

突発性基底核石灰化症は、脳内に異常な石灰沈着が生じる希少な疾患であり、その原因や症状は多様です。日常生活に大きな影響を及ぼすこともあり、障害年金の対象となる可能性もあります。
この記事では、この病気の原因や主な症状、そして障害年金の受給についてわかりやすく解説します。
脳に起こる異常な石灰化とは?
突発性基底核石灰化症は、主に大脳基底核、小脳、視床といった領域にカルシウムが異常に沈着する病気です。医学的には「特発性基底核石灰化症」や「ファール病(Fahr病)」とも呼ばれることがあり、石灰化によって神経機能に障害が生じ、運動障害や認知症様の症状が現れることもあります。
この疾患は遺伝性の要素が強く、近年では複数の原因遺伝子(SLC20A2、PDGFRB、PDGFB、XPR1、MYORGなど)が明らかにされており、家族内発症が見られることも少なくありません。一方で、石灰化があっても無症状で経過する例もあり、個人差が非常に大きい点が特徴です。
原因はどこにあるのか?
この病気の原因は、主に遺伝子異常による無機リンの代謝や輸送の障害と考えられています。中でもSLC20A2遺伝子の異常は、日本国内でも多くの患者に共通して見られるもので、リン酸の細胞内取り込みがうまくいかず、脳にカルシウムと結合した形で沈着してしまうのです。
また、副甲状腺機能低下症などの内分泌異常や、慢性腎不全、感染症などによって起こる「続発性石灰化」との鑑別も重要です。特発性と診断されるには、これらの原因がないことを確認する必要があります。
どのような症状が現れるのか?
症状の出方は非常に幅広く、軽度なものから重度な神経症状まで様々です。代表的な症状としては、以下のようなものがあります。
- パーキンソン様の運動障害(震え、筋硬直、動作緩慢)
- 不随意運動(舞踏運動やアテトーゼ)
- 小脳性の運動失調(ふらつき、手足の不器用さ)
- 認知機能の低下(記憶障害、遂行機能障害)
- 精神症状(幻覚、妄想、うつ状態)
- てんかん発作や頭痛
- 軽症あるいは無症状のまま偶然発見されるケース
これらの症状はゆっくり進行することが多く、特に高齢者では加齢による変化と混同されることもあるため、的確な診断が必要です。症状が進行すると、歩行や日常生活動作に支障をきたし、介助を要する場合も出てきます。
診断にはどのような検査が行われるのか?
診断には、まず頭部CT検査が行われ、石灰化の部位と程度を確認します。MRIでは石灰化の検出には限界があるため、CTが主に使用されます。加えて、血液検査で副甲状腺ホルモンやカルシウム、リン、マグネシウムなどの値を測定し、他の原因疾患を除外します。
さらに、家族歴がある場合や若年発症の場合には、遺伝子検査が推奨されることもあります。ただし、遺伝子検査はまだ一般的には実施されておらず、主に研究機関や専門施設で行われています。
治療法と日常生活への影響
現時点では、この病気を根本的に治す治療法は確立されていません。症状に対する対症療法が中心となり、パーキンソン症状に対してはドパミン作動薬、不随意運動に対しては抗精神病薬などが使われることがあります。認知機能低下や精神症状には、必要に応じて認知症薬や抗うつ薬、抗てんかん薬が使用されることもあります。
日常生活では、転倒防止のための歩行補助具や住宅環境の見直し、リハビリテーションなどが有効です。症状が進行すると介護が必要になる場合もあり、家族の支援や福祉サービスの利用も重要です。
障害年金の対象になるのか?
突発性基底核石灰化症は、厚生労働省の指定難病(告示番号27)に登録されています。難病患者であっても、症状が重く、日常生活や就労に支障をきたしている場合は、障害年金の対象となり得ます。
障害年金の受給には、次の条件を満たす必要があります。
- 初診日が年金加入期間中であること
- 障害の程度が等級(1~3級)に相当すること
- 診断書で日常生活の制限が明記されていること
- 一定期間、障害が継続していること
特に、運動障害や認知機能の低下が顕著であれば、障害等級2級や3級が認定される可能性があります。実際に、発達障害を併発していたケースで障害基礎年金2級が認定された例もあります。医師の診断書が重要な判断材料となるため、専門医による詳しい記載が必要です。
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そのため、障害年金の実績がある社会保険労務士(社労士)に相談することで、申請の成功率を高めることができます。病気の性質や症状を的確に伝えることができるよう、事前にメモや生活記録を準備しておくこともおすすめです。
まとめ:早期発見と支援の活用がカギ
突発性基底核石灰化症は、発症時期も症状も多様な難病です。進行性であることも多いため、症状を見逃さず早期に診断を受けることが重要です。また、障害年金制度や福祉サービスを上手に活用することで、本人と家族の負担を軽減することができます。
気になる症状がある方や診断を受けた方は、ぜひ医師や専門家と連携して、適切なサポートを受けましょう。
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