人工関節で障害年金はもらえる?

目次

結論:人工関節を入れた方は、障害年金を受け取れることがあります

人工関節(人工骨頭を含みます)を入れる手術を受けた方は、障害年金の対象になることがあります。人工関節を入れた場合は、障害認定基準(第7節 肢体の障害)に、等級の目安が定められています。原則として、障害厚生年金の3級に当たる、とされています。

ただし、受け取るには条件があります。初診日(その病気で初めて医師の診療を受けた日)に厚生年金に加入していたかどうかで、結果が大きく変わります。厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、3級の障害厚生年金の対象になります。国民年金だけに加入していた期間に初診日があった場合は、3級がないため、原則として受け取れません。ただし、手術のあとも重い障害が残り、2級に当たる場合は、障害基礎年金の対象になります。

初診日から1年6か月以内に手術を受けた場合は、手術を受けた日が障害認定日になり、1年6か月が過ぎるのを待たずに、請求できます。この記事では、人工関節で障害年金を考えている方のために、受け取れるかどうかの考え方と、準備するもの、注意点を説明します。

人工関節で障害年金を受け取れるのは、どんなときか

条件の1つめは、初診日に厚生年金に加入していたことです。会社員や公務員として厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、3級の障害厚生年金の対象になります。国民年金だけに加入していた期間に初診日があった場合、障害基礎年金には3級がなく、1級・2級にも当たらなければ、受け取れません。

2つめは、保険料の納付です。初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あることが原則です。令和18年3月末までに初診日があって65歳未満であれば、初診日がある月の前々月までの1年間に未納がなければよい、という特例もあります。

3つめは、障害の程度です。人工関節の場合は、人工骨頭や人工関節を入れる手術(挿入置換)を受けていること自体が、等級の目安になります。上肢(肩・ひじ・手首)または下肢(股・ひざ・足首)の3大関節のうち、1つ以上の関節に人工骨頭や人工関節を入れた場合は、原則として3級です。

初診日や納付要件のくわしい説明は、100の質問の「初診日とは何ですか」(Q13)と「障害年金はどんな人がもらえますか」(Q2)をご覧ください。

障害認定日は、いつになるのか

障害年金の障害認定日は、原則として、初診日から1年6か月が過ぎた日です。ただし、初診日から1年6か月以内に人工骨頭や人工関節を入れた場合は、例外として、手術を受けた日が障害認定日になり、1年6か月を待たずに請求できます。初診日から1年6か月を過ぎてから手術を受けた場合は、障害認定日は原則どおり、初診日から1年6か月が過ぎた日です。

手術の日が障害認定日になる場合、診断書は、原則として、障害認定日(手術の日)から3か月以内の状態を書いたものが必要です。

障害認定日に障害の状態に当たっていれば、手術が何年も前でも、さかのぼって請求できます(時効のため5年分まで)。障害認定日の時点でまだ手術を受けておらず、障害の状態にも当たっていなかった場合は、さかのぼることはできず、請求した月の翌月分からの受け取りになります。この請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。「何年も前に人工関節を入れたけれど、障害年金は知らなかった」という方は、あきらめる前にご相談ください。

障害認定日のくわしい説明は、100の質問の「障害認定日はいつになりますか」(Q12)と「遡及請求とは何ですか」(Q78)をご覧ください。

両足に入れた場合や、手術のあとも障害が重い場合

人工関節を入れた関節の数が増えても、それだけで等級が上がるわけではありません。障害認定基準では、片足でも両足でも、人工関節を入れた場合は3級とされています。ただし、手術のあとも、片足なら「一下肢の用を全く廃したもの」、両足なら「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」と同じ程度以上の障害が残っているときは、さらに上の等級に認定されます。手術のあとの経過が思わしくない場合も、残っている障害の程度で判断されます。

上の等級になるかどうかは、関節の動く範囲(可動域)や筋力、歩行や階段の状態、日常生活でできないことなどが、診断書に具体的に書かれているかが大切になります。個別の判断は難しいため、診断書の内容を確認したい方は、ご相談ください。

働いていても、受け取れますか

働いていることだけを理由に、対象外になるわけではありません。人工関節の場合は、手術の内容で等級の目安が決まるため、仕事を続けていることだけで、受け取れなくなるわけではありません。仕事を続けながら、3級の障害厚生年金を受給された方もいます(事例)。

