異常検査所見のFに加えて、病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの。または、異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち2つ以上の所見及び心不全の病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
- 3級:EF値が50%以下を示し、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの。または、異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち1つ以上の所見及び心不全の病状をあらわす臨床所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
ここに出てくる用語は、次のとおりです。
- 異常検査所見:基準はA〜Iを挙げており、このうち心筋疾患の等級で使われるのは次のA〜Gです(H・Iは虚血性心疾患用です)。A(安静時の心電図で0.2mV以上のSTの低下または0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。))、B(負荷心電図(6Mets未満相当)等で明らかな心筋虚血所見)、C(胸部X線で心胸郭係数60%以上、または明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫)、D(心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常)、E(心電図で重症な頻脈性または徐脈性不整脈所見)、F(左室駆出率(EF)40%以下)、G(BNPが200pg/ml相当を超えるもの)です。原則として、異常検査所見があるもの全てについて、それに該当する心電図等を提出することとされています。
- 一般状態区分表:アは、無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの。イは、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの(例:軽い家事、事務など)。ウは、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの。エは、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの。オは、身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの。
- NYHA心機能分類:心不全の重症度を示す、I度からIV度までの分類です。基準は、BNP値が常に100pg/ml以上の場合はNYHA心機能分類でII度以上と考えられ、200pg/ml以上では心不全状態が進行していると判断される、と説明しています。
肥大型心筋症については、基準に特別な注意書きがあります。肥大型心筋症は、心室の収縮は良好に保たれるが、心筋肥大による心室拡張機能障害や左室流出路狭窄に伴う左室流出路圧較差などが病態の基本になっているため、EF値が障害認定にあたり参考とならないことが多く、臨床所見や心電図所見、胸部X線検査、心臓エコー検査所見なども参考として総合的に障害等級を判断する、とされています。
これらは目安であり、「この数値を満たせば必ず何級」という基準ではありません。基準は、検査成績と、認定時の具体的な日常生活状況を把握して、総合的に認定する、としています。
心臓移植・人工心臓・CRT・ペースメーカー・ICDを使っている場合
心筋症が重くなると、機器を使う治療や、心臓移植が必要になることがあります。障害認定基準は、重症心不全について、次のように定めています。
- 心臓移植:1級
- 人工心臓:1級
- CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器):2級
ただし、手術のあとは上の等級に認定したうえで、1〜2年程度経過を観察し、症状が安定しているときは、臨床症状、検査成績、一般状態区分表を勘案して、障害等級を認定し直す、とされています。つまり、機器を使っていても、そのままの等級が続くとは限りません。当センターのQ&Aには、人工心臓で1級を受給していて、更新で支給が停止されたというご相談があります(Q&A)。
ペースメーカーとICD(植込み型除細動器)は、基準では、難治性不整脈の3級の例として、「ペースメーカー、ICDを装着したもの」が挙げられています。心筋症の方がICDを使っている場合も、基準の文言は3級の例です。そのため、初診日が国民年金の期間にある方は、ペースメーカー・ICDの装着だけでは障害基礎年金の対象になりません。当センターのQ&Aには、20歳前に初診日があるICDの方が、3級では障害基礎年金の対象にならなかったというご相談があります(Q&A)。ペースメーカー・ICDを装着した場合の障害の程度を認定する日は、装着した日です(初診日から1年6か月を超える場合を除きます)。人工弁を装着した場合も同じです。くわしくは、ペースメーカーで障害年金はもらえる?をご覧ください。
