障害年金の未支給年金とは?遺族が知っておくべき請求方法と注意点を徹底解説

障害年金を受け取っていた方が亡くなったとき、その方が本来受け取るはずだった年金のうち、まだ支払われていない分がある場合、それは「未支給年金」として遺族が受け取ることができます。しかし、誰が請求できるのか、どんな書類が必要なのか、期限はあるのかなど、手続きには複雑なルールがあります。

この記事では、障害年金における未支給年金の基本から具体的な請求方法、注意点までをわかりやすく解説します。

目次

未支給年金とは?障害年金にも適用される制度

未支給年金とは、年金受給者が亡くなった際に、その死亡月までに支払われるべき年金のうち、まだ実際には支払われていない分を指します。障害年金もその対象です。

障害年金は偶数月に2か月分ずつ支払われるため、たとえば4月に受給者が亡くなった場合、3月と4月分の年金がまだ未支給である可能性があります。このような年金は、一定の条件を満たした遺族が「未支給年金」として請求することができます。

請求できる遺族の範囲と優先順位

未支給年金を請求できるのは、亡くなった方と「生計を同じにしていた遺族」に限られます。ここでの「生計同一」とは、必ずしも同居している必要はなく、別居していても生活費の援助をしていたり、定期的な連絡や交流があったりする場合でも認められます。

請求できる遺族の優先順位は以下の通りです。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. その他の三親等内の親族

同順位の遺族が複数いる場合は、その中から1名が代表して請求します。また、請求には「生計同一の証明」が必要で、戸籍や住民票、送金記録などが求められる場合があります。

障害認定日請求と未支給年金の関係

障害年金には、「障害認定日請求」と「事後重症請求」の2種類の申請方法があります。亡くなった方が生前に障害認定日請求を行っていた、またはその条件を満たしていた場合は、遺族が未支給年金を請求することが可能です。

一方で、「事後重症請求」は原則として本人が生存中に行う必要があるため、亡くなった後に新たに請求することはできません。したがって、未支給年金を受け取るには、亡くなった時点ですでに受給権が確定していることが重要です。

請求手続きの流れと必要書類

未支給年金を請求するためには、以下のような手続きと書類の提出が必要です。

【主な必要書類】

  • 受給権者死亡届(報告書)
  • 故人の年金証書または基礎年金番号通知書
  • 死亡を証明する書類(戸籍謄本、住民票除票など)
  • 請求者との関係を証明する書類(戸籍謄本など)
  • 生計同一を証明する書類(住民票、送金記録、扶養控除の証明など)
  • 請求者の身分証明書
  • 振込先の金融機関情報

手続きは、市区町村の役所または年金事務所、街角の年金相談センターで行います。提出先は、年金の種類(国民年金か厚生年金か)によって異なる場合があるので、事前に確認することをおすすめします。

マイナンバーが事前に登録されている場合、一部の書類提出が省略されることもあります。

時効に注意!請求は5年以内に

未支給年金の請求には「時効」があり、支給対象月の翌月初日から5年以内に請求しなければなりません。たとえば、2020年4月分の年金については、2025年5月1日までに請求を完了しなければならないということです。

この時効を過ぎてしまうと、たとえ本来受け取る権利があっても、未支給年金は受け取れなくなります。したがって、遺族の方はできるだけ早く手続きを行うことが重要です。

税務上の扱いと確定申告の必要性

未支給年金は、相続財産としては扱われません。つまり、相続税の対象にはなりませんが、税法上は「一時所得」として扱われます。

受け取った未支給年金の額が50万円を超える場合、その超えた分については確定申告が必要となります。たとえば、60万円の未支給年金を受け取った場合、10万円分が一時所得として課税対象になります。ただし、実際に税金がかかるかどうかは、その人の他の所得や控除額によって異なります。

まとめ:未支給年金の正しい理解と早めの準備がカギ

障害年金の未支給年金は、故人が本来受け取るはずだった大切なお金です。請求できるのは生計を同じにしていた遺族に限られ、書類の準備や手続きの流れには注意が必要です。さらに、時効や税務上の取り扱いについても正しく理解しておくことで、損をせず確実に受け取ることができます。

大切な人を失った後の手続きは精神的にも大変ですが、未支給年金の請求は「権利」であり、しっかりと申請することで生活の支えにもなります。ぜひ早めに情報を集め、適切に対応していきましょう。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

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