自分が特別な使命を持っている、自分は偉大な存在である――そう強く信じる「誇大妄想」は、統合失調症や双極性障害などの精神疾患に伴う症状の一つです。社会生活に大きな影響を与えることもあり、障害年金の対象となる場合もあります。

本記事では、誇大妄想の特徴、原因、精神障害との関係、そして支援の方法についてわかりやすく解説します。

誇大妄想とは何か？その定義と特徴

誇大妄想とは、自分が実際以上に偉大であると確信する精神的な症状です。たとえば「自分は世界を導くリーダーだ」「自分には特別な力がある」といった非現実的な信念を持ち、周囲の否定にもかかわらずその考えを固く信じ続けます。

これは単なる自信過剰ではなく、精神疾患の一部として現れる深刻な症状です。

精神障害との関係：どのような疾患に現れるのか

誇大妄想は、主に統合失調症や双極性障害（特に躁状態）に伴って現れます。統合失調症では、幻聴や被害妄想とともに現れることが多く、現実との区別がつきにくくなることが特徴です。

一方、双極性障害の躁状態では、気分が高揚し「自分は万能だ」と感じてしまう誇大妄想がよく見られます。どちらのケースでも、日常生活や人間関係に深刻な影響を及ぼします。

誇大妄想がもたらす生活への影響

誇大妄想の影響は多岐にわたります。根拠のない自信から無謀な行動をとる、周囲の助言を無視する、人間関係が破綻するなど、本人だけでなく周囲の人々にも大きなストレスをもたらします。

仕事や学業に支障が出ることも多く、こうした困難が長期間続く場合は、障害年金の受給を検討することも現実的な選択肢になります。

＞＞障害年金を自分で申請するのは難しい？社会保険労務士に依頼するメリットについて

誇大妄想の背景にある心理と原因

このような妄想の背景には、劣等感や自己否定感など、深層心理にある不安やストレスが関係していることがあります。また、脳内の神経伝達物質の異常、過去のトラウマ、極度のプレッシャーなども引き金となることがあります。

妄想は、現実から逃れるための心の防衛反応として現れる場合もあり、単に「おかしなことを言っている」と片付けるのは危険です。

治療と支援：誇大妄想への具体的なアプローチ

誇大妄想の治療には、抗精神病薬や気分安定薬などの薬物療法が用いられます。同時に、精神療法や認知行動療法によって、妄想に至った背景や思考パターンを見つめ直す支援が行われます。

治療には時間がかかることも多く、本人の自覚がないケースでは、家族や周囲の理解と協力が不可欠です。状態が安定しない場合は、障害年金などの公的支援制度の利用を検討することも重要です。

偏見をなくし、正しい理解を広めるために

誇大妄想という言葉には、時に差別的なニュアンスが含まれることがありますが、これはれっきとした精神疾患の症状であり、本人の意思でどうにかなるものではありません。

社会全体が精神疾患に対する正しい知識を持ち、偏見なく接することが、早期の支援と回復につながります。

まとめ：誇大妄想と向き合う社会的視点の大切さ

誇大妄想は、精神疾患の一症状として、生活に深刻な影響を与えることがありますが、適切な治療と支援により回復の可能性は十分にあります。障害年金などの制度も活用しながら、社会の中で安心して暮らせる環境を整えることが大切です。

理解と支援の輪が広がることで、当事者も周囲も共に生きやすい社会が築かれていくでしょう。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
６５歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

相談の現場で、最も耳にする言葉です。

障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。

ひとりで悩みを抱えず、まずは当センターにお気軽にご相談ください。
当センターは全力であなたに寄り添います。

無料相談を行っておりますので、是非ご利用ください。

note.com/ehimesr/