適応障害で障害年金は無理?例外的に受給できるケースとそのための具体的手順

適応障害は、ストレスや環境の変化によって精神的に適応できなくなる状態を指し、抑うつや不安感、行動面での問題が生じることが多いです。

では、この適応障害において障害年金が受給できるかどうかについて説明します。

適応障害について

適応障害そのものは、神経症の一種として扱われることが多く、障害年金の認定基準においては、一般的に神経症は原則として対象外とされています。これは、神経症の症状が治療によって軽減されることが多く、長期的な障害状態としては認められにくいことが理由です。

また、治療可能であると判断されるため、生活保障としての障害年金の趣旨に反するとされています。

障害年金の認定基準における適応障害

厚生労働省の障害年金認定基準によれば、神経症全般は症状が長期間にわたって継続していたとしても、原則として障害年金の対象にはならないとされています。これは、神経症が自己治癒可能性を持ち、患者自身が治癒に向けた取り組みを行えると見なされるためです。

また、神経症には「疾病利得」と呼ばれる、心理的な利益(例:同情や責任回避)が得られる場合があり、そのために病状が続くことがあるとされています。

しかし、適応障害やその他の神経症でも、症状が非常に重くなり、統合失調症や躁うつ病と同様の病態を示す場合には、例外的に障害年金が認められるケースがあります。実際、障害年金の申請を行う際には、適応障害が単独で認定されるのは難しい場合が多いですが、他の重い精神疾患と併発している場合や、症状が深刻で社会生活が著しく制限されている場合には、年金を受給できる可能性が出てきます。

適応障害と他の精神病との関係性

障害年金を申請する際に重要なのは、適応障害が単なる一時的なストレス反応としてではなく、統合失調症や双極性障害などの精神病と同様の重度な症状を呈しているかどうかです。この場合、診断書にその旨を明確に記載してもらうことが重要となります。

診断書の中には、精神病に準じた病態が記載される必要があります。例えば、「適応障害が統合失調症に似た症状を呈している」や「双極性障害と同様の病態を示している」といった形で、重篤な精神状態を明記してもらうことで、申請が通る可能性が高まります。

特にICD-10コードを明確に記載してもらうことが推奨されています。これは、障害年金審査において、適切な疾病分類が重要視されるためです。

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まとめ

適応障害単独での障害年金の受給は難しいものの、統合失調症や双極性障害など、より重篤な精神疾患と同様の病態を示す場合には、年金が受給できる可能性があります。申請を行う際は、診断書に精神病に準じた病態を記載してもらうことが重要です。

また、ICD-10コードの記載を求めることで、認定基準に沿った申請が可能となるでしょう。最終的には、症状の重さと日常生活への影響度が、年金受給の鍵となります。

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

>>障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

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目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

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