ベーチェット病とは、全身の血管に炎症を引き起こす自己免疫疾患で、日本でも難病に指定されています。

この病気は、主に口腔内の潰瘍や皮膚の発疹、眼の炎症、関節痛などを特徴とし、個々の患者により症状の重篤度や影響の範囲が異なります。

この記事では、ベーチェット病の原因、症状、難病指定の意義、そして障害年金の受給に関するポイントを解説します。

ベーチェット病の原因と背景

ベーチェット病の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因の両方が関係していると考えられています。特に、HLA-B51といった遺伝子の存在がリスクを高めることが知られています。

また、ウイルスや細菌などの感染が引き金となり、免疫システムが誤って自分の細胞を攻撃してしまうことが病態の一因とされています。この免疫の異常な反応が、血管や関節、皮膚などに炎症を引き起こし、多様な症状をもたらします。

ベーチェット病の主な症状

ベーチェット病は症状が多岐にわたり、一般的には次のようなものが見られます。

口腔内の潰瘍

痛みを伴う口内炎がしばしば現れ、食事や会話に影響を及ぼします。

皮膚症状

赤みを伴う発疹や吹き出物が多く、体幹や四肢に現れることが多いです。

眼の炎症

ぶどう膜炎など、視力に影響を及ぼすことがあり、治療が遅れると視力障害に至ることもあります。

関節症状

膝や足首の痛み、腫れが頻発し、運動機能の制限につながることがあります。

その他の合併症

消化器系の潰瘍や血栓症など、症状が重篤化すると生命に関わるケースも存在します。

これらの症状は、時期や個々の患者によって異なり、特に重症度は大きく変動します。

ベーチェット病と難病指定

日本では、ベーチェット病は「指定難病」に含まれており、患者は特定の医療費助成制度を利用することができます。

この制度により、診断や治療にかかる経済的負担が軽減されることが期待されます。難病指定の基準は、病気の重篤さと発症の頻度によって決定されており、ベーチェット病はその慢性かつ全身性の症状により、サポートの対象となっています。

障害年金の受給について

ベーチェット病の患者は、症状の進行によっては障害年金を申請することが可能です。

障害年金は、労働や日常生活に著しい影響を与える病気に対して支給されるもので、ベーチェット病が進行して視覚障害や重度の運動制限を伴う場合、受給の対象となることがあります。

申請にあたっては、まず専門医による詳細な診断書が必要です。診断書には、具体的な症状、日常生活への影響、治療の経過などが記載されていることが求められます。

障害等級の認定は厳格で、症状の重さや継続性が審査の基準となります。視覚障害や歩行困難、頻繁な医療ケアを要する状態であれば、高い等級が認められることが多いです。

＞＞障害年金を自分で申請するのは難しい？社会保険労務士に依頼するメリットについて

まとめ

ベーチェット病は、慢性的かつ多様な症状が見られる疾患であり、患者の生活に大きな影響を与えることがあります。

原因はまだ完全にはわかっていませんが、遺伝的要因や環境因子が関連していると考えられています。日本では難病指定を受けているため、医療費助成制度を利用できる点は大きな支えとなります。

また、障害年金は病気の進行が生活や仕事に重大な支障をきたす場合に有効な支援手段です。症状や障害年金の審査基準については、専門医や年金窓口での確認が必要ですが、適切な支援を受けることで、生活の質を向上させることができます。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
６５歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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相談の現場で、最も耳にする言葉です。

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