障害年金の遡及請求には、多くの人が関心を持つ理由があります。これは、過去にさかのぼって未払い分の年金を受け取ることができる可能性があるためです。しかし、その手続きにはいくつかの利点と注意点があります。

以下では、障害年金の遡及請求におけるメリットとデメリットについて詳しく説明します。

障害年金の遡及請求のメリット

遡及請求のメリットについて説明します。

１．過去にさかのぼって年金を受け取れる

遡及請求の最大のメリットは、申請時点から過去にさかのぼって年金が支給される点です。通常、障害年金は初診日から一定の期間経過後に支給が開始されますが、申請が遅れた場合でも、過去5年分までさかのぼって受け取れることがあります。これにより、一度に大きな額の年金を受け取ることが可能です。

２．経済的な安定を得られる

遡及請求により受け取れる一時金は、長期間の生活費や医療費などを補填する助けになります。特に、障害によって長期間働けなかった場合、経済的な安定を図るために重要な資金となることが多いです。

３．権利を正当に行使できる

障害年金は、障害を持つ人が国から受け取ることができる正当な権利です。遡及請求を行うことで、自身の権利を最大限に活用できるという点も大きなメリットです。特に、障害が原因で生活が困難になっている場合、この支援は非常に重要です。

障害年金の遡及請求のデメリット

障害年金の遡及請求のデメリットを説明します。

１．手続きが複雑で時間がかかる

遡及請求を行うためには、初診日を証明する書類や、障害の状態に関する詳細な医師の診断書が必要です。これらの書類を揃えるのは、時間と労力がかかることが多く、また、書類が不十分であれば、申請が認められない場合もあります。特に、古い医療記録が残っていない場合、手続きがさらに難しくなることがあります。

２．必ずしも全額が支給されるわけではない

遡及請求で受け取れる年金額は、必ずしも申請した全額が認められるわけではありません。過去の障害の状態や、他の年金や収入の有無により、支給額が減額されることがあります。また、過去５年より前の期間については、たとえ障害があったとしても遡及して支給されることはありません。

３．審査に時間がかかる

遡及請求は通常の障害年金の申請よりも審査に時間がかかる傾向があります。申請書類が複雑であることや、過去の障害の状態を確認するために追加の調査が必要な場合があるため、結果が出るまでに数カ月以上かかることも珍しくありません。

４．請求が認められない場合がある

遡及請求は、必ずしも認められるわけではありません。初診日や障害状態を証明するための書類が不足している、または不十分な場合、請求が却下されることがあります。

また、申請時にすでに障害年金の支給基準を満たしていないと判断されると、遡及請求が認められない可能性もあります。

＞＞障害年金申請めんどくさいと思っている方へ　面倒な障害年金の申請は社会保険労務士へ

まとめ

障害年金の遡及請求は、過去にさかのぼって年金を受け取れるという大きなメリットがありますが、その一方で、手続きの複雑さや時間がかかるというデメリットも存在します。

特に、初診日を証明するための書類集めや、医師の診断書の取得は手間がかかることが多いため、専門家に相談することが重要です。適切に準備を進めることで、遡及請求の成功率を高めることができるでしょう。

＞＞当事務所に障害年金申請を依頼するメリット

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
６５歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

相談の現場で、最も耳にする言葉です。

障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。

ひとりで悩みを抱えず、まずは当センターにお気軽にご相談ください。
当センターは全力であなたに寄り添います。

無料相談を行っておりますので、是非ご利用ください。

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