在宅酸素療法を受ける患者の方々にとって、日常生活を送る上で経済的な支援は非常に重要です。特に、酸素療法は慢性的な呼吸器疾患や重度の心臓病などで行われ、病状が進行している場合には生活が大きく制限されます。このような状況下で、障害年金の受給が生活の支えとなります。ここでは、在宅酸素療法を行っている患者が障害年金を受給する際の条件や手続きについて詳しく解説します。

在宅酸素療法と障害年金の対象となる病気

在宅酸素療法を必要とする疾患の多くは、慢性的な病状悪化によって日常生活が著しく困難になるものが含まれます。代表的なものとしては、肺気腫、肺線維症、COPD（慢性閉塞性肺疾患）、心不全などが挙げられます。これらの病気により酸素摂取能力が著しく低下し、自宅での酸素療法が必要と判断された場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の２種類があります。どちらも、病気やケガにより生活や仕事が困難になった場合に支給されるもので、在宅酸素療法を受ける患者もその対象です。ただし、受給には厳密な基準が設けられており、適切な申請が必要です。

障害年金の等級と在宅酸素療法の関連

在宅酸素療法を２４時間常に行い、軽作業以外の仕事が常に困難であると認められる場合、障害等級は３級に該当します。ただし、臨床症状や検査結果、具体的な日常生活状況によっては、より高い等級に認定されることもあります。

また、この場合の障害認定日は、在宅酸素療法を開始した日となります。

※ただし、初診日から１年6ヶ月以上が経過している場合は例外となります。

障害年金申請の手続き

障害年金を申請するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。まず、医師からの診断書が必要で、これには具体的な病状や酸素療法の必要性が記載されている必要があります。さらに、病歴やこれまでの治療歴、仕事や日常生活における制約についても詳細に記載された書類を提出します。

手続きの際には、市町村の年金事務所や社会保険労務士の支援を受けることが推奨されます。障害年金の申請は複雑な書類作成や医師との連携が必要であり、専門家の助言を受けることで、申請がスムーズに進むでしょう。

在宅酸素療法患者の生活と支援

在宅酸素療法を行っている患者の多くは、自由に外出できない、体力の低下により仕事ができないなどの問題を抱えています。障害年金を受給することで、経済的な不安が軽減され、必要な医療やケアに集中することができます。さらに、障害年金は医療費の一部を補助するための制度とも連携しているため、医療費負担が軽減される可能性もあります。

今後も在宅酸素療法を受ける患者が安心して生活を送るためには、障害年金制度をうまく活用し、適切な支援を受けることが重要です。酸素療法が必要な患者やその家族は、まずは年金事務所や専門家に相談し、自分の状況に合った支援を受けるための準備を進めましょう。

最後に、申請の際には病状の変化や新たな診断に応じて適宜申請内容を更新することが重要です。病状の進行や治療方針の変更に伴い、年金の等級が変わることもあるため、定期的に医師の診断を受け、必要な書類を整えておくと安心です。

在宅酸素療法と障害年金を併用することで、患者の生活の質を維持しながら、安心して治療を続ける環境を整えることができるでしょう。

愛媛・松山障害年金相談センターでは障害年金の無料相談も行っています。お気軽にお問い合わせください。

＞＞当事務所に依頼するメリット

受給事例

在宅酸素療法で障害年金を受給された方の受給事例をご紹介します。

＞＞びまん性汎細気管支炎で何度も入院しながら就労を続けてきた。在宅酸素療法により働くことが困難になり障害年金受給した事例

＞＞器質化肺炎・低換気症候群により在宅酸素療法のため退職。障害厚生年金3級が決定した事例

障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
６５歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

相談の現場で、最も耳にする言葉です。

障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。

ひとりで悩みを抱えず、まずは当センターにお気軽にご相談ください。
当センターは全力であなたに寄り添います。

無料相談を行っておりますので、是非ご利用ください。

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