
障害年金の申請や診断書を見ていると、「メッツ(METs)」や「運動強度」という言葉が出てきて戸惑う方は少なくありません。特に心臓病や呼吸器疾患などでは、「何メッツまでできるか」が障害年金の認定に影響することがあります。
しかし、メッツの数値だけを見て判断されるわけではなく、実際の生活や仕事への影響が重要です。
本記事では、メッツ運動強度の基本から、障害年金でどのように評価されるのかを分かりやすく解説します。
メッツ(METs)運動強度とは何か
メッツ(METs)とは、運動や活動の強さを表す指標です。
安静にしている状態を「1メッツ」とし、それを基準に、どの程度エネルギーを使うかを数値で表します。
例えば、
・安静に座る:1メッツ
・ゆっくり歩く:2〜3メッツ
・普通に歩く:3〜4メッツ
・階段を上る:5〜6メッツ
といった目安があります。
メッツが高いほど、体への負担が大きい活動になります。
なぜ障害年金でメッツが重視されるのか
障害年金では、「どの程度の活動まで耐えられるか」が重要な判断材料になります。
心疾患や呼吸器疾患では、見た目だけでは障害の重さが分かりにくいため、運動耐容能の指標としてメッツが使われます。
つまり、「どのくらい体を動かすと症状が出るのか」を客観的に示すための目安がメッツです。
メッツが使われる主な障害年金の分野
メッツ運動強度が特に重視されるのは、次のような障害です。
・心疾患(心不全、狭心症、心筋梗塞後など)
・呼吸器疾患(COPD、間質性肺炎など)
・内部障害全般
これらの疾患では、日常生活動作や労働時の負担を数値で評価する必要があります。
メッツの数値だけで等級が決まるわけではない
よくある誤解として、「何メッツ以下なら〇級」と機械的に決まると思われがちです。
しかし、障害年金はメッツの数値だけで判断される制度ではありません。
同じメッツ数値であっても、
・症状の頻度
・回復にかかる時間
・日常生活での制限
・就労への影響
などを総合的に見て判断されます。
メッツと日常生活の関係を具体的に考える
メッツは、日常生活の動作に置き換えて考えると理解しやすくなります。
例えば、
・3メッツ程度で息切れが出る場合
→ 普通に歩く、軽い家事でもつらい
・5メッツ以上が困難な場合
→ 階段昇降や少し早歩きができない
こうした状態が継続していると、日常生活や仕事に大きな制限が生じます。
障害等級とメッツの考え方
障害等級2級が検討されるケース
安静時は問題がなくても、軽い動作で強い症状が出て、日常生活に常に支障がある場合は、2級が検討されることがあります。
外出が困難で、身の回りのことにも援助が必要な状態が目安です。
障害等級3級が検討されるケース
日常生活はある程度可能でも、労働に著しい制限がある場合には、3級が検討されます。
軽作業や短時間勤務であっても、継続が難しいケースが該当します。
診断書におけるメッツの記載の重要性
障害年金の診断書では、
・何メッツ程度まで可能か
・その際にどのような症状が出るか
が記載されることがあります。
単に数値だけが書かれているよりも、「息切れ」「動悸」「胸痛」など、症状とセットで記載されていることが重要です。
病歴・就労状況等申立書で補足すべき点
診断書だけでは伝わりにくい部分は、病歴・就労状況等申立書で補足します。
・日常生活でできなくなった動作
・仕事で配慮が必要な点
・活動後の回復にどれくらい時間がかかるか
などを具体的に書くことで、メッツの数値が生活にどう影響しているかが伝わります。
メッツ評価で不支給になりやすいケース
メッツに関して次のようなケースでは、不利になることがあります。
・検査時は調子が良く、実態より高いメッツが記載された
・日常生活の困難さを申立書で補足していない
・症状の継続性が伝わっていない
「調子の良い日」だけを基準にすると、実態とズレが生じやすくなります。
メッツが分からなくても申請はできる
「自分が何メッツなのか分からない」という方も多いですが、心配はいりません。
メッツは医師が評価・記載するものであり、本人が数値を正確に理解していなくても申請は可能です。
大切なのは、日常生活や仕事でどんなことがつらいかを具体的に伝えることです。
まとめ
メッツ(METs)運動強度は、障害年金において心疾患や呼吸器疾患などの障害の重さを判断する重要な指標です。ただし、数値だけで機械的に決まるものではなく、生活や就労への影響を含めた総合評価が行われます。
診断書と申立書の内容を適切に整えることで、実態に合った認定につながる可能性があります。






















