扶養家族が障害年金を受給する際のポイント 扶養と障害年金の関係について

扶養家族が障害を負った場合でも、障害年金を受け取ることができる場合があります。ただし、受給には特定の条件があり、受給後も税金や社会保険料に関して注意すべき点がいくつかあります。

この記事では、扶養家族が障害年金を受給するための要件や、障害基礎年金に該当するケース、さらに受給後の注意点について詳しく解説します。

目次

扶養家族が受け取る障害年金は「障害基礎年金」になる

扶養家族が障害年金を受け取る際、その年金は基本的に「障害基礎年金」となります。これは、第3号被保険者として国民年金に加入していると見なされるためです。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類がありますが、扶養家族である第3号被保険者の場合は、障害基礎年金のみが支給対象となります。障害厚生年金は厚生年金保険に加入している人が対象であるため、第3号被保険者は該当しません。この点を理解したうえで、必要な受給条件を確認していきましょう。

障害年金を受給するための3つの要件

障害年金を受給するには、次の3つの要件を満たす必要があります。

1. 初診日要件

初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師の診察を受けた日を指します。初診日の時点で、公的年金制度に加入していることが受給の基本条件です。扶養家族の場合、第3号被保険者として国民年金に加入していると見なされるため、初診日に国民年金に加入している状態がクリアされます。

2. 保険料納付要件

初診日以前に、一定期間保険料を納付しているか、免除されていることが条件です。具体的には、初診日のある月の前々月までの期間で3分の2以上の保険料を納付または免除されていれば問題ありません。第3号被保険者であれば、保険料は支払わずに納付済みと見なされるため、この条件もクリアしやすくなっています。

3. 障害状態該当要件

障害年金の受給には、障害の状態が一定の基準を満たしている必要があります。これは、障害の種類や程度、日常生活における困難の度合いによって異なります。障害等級が1級または2級に該当する場合、障害基礎年金の支給対象となります。

第3号被保険者とは?扶養家族と障害年金の関係

第3号被保険者は、厚生年金に加入している配偶者の扶養に入っている人を指します。年収が130万円未満で、20歳以上60歳未満の人が該当します。配偶者が事実婚であっても、扶養者として認められるケースがあります。

この第3号被保険者制度により、扶養されている家族は自ら保険料を支払うことなく、国民年金に加入したと見なされるため、障害年金の保険料納付要件も満たされやすい仕組みになっています。

障害基礎年金の受給と扶養の関係 – 受給後も扶養に入れるか?

障害年金を受け取り始めた場合、「扶養から外れてしまうのでは?」と心配される方も多いでしょう。障害年金受給後も、税法上および社会保険上の扶養に引き続き入れるかどうかを解説します。

税法上の扶養は継続できる

税法上、障害年金は非課税所得です。そのため、障害年金のみの収入であれば扶養から外れることはありません。しかし、他に給与所得がある場合、収入が103万円(または配偶者の場合は150万円)を超えると、税法上の扶養から外れる可能性があります。

社会保険上の扶養は収入次第

社会保険上の扶養は、収入が180万円未満であれば継続可能です。障害年金と他の収入を合わせた額が180万円を超えると、扶養から外れるため、その場合は国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。

障害年金を受給後、社会保険料負担を軽減する方法

障害年金受給後も、収入次第では扶養を継続できますが、場合によっては社会保険料の負担が増える可能性があります。このような場合には、以下の制度を活用して負担を軽減することができます。

1. 障害等級1級・2級なら国民年金保険料が免除される

障害等級が1級または2級に該当する場合、「法定免除」により国民年金保険料が全額免除されます。この免除を受けることで、障害年金受給後の保険料負担を抑えることができます。

2. 障害者控除で税負担を軽減

障害年金を受給している場合、障害者控除の適用が受けられます。この控除により、所得税や住民税の負担を軽減することができます。控除額は、障害の程度に応じて異なり、特別障害者に該当する場合には最大75万円の控除が適用されます。

障害者控除の適用基準

障害者控除は、「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」の3つの区分に分けられており、控除額が異なります。障害の程度や生活状況に応じて控除が適用されるため、正確に判定する必要があります。たとえば、同居している特別障害者の場合、最大で75万円の控除を受けることが可能です。

まとめ

扶養家族が障害年金を受給するためには、初診日要件、保険料納付要件、障害状態該当要件の3つの要件を満たす必要があります。特に扶養家族である第3号被保険者は、保険料を直接支払っていなくても受給要件を満たすことが多く、障害基礎年金の支給対象となります。

受給後も税法上や社会保険上の扶養に入ることが可能ですが、収入が増えると社会保険の扶養から外れるリスクがあるため、収入と支出のバランスを慎重に計算する必要があります。扶養の範囲内で働く場合や、障害年金の受給と社会保険料の負担を考慮する際には、この記事の内容を参考に、正しい選択を行ってください。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

>>呼吸器疾患の受給事例はこちら

循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

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