同居人がいても障害年金はもらえる?不利になる誤解と本当の判断基準

障害年金を考えたとき、「同居人がいると受給できないのではないか」「一人暮らしでないと不利なのでは」と不安に感じる方は少なくありません。特に精神障害や発達障害の場合、同居人の存在が日常生活能力の評価にどう影響するのかは分かりにくいポイントです。

しかし、障害年金は同居人がいるかどうかだけで判断される制度ではありません。

本記事では、同居人と障害年金の関係、審査で見られるポイント、申請時の注意点について分かりやすく解説します。

目次

同居人がいると障害年金はもらえないのか

結論から言うと、同居人がいるだけで障害年金が不利になることはありません。
障害年金の審査では、「誰と住んでいるか」よりも、「本人の障害の状態」が重視されます。

そのため、家族と同居していても、友人や恋人などの同居人がいても、障害年金の申請や受給は可能です。

なぜ「同居人がいると不利」と思われがちなのか

同居人がいる場合、
「生活できている=障害が軽い」
「一人で暮らせていないなら自立しているのでは」
と誤解されることがあります。

特に精神障害の障害年金では、「日常生活能力」が評価項目に含まれるため、同居人の存在が過度に気にされがちです。しかし、実際には支援を受けながら生活しているかどうかが重要であり、同居している事実そのものが問題になるわけではありません。

障害年金で見られる「日常生活能力」とは

障害年金では、日常生活能力について次のような点が評価されます。

・食事、入浴、身だしなみを自力で行えるか
・金銭管理や服薬管理ができるか
・対人関係や社会的場面に対応できるか
・援助や配慮がどの程度必要か

同居人がいる場合でも、本人が一人でできない部分をどう補っているかが評価のポイントになります。

同居人=扶養者・介助者ではない

重要なのは、同居人は必ずしも扶養者や介助者ではないという点です。
家族と同居していても、実際には生活の多くを支援してもらっている場合もあれば、同居人がいても支援がほとんど受けられていないケースもあります。

審査では、
・実際にどんな支援を受けているか
・支援がなければ生活が成り立つか

といった実態が重視されます。

精神障害の場合、同居人の存在はどう見られるか

精神障害の障害年金では、「支援の必要性」が重要な評価ポイントになります。
同居人がいることで、次のような事情が考慮されることがあります。

・外出時の付き添いが必要
・対人対応を同居人が代わっている
・生活リズムの管理を支援してもらっている

これらは「できている」ではなく、「支援があるから何とか成り立っている」と評価されることがあります。

同居人がいる場合に不利になりやすい書き方

申請書類の書き方によっては、同居人がいることで誤解を招くことがあります。

例えば、
「同居人がすべて家事をしてくれるので問題ない」
「特に困っていることはない」

といった表現は、生活能力が高いと誤解されやすくなります。
実際には支援がなければ生活できない場合、その点を正確に書くことが重要です。

診断書で同居人についてどう書かれるか

診断書には、生活状況として「同居」「独居」が記載されることがあります。
しかし、これは参考情報に過ぎません。

重要なのは、
・日常生活でどの程度援助が必要か
・社会生活への適応状況

が、医師の所見として記載されているかどうかです。

病歴・就労状況等申立書で実態を伝える

同居人がいる場合こそ、病歴・就労状況等申立書が重要になります。

・同居人がいなければできないこと
・実際に支援を受けている内容
・一人では困難な場面

を具体的に書くことで、「同居=自立」と誤解されるのを防ぐことができます。

同居人がいるからこそ申請を諦めてしまうケース

実務上、「同居人がいるから無理だと思っていた」という相談は非常に多くあります。しかし、同居人がいることと障害年金の可否は直結しません。

むしろ、
・支援がなければ生活が維持できない
・社会生活が著しく制限されている

という状況があるなら、障害年金を検討すべきケースも多くあります。

専門家に相談するメリット

同居人がいる場合の障害年金申請は、書き方次第で評価が大きく変わることがあります。
専門家に相談することで、

・不利にならない表現の整理
・支援実態の適切な伝え方
・診断書依頼時のポイント

を整理することができます。

まとめ

同居人がいること自体は、障害年金の受給を妨げる理由にはなりません。
大切なのは、「誰と住んでいるか」ではなく、「どれだけ支援が必要な状態か」です。

同居人がいるからといって申請を諦めず、生活の実態を正しく伝えることで、適切な判断につながる可能性があります。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

>>呼吸器疾患の受給事例はこちら

循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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