肥満低換気症候群の原因・症状・障害年金|3級認定の可能性と申請のポイント

肥満低換気症候群(Obesity Hypoventilation Syndrome: OHS)は、BMIが高く呼吸機能が低下し、睡眠時だけでなく日中にも二酸化炭素が十分排出されないことで引き起こされる病態です。深い睡眠障害・日中の眠気・呼吸困難などがあり、重症例では在宅酸素療法や補助呼吸器が必要になることがあります。

こうした状態が継続し、日常生活や就労に著しい制限をもたらすなら、厚生年金の障害年金3級が認定される可能性があります。

以下で、原因・典型的な症状・障害年金申請で重要なポイントを詳しく見ていきます。

肥満低換気症候群とは何か:発症のメカニズムと条件

肥満低換気症候群(OHS)は、肥満を背景として、呼吸器系が十分に機能せず肺胞でのガス交換が不十分になる状態を指します。まず肥満があることで、胸壁や腹部に過剰な脂肪がつくと、横隔膜など呼吸を担う筋肉の動きが制限されます。また、上気道(のどまわり)の軟部組織が肥大し、睡眠時無呼吸を併発することが多く、空気の通りが悪くなります。

これらに加えて、呼吸中枢の調節機能の異常やレプチン抵抗性(呼吸刺激を促すホルモンの作用低下)が関与する場合もあります。診断には、肥満(BMI30以上などの基準)、睡眠呼吸障害、高炭酸ガス血症(PaCO₂の上昇)、日中の傾眠など、いくつかの条件を満たす必要があります。

主な症状と生活への影響

肥満低換気症候群の症状は徐々に進行することが多く、以下のようなものが典型的です。睡眠中のいびきや無呼吸、呼吸の浅さなどがあり、ポリソムノグラフィー(睡眠検査)で無呼吸低呼吸指数(AHI)が重度に達することがあります。

日中には強い眠気、起床時の頭痛、動いたときの息切れ、胸部の圧迫感、肥満による身体の動きにくさが目立ちます。また、右心負荷や浮腫(むくみ)が出ることもあり、酸素飽和度が低下する場面が増えてきます。

重症例になると、在宅酸素療法や補助呼吸器(CPAP, BiPAP等)を用いる必要が生じ、外出や仕事に制限が出ます。これらの影響が日常生活・家庭生活・職場での機能に及び、「どこまで自分・他の人の助けを必要とするか」が生活の質を大きく左右します。

障害年金制度における呼吸器疾患の扱いと3級認定の可能性

日本の障害年金制度では、呼吸器疾患は「内部障害」に含まれており、呼吸機能が一定水準以下で日常生活に支障がある場合、認定対象となります。肥満低換気症候群もこの呼吸器疾患の枠組みで審査されます。

厚生年金加入者であれば、3級は「労働能力が制限されており、通常業務が困難であるが、全面的な介助を要する状態ではない」といった程度の障害があるときに認定される等級です。他の等級(2級・1級)に比べて認定要件が軽めですが、それでも症状の重さ・治療の履歴・検査データなどがしっかりそろっていることが必要です。

3級認定のための具体的条件とチェックポイント

肥満低換気症候群で厚生年金3級が認定されるためには、以下のような条件がそろっていることが望ましいです。

継続性のある呼吸機能障害

日常的に呼吸が不十分であることが検査で確認できる。動脈血ガス分析値、高 PaCO₂ 値、酸素飽和度の低下、睡眠時の無呼吸‐低呼吸指数が重度であること。

治療歴の有無とその影響

CPAPや在宅酸素療法、呼吸補助器具等を使用しているか、またその治療をしても改善が限定的で日常生活に制限があること。

日常生活・就労への制限の具体性

外出や通勤が難しい、歩行時の息切れや疲労が強い、階段昇降困難、衣服の着脱や家事がかなり制約されているなど、実際にどの程度支援や時間を要するかがはっきりしていること。

初診日・保険料納付要件

初診日(最初にこの病気として診察を受けた日)が明確であること。厚生年金に加入していた期間・保険料を納めていた期間が要件を満たしていること。

診断書と検査データの充実

主治医に呼吸器の検査成績(血液ガス分析・肺機能検査・睡眠検査など)、治療内容と服薬・器具使用状況、生活での息苦しさ・運動制限・補助具使用などを詳述してもらう。

注意点と申請準備のコツ

3級申請を目指すうえで注意すべき点があります。まず、症状の改善があれば「社会的治癒」と判断され、不支給または等級が下がる場合があります。治療を継続していても改善度によっては等級認定が厳しくなることがあります。

また、初診日の記録が不十分だったり、検査データ・画像・通院記録・治療歴などの証明書類が揃っていないと審査で不利になることがあります。診断書の記載漏れがあると返戻(やり直し)になることもあります。

