高次脳機能障害は治るのか?治療や回復のプロセス、障害年金のご紹介

高次脳機能障害は治るのかという問いに対して、一般的には「完全に元通りに治ることは難しい」とされています。しかし、リハビリや治療を通じて、症状を軽減させたり、生活の質を向上させることは可能です。

ここでは、高次脳機能障害の治療や回復のプロセス、そして日常生活における改善方法について説明します。

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、脳の一部が損傷を受けることで、記憶や注意力、判断力、感情のコントロールなど、日常生活に欠かせない認知機能に支障をきたす状態です。主な原因としては、脳梗塞や脳出血、頭部外傷などがあります。

これらの障害は、事故や病気などによって脳にダメージが生じるため、どの部分が損傷を受けたかによって症状や重症度が異なります。

高次脳機能障害の治療の可能性

高次脳機能障害の治療は、損傷を受けた脳の部位やダメージの程度に大きく依存します。脳の神経細胞は一度損傷を受けると完全に元に戻ることは難しいですが、脳には「可塑性」と呼ばれる性質があり、損傷を受けた部位の機能を他の部分が代わりに担うことがあります。

このため、適切なリハビリを通じて、失われた機能の一部を回復させることが可能です。

リハビリの重要性

高次脳機能障害の治療で最も重要なのはリハビリです。リハビリテーションには、記憶力や注意力のトレーニング、日常生活における問題解決能力の向上を図るアプローチがあります。専門家と共に取り組むことで、脳が新しい回路を形成し、損傷を補完するための適応力が高まることが期待されます。

また、作業療法士や言語聴覚士、理学療法士など、様々な専門職が連携して、個々の患者に合わせたリハビリプランを作成します。早期からのリハビリは特に効果が高いとされ、適切なリハビリを継続することで、症状の改善や生活の自立が期待できます。

回復の限界と長期的な支援

ただし、高次脳機能障害の回復には限界があります。特に重度の障害を持つ場合、日常生活の完全な自立は難しいこともあります。しかし、介護や支援を受けながら、自分のできる範囲で生活を営むことは可能です。

また、家族や周囲のサポートも非常に重要です。家族が障害に対する正しい理解を持ち、患者にとって負担の少ない環境を整えることで、社会復帰へのステップを助けることができます。さらに、カウンセリングやメンタルヘルスケアも併せて行うことで、患者の心理的な安定を図ることが大切です。

社会復帰への道

高次脳機能障害を抱える人々が社会復帰するためには、本人の努力だけでなく、周囲の理解とサポートが不可欠です。リハビリや支援を受けつつ、徐々に日常生活に戻っていくことが目標となります。場合によっては、障害を持ちながらも働くことが可能な職場に就くことも考えられます。このような場合、雇用者側の理解や職場の環境調整が重要となります。

近年では、障害者雇用を支援する制度やプログラムが整備されており、特に認知機能に問題を抱える人でも適した仕事に従事できる環境が広がっています。また、地域の支援サービスやリハビリセンターを活用することで、長期的に安定した生活を送ることができる可能性が高まります。

まとめ

高次脳機能障害は、完全に治ることが難しい場合が多いですが、適切な治療やリハビリを通じて症状の改善や生活の質の向上が期待できます。脳の可塑性を利用し、リハビリを継続することで、失われた機能を少しでも取り戻すことが目指されます。

また、周囲の理解やサポート、長期的なケアが、患者の生活の質を向上させる重要な要素となります。

高次脳機能障害の障害年金受給事例

高次脳機能障害は障害年金の対象となります。

愛媛・松山障害年金相談センターは障害年金の申請代行のお手伝いをしています。
当センターは高次脳機能障害についてたくさんの受給事例があります。

>>交通事故の後遺症により高次脳機能障害で障害厚生年金2級を取得、年間139万円を受給できたケース

>>薬品吸入による高次脳機能障害で障害厚生年金2級を取得、年間約162万円を受給できたケース

>>通勤中にバイク転倒、高次脳機能障害になり退職。障碍者雇用も難しくなり障害厚生年金2級が決定した事例

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

>>障害年金の受給額について

>>障害年金申請めんどくさいと思っている方へ 面倒な障害年金の申請は社会保険労務士へ

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

>>障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる1分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

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