機器や移植と、心不全の程度は、別々に判断されるのではなく、あわせて見られます。心臓の基準の全体は、心臓の障害(循環器障害)の障害認定基準にまとめています。
当センターの心筋症の事例
心筋症と明記された事例は、次の2件です。どちらも3級で、初診日に厚生年金に加入していた方です。
- 40代の女性が、閉塞性肥大型心筋症と診断され、投薬や心臓を削る手術を受けましたが、数値が悪化して、人工弁を装着する手術(僧帽弁置換)を受けました。障害厚生年金3級(年額約58万円)が決まり、5年さかのぼって、約277万円を受け取りました。手術が平成27年で、さかのぼれる時期だったため、認定日請求とし、認定日ごろと現在の診断書の2通を作成してもらいました。初診日に関する調査票(心臓の病気用)も作成しました(事例)。
- 60代の男性が、拡張型心筋症で、10年前にご自身で請求して不支給になっていました。認定日請求をして、障害厚生年金3級が決まり、5年さかのぼって約292万円を受け取りました。認定日ごろの診断書は3級程度の状態で書かれていましたが、現在の診断書は症状が軽く、事後重症の請求は不支給でした。申立書では、現在も歩くことがつらく、仕事も月に数日しかできないことを強調しました(事例)。
心筋症のご相談の例です。
- 5年前に心筋症で緊急手術を受けた方が、すでに65歳を過ぎていて、事後重症では請求できないが、認定日請求ができるかどうか、という相談でした。この方は、初診日も障害認定日も65歳になる前にあったため、障害認定日ごろに障害年金に当たる程度の症状であれば、さかのぼって請求(認定日請求)できます、とお答えしました(Q&A)。65歳を過ぎてからでも、初診日の要件を満たし、障害認定日の状態が等級に当たれば、認定日請求はできます。65歳を過ぎてからできないのは、事後重症の請求です。
- 拡張型心筋症と診断され、傷病手当金を受けている方が、症状が落ち着いたら仕事に復帰したいとして、障害手当金を希望されました。働いていても、障害認定日の状態によっては障害年金の3級に当たる可能性がある、とお答えしました(Q&A)。
- 拡張型心筋症で身体障害者手帳1級を持つ方が、8年前に発病して1年半後に請求したが不支給で、うつ病も併発している、という相談でした。うつ病という新しい病気が加わった場合は、その初診日を基準に請求でき、心疾患とうつ病の両方が対象になるときは併合認定が適用されることがある、とお答えしました(Q&A)。
事例は、受給をお約束するものではありません。同じ心筋症でも、検査の数値や日常生活の状態、それが診断書にどう書かれるかで、結果は変わります。
心臓の障害の事例(心筋症とは別の傷病のもの)
次の事例は、傷病名が心筋症ではありませんが、心臓の障害で、機器を使う場合などの参考になります。心筋症の事例と同じ結果になるとは限りません。
- 40代の男性が、慢性心不全で、通常のペースメーカーでは対応できず、CRT-Dを埋め込みました。障害基礎年金2級(年間約78万円)が決まりました。CRT-Dを埋め込んだ日が認定日で、手術日の翌月分からさかのぼって受け取りました(事例)。ご自身の場合の障害認定日は、個別に確認が必要です。
- 50代の男性が、洞不全症候群で、ペースメーカーを装着しました。心筋梗塞と診断されてから数年が過ぎていました。初診日に厚生年金に加入しており、障害厚生年金3級(年間約100万円)が決まりました(事例)。
- 重度の心筋梗塞で、補助人工心臓を入れた方が、初診から4か月後に手術をしたため、手術日が認定日になる、とお答えしたご相談もあります(Q&A)。ご自身の場合の障害認定日は、個別に確認が必要です。
診断書は、検査の数値と、日常生活の状態を書いてもらいます
診断書は、循環器疾患の障害用の様式(様式第120号の6-(1))を使います。現在の状態は今の主治医に書いてもらいます。障害認定日から1年以上たってから請求するときは、障害認定日ごろの状態を、そのころに診ていた医師にも書いてもらい、2通を出します。この診断書には、動悸・呼吸困難・息切れ・胸痛などの自覚症状、チアノーゼ・浮腫などの他覚所見、心機能分類(NYHA)、心電図、胸部X線、心エコーのEF、BNP値などを書く欄があります。心電図所見のあるものは、必ず心電図(コピー)を添付することになっています。日常生活の状態は、一般状態区分表(アからオ)で書かれます。
心筋症の場合、診断書に書かれる数値や所見が、等級の目安にどう当たるかが大切です。肥大型心筋症では、EFが保たれていることが多いため、臨床所見や心エコーの所見も含めて、書いてもらう必要があります。診断書を作成する前に、必ず、年金事務所等にご相談ください、と日本年金機構も案内しています(日本年金機構「循環器疾患の障害用の診断書を提出するとき」)。
診断書に書かれた内容は、日常の生活の実態と、食い違わないようにしてください。当センターの事例には、現在の診断書の内容が軽く書かれて、事後重症が不支給になったものがあります(前の節の事例5319)。診断書については、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか?」(Q19)と、診断書のページをご覧ください。
初診日は、健康診断のあとに受診した日か、息切れ・動悸で受診した日かを整理します