自治体の福祉制度や難病制度・医療助成制度とあわせて準備することで、給付・助成を多角的に活用できるようになります。

まとめ:制度を活用して生活の質を守る

肥満低換気症候群は、肥満+呼吸器障害+睡眠呼吸障害などが重なり、日常生活や就労に大きな影響を及ぼす可能性があります。重症で治療歴があり、呼吸機能検査で証明できる実態があるならば、厚生年金の障害年金3級の認定を目指す価値があります。

申請に挑む際は、医師と症状の具体性を共有し、必要な証拠を揃えることが第一歩です。専門家に相談しながら準備を進めていくことで、支援制度を最大限に活かし、暮らしを少しでも楽にできる可能性が高まります。

>>障害年金申請めんどくさいと思っている方へ 面倒な障害年金の申請は社会保険労務士へ

愛媛・松山障害年金相談センターでは障害年金の申請のお手伝いをしています。
お気軽にお問い合わせください。

>>当事務所に依頼するメリット

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

>>障害年金の基礎知識について

>>障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

>>障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる1分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

その他

悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状があります。
自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。

LINEで簡単にご相談できます。

LINEをお使いのお方はLINEを使って簡単にご相談することができます。

当事務所に依頼するメリット

障害年金はご自身で申請することができます。
ご自身で障害年金を申請する場合は多くのハードルがあります。

なぜ当事務所に依頼した方がいいのか依頼するメリットについて解説します。

【四国地域対応可能】障害年金のことについて無料相談しませんか?

まずはお電話かメールで「無料相談のご予約」をしてください。

【電話でのお問い合わせ】
TEL 089-907-3797
スマホの場合は電話のアイコンをタップしてもらえれば直接つながります。

【メールでのお問い合わせ】
メールでお問い合わせはこちらからお問い合わせください。
>>メールでのお問い合わせ

当センターは、お客様の障害年金に関わるすべてのお悩みにお応えさせていただきます。 特にその中でもお客様が受給できる可能性のある年金に関して丁寧にアドバイスを行います。

相談をする前に障害年金に該当しているかどうか診断することもできます。
>>障害年金が受給できるかどうか分かる「1分間受給判定」

1分間受給判定をした後には後日こちらから診断判定をお知らせいたします。

障害年金相談にあたり、相談内容について専門家としてお答えいたします。
責任を持ったお答えのためには信頼関係が必要です。
下記の項目を最初にお聞きいたしますのでご用意いただけますよう、お願いいたします。

【必須項目】
(1)お名前、(2)生年月日(年齢)、(3)電話番号、(4)住所
【ご自身でわかる場合】
(5)初診日(医療機関に初めて受診した日)、 (6)加入年金制度の種類と加入状況、(7)傷病名(診断傷病名)

対応エリア(四国地域対応可能)

愛媛県

松山市今治市宇和島市八幡浜市新居浜市西条市大洲市伊予市四国中央市西予市東温市越智郡上島町上浮穴郡久万高原町松前町砥部町喜多郡内子町西宇和郡伊方町松野町鬼北町愛南町

香川県

高松市丸亀市坂出市善通寺市観音寺市さぬき市東かがわ市三豊市土庄町小豆島町三木町直島町宇多津町綾川町琴平町多度津町まんのう町

高知県

高知市室戸市安芸市南国市土佐市須崎市宿毛市土佐清水市四万十市香南市香美市東洋町奈半利町田野町安田町北川村馬路村芸西村本山町大豊町土佐町大川村いの町仁淀川町中土佐町佐川町越知町檮原町日高村津野町四万十町大月町三原村黒潮町

徳島県

徳島市鳴門市小松島市阿南市吉野川市阿波市美馬市三好市勝浦町上勝町佐那河内村石井町神山町那賀町牟岐町美波町海陽町松茂町北島町藍住町板野町上板町つるぎ町東みよし町

LINEで簡単にご相談できます。

LINEをお使いのお方はLINEを使って簡単にご相談することができます。

お問合せフォーム

愛媛県はもちろん高知県、香川県、徳島県にお住いの方でも当センターにお越しになることなく電話やLINEのみで障害年金の申請のお手伝いをしています。
専門スタッフが丁寧にサポート。障害年金の申請方法でお悩みの方、距離を問わずお気軽にご相談ください。

「愛媛・松山障害年金相談センター」へのお問合せはこちらから

    お名前

    お住まい

    ※申し訳ありませんが、現在は四国地域のみの対応とさせていただいております。

    メールアドレス

    お電話番号

    年齢

    お問い合わせ内容

    無料相談を申し込みたい障害年金の質問がしたいその他

    ご相談内容

    ご入力の内容はこちらで宜しいでしょうか?

    今一度ご確認頂き、宜しければチェックを入れて送信ボタンをクリックして下さい。

     

    障害年金コラムの関連記事はこちら