

障害年金は、病気やけがで生活や就労に制限がある人を支える大切な制度です。しかし近年、その審査で「不支給」となる割合が高まっていることが指摘され、厚生労働省が点検を行いました。
その結果、一部の判断を見直し、支給に切り替えるケースが確認されました。今後は毎月進捗を公表する方針も示され、審査の透明性や制度への信頼が改めて問われています。
不支給割合の増加を背景に調査開始
厚生労働省は、障害年金の認定状況を精査した結果、昨年4月から7月の間に不支給とされた案件の一部について判断を改め、支給を認めると発表しました。
障害年金は日本年金機構が審査を行っていますが、不支給割合が前年度より上昇していたことから、外部から「審査が厳しくなっているのでは」との指摘が寄せられていました。
昨年度の不支給は1万8982件に増加
調査によると、昨年度に不支給と認定された件数は1万8982件にのぼり、全体の13%を占めました。これは前年度より4.6ポイント高い数字であり、不支給割合が確実に増えていることが明らかになりました。
厚労省は、障害年金制度の適正な運用が揺らいでいるのではないかとの懸念から、点検に踏み切った形です。
精神障害の審査2895件を重点的に確認
特に件数が多かったのが精神障害に関する審査です。昨年4月から7月までの4か月間に不支給とされた2895件を改めて精査したところ、回復の見通しや日常生活への影響を従来よりも重視した結果、124件については判断を変更し、支給が認められることになりました。
割合にして全体の4.3%にあたり、決して少なくない数です。
「基準逸脱はなし、だが結果は不適切」
厚労省は、「当初の判断が認定基準を逸脱していた事実は確認できなかった」と説明しています。しかし、結果として適切ではない判断が含まれていたことは認めており、審査の精度や透明性の確保が課題として浮き彫りになりました。
障害年金は生活の基盤を支える重要な制度であるだけに、わずかな誤りでも大きな影響を及ぼします。
認定状況を毎月公表へ
今回の点検を受け、厚労省は昨年度分の確認を年内に終了させ、その後は今年度の認定状況についても同様の調査を行う方針です。さらに、調査の進捗を毎月公表すると発表し、審査の透明性を高める姿勢を示しました。
これにより、利用者や関係者にとっては制度の信頼性を再確認する機会となることが期待されます。
制度への信頼回復に向けて
障害年金は、日常生活や就労に制約を抱える人にとって欠かせない経済的支えです。不支給割合の上昇は申請者に不安を与える一因となり、制度全体への信頼にも影響を及ぼしかねません。
今回の見直しは、制度の公平性を担保するための一歩であり、今後も適正な審査体制の整備が不可欠です。厚労省が公表する毎月の進捗報告が、透明性確保と信頼回復につながるか注目されます。
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