傷病手当もらわない方がいい?傷病手当金と障害年金の関係について

傷病手当金と障害年金の受給に関しては、どちらを優先的に受け取るべきか迷うことがあるかもしれませんが、それぞれの制度の特性や受給条件、金額などを理解しておくことが重要です。

この記事では、傷病手当金をもらわない方がいいと言われる理由や障害年金との関係について詳しく解説します。

傷病手当金とは

傷病手当金は、健康保険に加入している人が病気やケガで働けなくなったときに受け取れる給付金です。これは会社からの給料が減少した際の生活支援を目的としています。具体的には、最長で1年6ヶ月間、給与の3分の2相当の金額が支給されます。

ただし、傷病手当金はあくまで短期間の収入補填であり、永久的なものではありません。また、支給には「病気やケガによって仕事ができない状態であること」が条件となるため、ある程度の回復が見込まれた段階で支給が打ち切られます。

障害年金とは

一方、障害年金は、病気やケガが原因で障害が残り、日常生活や仕事に支障をきたす場合に支給される年金です。国民年金や厚生年金の加入者が対象で、障害の程度によって支給される金額や期間が異なります。

障害年金は、障害の程度が改善しない限り、長期間にわたり支給されるため、長期的な生活のサポートを目的とした制度です。また、障害年金は、障害者としての生活や医療費の負担軽減に重要な役割を果たします。

傷病手当金と障害年金の併給はできない

傷病手当金と障害年金は、基本的には併給ができません。つまり、同時に両方を受け取ることはできないというルールがあるため、どちらかを選択する必要があります。このため、「傷病手当金をもらわない方がいい」というアドバイスがしばしば見られるのです。

例えば、傷病手当金をもらっている期間中に障害年金の受給資格が得られた場合、傷病手当金が優先されます。そのため、障害年金の受給が遅れる可能性があります。特に、障害年金は長期的な支援が目的であるため、長い目で見れば、障害年金を早めに受け取る方が得策となることが多いです。

傷病手当金をもらわない方が良いと言われる理由

傷病手当金をもらわない方が良いと言われる理由は主に以下の点にあります。

障害年金の方が長期的な支援を受けられる

障害年金は、傷病手当金とは異なり、障害が続く限り受け取れるため、長期的な生活支援を考えると有利です。一方、傷病手当金は最長1年6ヶ月の制限があるため、将来的な不安を抱えることがあります。

障害年金が支給されるタイミングを逃す可能性がある

傷病手当金を先に受け取ってしまうと、その期間中に障害年金の申請や支給が遅れることがあります。障害年金は早めに手続きを進めることで、将来的な安定した収入を得やすくなるため、優先して検討すべきです。

金額の違い

障害年金の支給額は障害の等級によって異なりますが、傷病手当金と比較しても同等か、それ以上の金額が期待できることがあります。特に、障害年金は障害者手帳の等級によっては追加の支援が受けられる場合もあり、総合的な生活支援が得られます。

傷病手当金を選択する場合の注意点

もちろん、すべてのケースで傷病手当金を避けるべきとは限りません。短期間で回復が見込まれる場合や、障害年金の受給が難しいケースでは、傷病手当金が重要な生活支援となります。以下のような場合には、傷病手当金を選ぶことも検討すべきです。

障害年金の申請が却下された場合

障害年金は、障害の程度や医療機関の判断によっては申請が却下されることがあります。このような場合、傷病手当金が貴重な収入源となります。

回復の見込みがある場合

怪我や病気が一時的なものであり、回復して仕事に復帰できる見込みがある場合には、傷病手当金を利用して短期的な収入の補填を行うことが適切です。

最後に

傷病手当金と障害年金の選択は、個々の状況によって異なります。どちらを選ぶかは、将来的な生活設計や医師の診断、個人の健康状態を踏まえた判断が必要です。長期的な生活支援が必要な場合には、障害年金の申請を早めに進めることが推奨されますが、短期的な収入補填が必要な場合には、傷病手当金も選択肢として検討する価値があります。

いずれにせよ、専門家(社会保険労務士など)に相談し、最適な選択をすることが重要です。

>>障害年金申請めんどくさいと思っている方へ 面倒な障害年金の申請は社会保険労務士へ

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

>>障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

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目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

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