

2024年度に入り、障害年金の不支給判定が急増していることが報じられました。これを受けて、学者や弁護士、社会保険労務士らで構成される「障害年金法研究会」(代表・橋本宏子神奈川大名誉教授)は、5月7日、政府に対し判定方法の見直しを求める声明を発表しました。
これは、多くの障害者が生活の支えとして必要とする障害年金が適切に支給されるよう、現行制度の改善を求める重要な提言です。
現在の障害年金判定の問題点
障害年金は、申請者の障害の程度や日常生活への影響に基づき支給の可否が判断されます。しかし、現行の判定方法には大きな課題があります。現状では、申請者が提出する診断書や書類を日本年金機構の判定医が単独で審査する仕組みが基本です。
この方法には以下のような問題が指摘されています。
客観性の欠如
単独の判定医が判断を行うため、その主観が大きく影響しやすい
多様な障害への対応不足
精神疾患や見えにくい障害が適切に評価されにくい
生活実態の反映が困難
診断書だけでは日常生活の困難さが十分に反映されない場合がある
研究会が求める改善案
こうした課題に対して、障害年金法研究会は以下のような具体的な改善策を求めています。
訪問調査の導入
申請者が希望する場合、自宅や施設での生活状況を直接確認
多職種合議制の導入
医師に限らず、看護師や福祉関係者などがチームで判定
迅速かつ透明な審査
申請から支給決定までの過程を明確にし、遅延を防ぐ
これにより、申請者の実際の生活状況がより正確に反映され、公平な支給判定が期待されます。
政府への改善要請と今後の見通し
研究会はまた、これらの改善を実現するため、厚生労働省に対し5月中に話し合いの場を設けるよう正式に申し入れを行いました。今回の要請が実現すれば、障害年金制度全体の信頼性向上につながる可能性があります。
今後、政府がどのように対応するか、また実際にどのような改革が行われるのかが注目されます。障害年金は、障害を抱える人々にとって生活の基盤であり、その適切な運用は社会全体の安定にも直結する重要な問題です。
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