糖尿病でインシュリン治療を受けている人が障害年金をもらえる可能性について

糖尿病でインスリン治療を受けている人にとって、障害年金を受け取れるかどうかは重要な問題です。糖尿病は進行すると生活に大きな支障をきたすことがありますが、障害年金の対象となるかどうかは症状の程度や生活への影響により異なります。

以下では、糖尿病と障害年金の関係について詳しく解説します。

障害年金とは?

障害年金は、病気やけがにより労働や日常生活が制限される場合に支給される給付金です。

日本の年金制度に基づいており、年金保険料を一定期間納めていることが受給の前提となります。糖尿病の場合も、病状が日常生活に重大な影響を与えている場合、障害年金の対象となることがあります。

糖尿病と障害年金の関係

糖尿病には1型と2型がありますが、どちらのタイプでも重症化すると合併症が発生し、障害年金を受給できる可能性が出てきます。特に次のような合併症がある場合、障害年金の対象となることが一般的です。

糖尿病も障害年金の対象となっています。

糖尿病の認定基準

糖尿病の認定基準についてはこのようになっています。

1級、2級の場合

合併症による障害の程度により認定するもの

3級の場合

インシュリンを使用してもなお、血糖のコントロールの不良なもの(空腹時又は随時の血清Cペプチド値が0.3ng/ml未満など)

合併症による障害の程度

視覚障害

糖尿病網膜症は、糖尿病による視覚への影響としてよく知られており、進行すると視力が低下したり失明する可能性があります。視覚障害が重度であれば、障害年金の対象となることがあります。

腎機能障害

糖尿病性腎症は、腎機能が低下することで透析が必要になるケースがあります。透析治療を受けている場合、通常は障害等級2級が認定され、障害年金を受け取ることが可能です。

神経障害

糖尿病性神経障害も合併症の一つで、手足のしびれや痛みが進行し、日常生活に支障をきたす場合があります。このような症状が重度であれば、障害年金の対象となります。

インスリン治療だけでは障害年金は受け取れない

インスリン治療を行っていること自体は、障害年金の受給条件には該当しません。障害年金は、病気が日常生活や労働能力にどれだけ深刻な影響を与えているかで判断されます。そのため、インスリン治療を行っていても、仕事ができたり日常生活に支障が少ない場合は、障害年金の対象外となる可能性が高いです。

障害年金の申請方法

障害年金の申請には、医師の診断書が必要です。この診断書には、病状の詳細やその影響が具体的に記載される必要があります。また、年金事務所に必要書類を提出して申請手続きを開始します。申請後、障害等級が決定され、それに基づいて障害年金の支給が決まります。

>>障害年金を社労士に依頼すべきか?自分で申請を出す場合と社労士に依頼するメリット

>>障害年金申請めんどくさいと思っている方へ 面倒な障害年金の申請は社会保険労務士へ

まとめ

糖尿病でインスリン治療を受けている場合でも、障害年金を受け取れるかどうかは、合併症の有無やその影響によります。視覚障害や腎機能障害、神経障害などが重度で日常生活に支障をきたしている場合、障害年金を受け取れる可能性があります。申請には、医師の診断書が重要な役割を果たすため、適切な診断と手続きを行うことが大切です。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

>>障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

>>障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる1分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

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