障害年金の初診日は、その病気と、それが原因で起きた病気(法律では「起因する疾病」)について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です(国民年金法第30条第1項、厚生年金保険法第47条第1項)。
心筋症は、診断がつくまでに時間がかかることがあります。難病情報センターの肥大型心筋症の解説には、大部分は無症状か軽い症状のみで、健康診断で心雑音や心電図の異常を指摘されたことをきっかけに診断されることも少なくない、とあります。なお、健康診断を受けた日(健診日)は、原則として初診日として扱われず、初めて治療を目的に医療機関を受診した日が初診日になります(厚生労働省の通知「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」平成27年9月28日 年管管発0928第6号)。ただし、治療を目的に初めて受診した日の証明が取れず、健診の結果が医学的にみてすぐに治療が必要な内容だった場合は、請求する人の申立てによって、健診日を初診日と認めることがある、とされています。この場合は、人間ドックの結果など、健診日を証明する資料が必要です。そのため、初診日が、健康診断の結果を受けて医療機関を受診した日になるのか、息切れや動悸で最初に内科や循環器内科を受診した日になるのかを、整理する必要があります。診断を受けた病院と、最初に受診した病院が違うときは、最初に受診した病院で受診状況等証明書を作成してもらうのが原則です。
当センターの事例には、初診日から現在まで同じ病院に通っていたため、受診状況等証明書が不要だった方がいます(前の節の事例2042)。一方、10年前にご自身で請求した際に受診状況等証明書を取得した病院から、再作成は料金が高くなるが、診療データの開示もできる、と言われて、データ開示を請求した事例もあります(前の節の事例5319)。
受診状況等証明書については、初診日の証明(受診状況等証明書)のページをご覧ください。初診日が分からないときは、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか?」(Q26)もご覧ください。
指定難病の医療費助成と、障害年金は、別の制度です
特発性拡張型心筋症(指定難病57)、肥大型心筋症(58)、拘束型心筋症(59)は、指定難病です。拡張型でも、原因がはっきりしている心筋症(心筋梗塞などによるもの)は、特発性拡張型心筋症には当たりません。指定難病の医療費助成は、医療費の負担を軽くする制度で、障害年金とは、別の制度です。医療費助成を受けていることで、障害年金が受け取れるわけではなく、障害年金の等級が決まるわけでもありません。反対に、障害年金を受け取っていても、医療費助成の対象になる場合があります。医療費助成の対象になる条件(病気の重さの基準など)は、都道府県の窓口や、難病情報センターの医療費助成制度のページでご確認ください。
難病で障害年金を考えている方に向けた説明は、難病で障害年金を考えている方へにあります。
身体障害者手帳(心臓機能障害)との関係
心臓の障害については、身体障害者手帳(心臓機能障害)という制度もあります。手帳は、障害年金とは別の制度で、手帳をお持ちかどうか、何級かによって、障害年金の等級が決まるわけではありません。手帳の申請は、当センターでは受けていません。手帳については、障害者手帳のページをご覧ください。
働いていても、受け取れますか
働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。(3級は、初診日に厚生年金に加入していた方の障害厚生年金だけです。初診日が国民年金の期間にある方は、1級・2級に当たる必要があります。)心疾患の基準は、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度を、3級としています。当センターのQ&Aには、拡張型心筋症で傷病手当金を受けている方に、働いていても3級に当たる可能性はある、とお答えしたものがあります(前の節のQ&A)。また、日中は毎日仕事をしている50代の男性が、ペースメーカーの装着で3級が決まった事例もあります(前の節の事例11977)。
ただし、仕事の内容や、職場での配慮、仕事を休む頻度は、診断書の「一般状態区分表」の評価や、申立書の内容に関係します。申請の前に、ご相談ください。くわしくは、働いていても障害年金は受け取れる?と、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか?」(Q53)をご覧ください。
さかのぼって受け取れることがあります
障害認定日は、原則として、初診日から1年6か月が過ぎた日です。その日の時点で等級に当たっていたことが認められると、障害認定日の翌月分までさかのぼって年金を受け取れることがあります。ただし、さかのぼれるのは、時効の関係で、5年分までです。当センターの心筋症の事例2件は、どちらも5年さかのぼって受け取っています。
障害認定日に等級に当たっていなかった場合は、「事後重症」として、請求した月の翌月分から受け取れます。さかのぼっては受け取れません。事後重症の請求は、65歳の誕生日の前々日までにする必要があります。また、老齢基礎年金を繰上げて受け取っている方は、事後重症の請求ができません(国民年金法附則第9条の2の3)。当センターの事例5319は、認定日の請求は認められましたが、現在の診断書が軽かったため、事後重症は不支給でした。認定日だけが認められた場合は、請求のときに出した現在の診断書の現症日の翌月から、支給が止まった、と事例に書かれています。
