ミトコンドリア脳筋症とは?原因・症状・障害年金の全知識をわかりやすく解説

ミトコンドリア脳筋症とは、細胞のエネルギー生産に欠かせない「ミトコンドリア」の異常によって、特に脳や筋肉などの高エネルギーを必要とする組織に障害が出る病気です。先天性の遺伝子異常が主な原因とされ、進行性かつ多様な症状を伴うことから、患者の日常生活や労働能力に大きな影響を及ぼすことがあります。

本記事では、ミトコンドリア脳筋症の原因、症状、そして障害年金との関係についてわかりやすく解説します。

目次

原因:エネルギー生産の異常による進行性疾患

ミトコンドリア脳筋症は、細胞内の小器官であるミトコンドリアの機能不全によって引き起こされる疾患です。ミトコンドリアは体内のエネルギー(ATP)を作り出す役割を担っていますが、この働きがうまくいかなくなると、特にエネルギー消費の多い脳や筋肉が深刻なダメージを受けます。

多くの場合、原因はミトコンドリアDNAまたは核DNAに存在する遺伝子の変異です。これにより、エネルギー代謝が正常に機能せず、酸素を利用したATP生成が妨げられます。結果として、筋力の低下、神経症状、内臓障害などが現れることになります。なお、発症の時期や重症度、進行のスピードには個人差が大きく、同じ病名でも症状がまったく異なるケースもあります。

症状:筋肉・神経・臓器まで多岐にわたる障害

ミトコンドリア脳筋症の症状は非常に多様で、かつ複数の臓器や機能に同時に影響を及ぼすことが特徴です。代表的な症状には以下のようなものがあります。

  • 筋力低下や筋肉の萎縮
  • 全身倦怠感、極度の疲労
  • 歩行困難、手足のしびれ
  • 複視や視野障害などの視覚症状
  • 難聴、聴力低下
  • 記憶力の低下、認知機能障害
  • てんかんや脳卒中様発作
  • 心筋症、不整脈などの心疾患
  • 糖尿病、腎機能障害、肝機能障害

特に問題となるのは、こうした症状が進行性である点です。最初は疲れやすい程度だった症状が、次第に日常生活に支障をきたし、最終的には介助なしでは生活できなくなる場合もあります。発症年齢も乳幼児期から成人までさまざまであり、早期発見と適切な対応が重要です。

障害年金の対象になるのか?

ミトコンドリア脳筋症の患者が、日常生活において常時介助を要する、あるいは就労が困難な状態にある場合、障害年金の受給対象となります。障害年金は、国民年金または厚生年金に加入している人が、病気やけがによって生活や仕事に著しい支障をきたした際に支給される公的給付です。

障害年金には、障害基礎年金(1級・2級)と障害厚生年金(1級~3級)があります。ミトコンドリア脳筋症のように、筋力や視力、聴力、神経機能などに多岐にわたる障害がある場合は、それぞれの障害を評価し、併合認定として等級が判断されることもあります。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

申請時に押さえるべきポイント

障害年金の申請にあたっては、いくつかの重要なポイントを確認しておく必要があります。

初診日の証明

初めて病院で診察を受けた日(初診日)が証明できることが必須です。カルテや診療記録が残っていない場合でも、受診状況等証明書などで補完できるケースがあります。

保険料納付要件

初診日の前日時点で、一定期間、年金保険料を納めている必要があります。未納が多いと申請が通らない場合があるため、注意が必要です。

診断書の内容

主治医に作成してもらう診断書には、現在の症状、日常生活への支障、就労状況などを具体的に記載してもらうことが重要です。複数の症状がある場合、それぞれの影響を明確に伝えましょう。

日常生活の記録を残す

実際の生活でどのような困難があるか(例:入浴や着替えに介助が必要、通勤ができないなど)を日記やメモで記録し、それを診断書作成時に参考資料として医師に共有するのが有効です。

実際に受給できたケースも多数存在

ミトコンドリア脳筋症で障害年金を受給できた事例は多数あります。たとえば、歩行困難と視覚障害、聴覚障害を伴うケースで2級の認定を受けた例、脳機能の低下が著しく1級となった例などが報告されています。

また、就労制限や通院負担を考慮し、3級が認定されるケースも少なくありません。

まとめ:制度を活用して生活の質を保つ

ミトコンドリア脳筋症は、目に見えにくく理解されにくい病気でありながら、患者本人にとっては日々の生活に深刻な支障をきたす難病です。進行性で多様な症状を伴うこの病気に対して、障害年金は大きな支援となり得ます。

正しい知識を持ち、早めに申請準備を始めることで、経済的な不安を軽減し、安心して治療や生活支援に専念することができます。自分の症状や生活状況にあわせて、適切な等級での申請を目指しましょう。専門家への相談も選択肢の一つです。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

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