パニック障害で仕事が困難な人へ 障害年金の受給条件と注意点について

パニック障害によって仕事や日常生活に支障をきたし、障害年金の受給を検討している方もいるでしょう。

今回は、パニック障害で障害年金が受け取れるかどうか、詳しく解説していきます。

パニック障害とは?

パニック障害は、突然のパニック発作が起こり、動悸やめまい、発汗、息苦しさ、吐き気、手足の震えなどの症状に見舞われる心の病気です。これにより、「このまま死んでしまうのではないか」という激しい不安に襲われることもあります。

症状が悪化すると、「また発作が起きたらどうしよう」という恐怖心から、特定の場所や状況を避けるようになり、公共の乗り物を使えなくなったり、外出が困難になったりします。また、長引く場合はうつ病を併発することもありますし、逆にうつ病が先に発症し、その後パニック障害が生じることもあります。

障害年金とは?

障害年金は、公的年金の一つで、病気やけがで一定の障害を負った人に支給される制度です。主に「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、初めて病院を受診した日(初診日)にどの年金制度に加入していたかによって、受けられる年金の種類が異なります。

障害年金を受給するための条件

障害年金を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。

初診日が特定できる

症状が出始めて病院を初めて受診した日が確認できることが必要です。

保険料の支払い状況

初診日の前々月までに、3分の2以上の期間、年金保険料を納めていること(または免除されていること)、もしくは初診日において65歳未満であり、その前々月までの1年間に未納がないこと。

障害状態

初診日から1年6ヶ月経過後、もしくはそれ以降に障害等級に該当すること。

これらの条件を満たした場合、障害年金の申請が可能です。

パニック障害は原則、障害年金の対象外

障害年金の対象となる精神疾患には「精神病」と「神経症」があります。このうち、精神病は認定の対象となりますが、神経症は原則として対象外です。パニック障害は「神経症」の一種とみなされるため、通常は障害年金の対象にはなりません。

パニック障害が例外的に認定されるケース

ただし、すべての場合が対象外というわけではありません。医師の診断書に「統合失調症」や「重度のうつ病」など、精神病に該当する症状が記載されている場合は、パニック障害でも障害年金が認定されることがあります。

さらに、パニック障害と併発してうつ病や他の精神疾患を抱えている場合も、障害年金の受給対象となる可能性があります。

なぜパニック障害は障害年金の対象外なのか?

パニック障害を含む神経症は、長期にわたり深刻な症状が続くことがあっても、障害年金の対象外とされることが多いです。これにはいくつかの理由があります。

精神病と神経症の違い

精神病は脳そのものに障害がある状態で、幻覚や妄想など現実との区別がつかなくなります。

患者本人は自分の病気に気づくことができません。一方、神経症はストレスやトラウマが引き金となり、不安や恐怖が強まり、心身の不調が現れるものです。神経症の患者は自分が病気であると自覚することができます。

神経症が対象外とされる理由

神経症の場合、身体的な異常は見られず、治療や日常生活の改善が自己判断で行えるため、障害年金の認定基準に合致しないとされています。

また、精神病に比べて症状が長期化しにくいと考えられていることも、一因です。

まとめ

パニック障害単体では障害年金の受給は難しいとされていますが、医師の診断書や併発する精神病の状態によっては、例外的に認定されることがあります。

受給を検討している場合は、専門の社会保険労務士に相談することで、適切なサポートを受けることができます。

愛媛・松山障害年金相談センターでは障害年金の無料相談を行っています。
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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

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対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

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目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

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