くわしくは、100の質問の「働いていると障害年金はもらえませんか」(Q53)と「フルタイムで働いていても障害年金はもらえますか」(Q54)をご覧ください。

初診日の確認が、最初の大切な作業です

人工関節の場合は、手術の日ではなく、その原因となった病気やけがで、初めて医師の診療を受けた日が、初診日です。変形性股関節症や大腿骨頭壊死のように、手術の何年も前から通院していることが多く、初診日が昔になりがちです。

ここで、よく問題になるのが、初診の病院にカルテが残っていないことです。終診から5年を過ぎると、カルテが廃棄されていることがあります。そのような場合でも、診察券やお薬手帳、第三者の証明などを組み合わせて、初診日を認めてもらえることがあります。また、先天性の股関節の病気がある方は、初診日がいつになるかが争点になることがあります。

初診日の確認では、手術を受けた病院の記録だけでなく、最初に受診した病院の記録が必要です。くわしくは、100の質問の「初診日が分からないときはどうすればよいですか」(Q26)をご覧ください。

診断書は、肢体の障害用の様式で書いてもらいます

診断書は、肢体の障害用の所定の様式で、手術を受けた医療機関などの医師に書いてもらいます。人工関節の場合は、どの関節に、いつ手術をしたかが、特に大切な情報です。

診断書の費用は、医療機関ごとに決められており、健康保険の対象外です。依頼する前に、料金と作成にかかる期間を確認してください。くわしくは、100の質問の「診断書はどの医療機関で書いてもらえばよいですか」(Q19)をご覧ください。

受け取れる金額の目安

3級の障害厚生年金は、報酬比例の年金額です。ただし、年金額が低くなりすぎないように、最低保障額があります。令和8年度(2026年度)の3級の最低保障額は、年額635,500円です(昭和31年4月2日以後生まれの方の額です)。

実際の金額は、厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与の額で変わります。年金額は年度ごとに改定されるため、最新の金額は、障害年金の金額のページでご確認ください。障害年金は、所得税や住民税がかからない年金です。

申請の流れと、結果が出るまでの期間

申請は、初診日と年金制度の確認、初診日の証明、診断書の依頼、申立書の作成、年金請求書の提出、という順で進みます。年金請求書を提出してから、決定の通知と年金証書が届くまでは、3か月程度が目安です(日本年金機構「障害年金ガイド」の目安です。障害の状態を詳しく確認する必要がある場合などは、通常より時間がかかることがあります)。受け取れることが決まると、年金証書が届き、1〜2か月後ごろに最初の振込が始まります。

くわしい手順は、100の質問の「障害年金の申請の流れを教えてください」(Q17)をご覧ください。

不支給になった場合

審査の結果、不支給になることもあります。不支給の通知が届いたときは、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(共済組合等が決定した場合は、不服申立ての窓口が異なります)。診断書や資料をそろえ直して、あらためて請求し直す方法もあります。どちらが適しているかは、不支給の理由によって変わります。

くわしくは、100の質問の「不支給の通知が届きました。どうすればよいですか」(Q68)をご覧ください。

当センターに、ご相談ください

愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、ZOOMでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。一度も事務所にお越しにならずに、受給された方もいらっしゃいます。

料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。

電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。無料受給判定で、受け取れる可能性を、1分で確認することもできます。

人工関節の受給事例

人工関節で障害年金を受給された方の事例を、一部ご紹介します。個人が特定されないよう、内容を調整しています。

事例は、受給をお約束するものではありません。同じ手術でも、結果は一人ひとりの状況で異なります。

関連するQ&A・コラム:

制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。

執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一

交通事故での障害年金全般の注意点(損害賠償との調整など)は、交通事故で障害年金はもらえる?でも解説しています。

変形性膝関節症全般の考え方(人工関節を入れていない場合の等級など)は、変形性膝関節症で障害年金はもらえる?でも解説しています。

障害年金の無料相談を行っています

障害年金はご自身で申請することができます。
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「診断書は書いてもらえそうだが、申立書や共済年金とのやり取りが不安」という方は、一人で抱え込まず専門家に相談することをおすすめします。

当事務所では、四国にお住まいの方を対象に、丁寧なヒアリングときめ細かなサポートで対応しております。
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>>当事務所に依頼するメリット

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
眼ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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下記の項目を最初にお聞きいたしますのでご用意いただけますよう、お願いいたします。

必須項目

(1)お名前、(2)生年月日(年齢)、(3)電話番号、(4)住所

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(5)初診日(医療機関に初めて受診した日)、 (6)加入年金制度の種類と加入状況、(7)傷病名(診断傷病名)

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