網膜色素変性症の見え方とは?症状の進行と生活への影響をわかりやすく解説

網膜色素変性症は、視野が徐々に狭くなる進行性の目の病気です。初期には暗い場所で見えにくくなる「夜盲」が現れ、やがて周辺の視野が失われていきます。

この記事では、症状の進行とともにどのように「見え方」が変わっていくのかをイメージしやすく解説します。さらに、視覚障害者手帳の取得や福祉制度についても紹介します。

目次

夜盲から始まる初期症状

網膜色素変性症の初期に多く現れるのが「夜盲」です。暗い場所や夕方以降に視界が極端に悪くなり、物の輪郭が見えにくくなります。

明るい場所から暗い場所に移ったときに目が順応しにくく、動くのが不安になることもあります。特に夜道の歩行や車の運転などで困難を感じるケースが多く見られます。

周辺から見えなくなる「視野狭窄」

夜盲に続いて現れるのが「視野狭窄(しやきょうさく)」です。視界の端が徐々に見えなくなり、視野がトンネルのように狭くなっていきます。

これにより、周囲の人や障害物に気づきにくくなり、ぶつかりやすくなるなどの危険があります。特に人混みや狭い通路では移動が難しくなります。

進行による視力の低下とその影響

進行すると、中心視野にも影響が及び、視力そのものが低下していきます。初めは小さな文字が読みにくくなり、次第に人の顔や標識も見づらくなることがあります。

視力の低下は仕事や勉強、家庭内の作業に大きな影響を与えますが、視野の狭窄と違って気づくのが遅れることもあります。

色の見分けや光の感じ方も変わる

網膜色素変性症は、色覚にも影響を与えることがあります。特に青系の色が見えにくくなったり、色の違いが分かりにくくなったりします。

また、まぶしさに敏感になる「羞明(しゅうめい)」や、光がちらつく「光幻視」といった症状も出る場合があります。屋外ではサングラスや遮光眼鏡が有効です。

日常生活に現れる見え方の変化

病気の進行によって、物を落としたときに見つけにくい、足元の段差につまずく、人にぶつかるなどの困難が日常的に増えていきます。

暗い部屋で電気のスイッチを探すのに時間がかかる、文字が読めなくなるなど、「ちょっと不便だな」と感じる場面が積み重なり、大きなストレスとなることもあります。

進行速度には個人差がある

網膜色素変性症は遺伝性の病気であり、発症年齢や進行の速度には個人差があります。ゆっくりと進行する人もいれば、数年で急激に視野が狭まるケースもあります。

中心視力が長く保たれる人もおり、一律に「失明する」とは限りません。定期的な視野検査や視力検査が大切です。

障害者手帳の取得について

網膜色素変性症の進行により、視野や視力が一定の基準を下回ると「視覚障害者手帳(身体障害者手帳)」の交付対象になります。

視野の狭窄が進んだ場合や視力が著しく低下した場合に申請が可能です。手帳の等級は症状の重さに応じて1級から6級まで分かれており、交付されると次のような支援が受けられます:

  • 医療費の助成
  • 補装具(拡大読書器、音声機器など)の給付
  • 公共交通機関の割引
  • 所得税・住民税の控除
  • 就労・職業訓練支援

手帳の申請は、かかりつけの眼科医の診断書をもとに市区町村の障害福祉窓口で行います。自立支援や生活の幅を広げるためにも、症状に応じた早めの相談が勧められます。

網膜色素変性症と障害年金

網膜色素変性症は視野狭窄や視力低下などの症状が進むと、日常生活や仕事に大きな支障をきたします。症状が一定以上であれば、「障害年金」を受給できる可能性があります。

障害年金は、視力が0.05以下、または視野が10度以内などの状態で認定され、1級または2級が主な対象です。視力よりも視野の障害が重視されるため、中心が見えていてもトンネル視のような状態でも認定されることがあります。

申請には、初診日の証明と年金保険料の納付要件を満たす必要があります。また、眼科医の診断書や初診日を証明する書類も重要です。書類作成は複雑なため、年金事務所や社会保険労務士に相談するとスムーズです。

障害年金は、進行性の視覚障害と向き合う上で、生活支援の大きな助けになります。症状が進んできたと感じたら、早めに申請を検討することが大切です。

生活上の工夫と補助機器の活用

見えにくさを補うために、日常生活での工夫も重要です。たとえば部屋の照明を明るくする、段差や階段に色をつける、音声読み上げ機能付きのスマートフォンや拡大鏡を利用するなど、視覚補助機器が多く存在します。

視覚リハビリテーションやロービジョン外来を活用すれば、より快適な生活を実現しやすくなります。

まとめ:早期の気づきとサポートで自立した生活を

網膜色素変性症は、進行性の視覚障害ですが、早期の気づきと適切な対応で、生活の質を大きく保つことができます。

視野や視力の変化に気づいたら、眼科での検査を受け、必要であれば障害者手帳の取得や補助制度の活用を検討しましょう。情報と支援を得ながら、自分らしい生活を築いていくことが可能です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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