ペースメーカー・ICD・人工弁を装着した場合は、装着した日が認定日になる、という定めがあります(初診日から1年6か月を超える場合を除きます)。
くわしくは、さかのぼって受け取る(遡及請求)のページと、100の質問の「遡及請求(さかのぼって受給)とは何ですか?何年分までもらえますか?」(Q78)をご覧ください。
受け取れる金額の目安
障害基礎年金は定額です。令和8年度(2026年度)は、2級が年額847,300円、1級が年額1,059,125円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です。子がいる場合は、加算があります)。障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。1級・2級では、障害基礎年金に上乗せして支給されます。3級には最低保障額(令和8年度は年額635,500円・昭和31年4月2日以後生まれの方の額)があります。
年金額は年度ごとに改定されるため、最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。
申請の流れと、結果が出るまでの期間
申請は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、数か月かかります(日本年金機構の目安は、最新の障害年金ガイドでご確認ください。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、さらに時間がかかることがあります)。
くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。
不支給になった場合と、受給後の更新
審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。当センターの事例5319は、10年前にご自身で請求して不支給になったあと、改めて請求して3級が決まりました。どちらが適しているかは、不支給の理由によって変わります。
障害年金を受け取り始めたあと、更新がある認定(有期認定)の場合は、1〜5年ごとに、障害状態確認届(診断書)を提出して、障害の状態を確認されます。更新があるかどうかは、年金証書の「次回診断書提出年月」の欄で確認できます。心臓移植や人工心臓などの場合は、前に書いたとおり、術後1〜2年程度の経過観察のあとに、等級が再認定されることがあります。症状が改善したと判断されると、年金額が下がったり、支給が停止したりすることがあります。反対に、悪化したときは、等級を上げる請求(額改定請求)ができます。ただし原則として、受給権を取得した日か、前回の診査を受けた日から1年が過ぎてからでないと請求できません。3級の障害厚生年金だけを受けている方(過去に2級以上になったことがない方)は、65歳の誕生日の前々日までに請求する必要があります。
更新で支給が止まった場合の考え方は、更新で支給停止になったときはと、100の質問の「障害年金の更新(障害状態確認届)とは何ですか?」(Q72)、「不支給の通知が届きました。どうすればよいですか?」(Q68)をご覧ください。
当センターに、ご相談ください
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。入院中の方やご家族だけでのご相談も、ご本人の同意があれば承ります。料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。診断書の作成料は実費です。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。
当センターでは、65歳以上の方、生活保護を受けている方のご相談はお受けしておりません。ただし、65歳以上の方でも、老齢年金を受け取っておらず、障害年金の受給条件に当てはまる場合には、お受けすることもあります(くわしくは、65歳以上の方の障害年金をご覧ください)。生活保護を受けている方は、例外なくお受けできません(くわしくは、生活保護を受けている方へをご覧ください)。
心筋症・心臓の障害の受給事例
心筋症・心臓の障害で障害年金を受給された方の事例を、一部ご紹介します。個人が特定されないよう、内容を調整しています。
- 僧帽弁閉鎖不全症、閉塞性肥大型心筋症による人工弁装着で障害厚生年金3級を取得、5年遡及約277万円、年間58万円を受給できたケース
- 一度不支給になり再請求を行い拡張型心筋症で障害厚生年金3級を取得、5年遡及約292万円を受給できたケース
- 慢性心不全(CRT-D)により障害基礎年金2級が決定した事例
- 突然の吐き気と倦怠感により病院受診し心筋梗塞と判明。数年投薬治療を続けたが悪化し、ペースメーカーを入れたことで障害年金3級を受給した事例
事例は、受給をお約束するものではありません。
関連する柱ページ・基準のページ:
制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















