

もやもや病は、脳への血流が障害されることでさまざまな神経症状を引き起こす進行性の疾患です。特に小児期や成人の働き盛りに発症することが多く、日常生活や就労に大きな影響を及ぼすことがあります。
この記事では、もやもや病の原因と症状、そして障害年金の受給可能性について詳しく解説します。
もやもや病とは何か
もやもや病(正式名称:ウィリス動脈輪閉塞症)は、脳の基底部にある内頚動脈の末端が徐々に狭窄・閉塞していく難病です。この病気では、脳への血流が不足するために新たな血管が形成されますが、これらの血管は非常に細く脆く、画像上では「もやもや」とした影のように見えることから、もやもや病と呼ばれています。
日本では指定難病(難病情報センター:指定難病22)に認定されており、小児期と成人期の二つの年齢層で好発します。小児では虚血型(脳の血流不足)、成人では出血型(脳出血)として発症することが多いです。
もやもや病の主な原因
もやもや病の正確な原因は今も研究途上ですが、近年、遺伝的な関与が強く疑われています。特にアジア人に多く見られ、日本人や韓国人、中国人で高い発症率を示します。
その中でも、RNF213という遺伝子の変異がもやもや病の発症と関連していることが発見されており、家族内発症の割合も10~20%と報告されています。つまり、遺伝的素因がある場合、他の家族が発症する可能性もあるということです。
また、もやもや病は一次性(特発性)のほかに、脳血管炎、ダウン症、神経線維腫症、自己免疫疾患などの二次性要因によって類似の症状を呈する「もやもや様病変」も存在します。これらを鑑別することも重要です。
もやもや病の症状とは?
もやもや病の症状は、発症の年齢や進行の度合いによって大きく異なります。以下は代表的な症状です。
小児期の主な症状
- 一過性脳虚血発作(手足のしびれ・脱力、言葉が出にくくなる)
- 頭痛やけいれん発作
- 泣いたり笛を吹いたりしたときに症状が強くなる(過換気による血流低下が影響)
成人期の主な症状
- 脳出血(突然の頭痛、吐き気、意識障害、片麻痺など)
- 言語障害、視覚障害、感覚障害
- 持続的な虚血症状(集中力低下、記憶力低下など)
特に成人では、もやもや血管が破れて出血を起こすケースが多く、重篤な後遺症を残すこともあります。
診断はMRI、MRA(脳血管造影)、脳血流シンチグラフィーなどの画像診断によって行われます。確定診断には脳血管造影検査が用いられ、血管の狭窄と異常血管の存在が確認されます。
治療と生活への影響
もやもや病の根本的な治療法はなく、外科手術による血流改善(脳血行再建術)が主な治療手段です。手術には直接バイパス法と間接バイパス法があり、年齢や症状に応じて選択されます。
手術後も再発や血流不全のリスクは残るため、継続的なフォローが必要です。また、病状によっては運転や重労働が制限されることもあり、日常生活や職業選択に影響を及ぼす可能性があります。
もやもや病と障害年金の関係
もやもや病は、障害年金の対象となり得る病気です。指定難病であることに加え、後遺症として麻痺や言語障害、記憶障害などが残った場合、障害等級の対象となります。
障害年金は、以下のような条件を満たせば受給可能です。
- 初診日が年金加入期間内であること
- 障害の程度が1級~3級に該当していること
- 障害認定日以降も症状が継続し、日常生活または就労に支障があること
実際の受給事例としては、脳出血を発症し左半身麻痺が残ったケースで障害厚生年金1級が認定された例があります。また、手術後も運動障害が改善せず障害厚生年金2級が認定された事例も報告されています。
障害認定においては、次の点が重視されます。
- 麻痺や感覚障害の有無とその程度
- 認知機能、言語機能への影響
- 一人での外出や食事、排泄などの日常生活動作がどれだけ自立しているか
医師の診断書には、これらの内容を具体的に記載してもらうことが必要です。
申請を成功させるためのポイント
障害年金の申請は複雑で、特にもやもや病のように症状が多様で見えにくいケースでは、書類の内容が結果を左右します。
次のようなポイントに注意すると良いでしょう。
- 初診日の医療機関名と受診記録を明確にする
- 診断書の記載に抜けがないよう医師とよく相談する
- 生活状況の詳細を「病歴・就労状況等申立書」に丁寧に記載する
- 難しい場合は、障害年金専門の社労士に相談する
まとめ:適切な支援を受けることで生活の質を守る
もやもや病は、進行性かつ難治性の疾患であり、発症後の生活には多くの制約が伴います。しかし、障害年金制度を活用することで、経済的な負担を軽減し、治療やリハビリに集中する環境を整えることが可能です。
症状に悩まされている方や、仕事や生活が困難になってきたという方は、ぜひ障害年金の制度を検討してみてください。正しい知識とサポートがあれば、必要な支援に確実にアクセスすることができます。
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