

エーラス・ダンロス症候群(EDS)は、皮膚や関節、血管などの結合組織に異常をきたす遺伝性の希少疾患です。見た目に分かりづらく、症状のばらつきも大きいため、正しく理解されにくい病気ですが、重度の痛みや関節の障害が生活を制限することもあります。
この記事では、EDSの原因・主な症状に加え、障害年金の受給対象となるかどうか、審査のポイントをわかりやすく解説します。
エーラス・ダンロス症候群とは?
エーラス・ダンロス症候群(Ehlers-Danlos syndrome:EDS)は、体の結合組織を構成する「コラーゲン」に関連する遺伝子の変異によって起こる疾患です。コラーゲンは皮膚や関節、血管、内臓などに存在し、体を構造的に支える重要なタンパク質です。
EDSには複数の病型があり、「古典型」「関節型」「血管型」などに分かれます。それぞれ異なる遺伝子変異が原因で、症状の出方も大きく異なります。日本での発症頻度は全体でおよそ5,000人に1人とされ、指定難病に登録されています。
主な症状と生活への影響
EDSの症状は多岐にわたり、病型によって特徴が異なりますが、共通して見られる症状は次のようなものです。
皮膚の過伸展性と脆弱性
皮膚が異常に伸びやすく、傷が治りにくい、瘢痕が残りやすい。
関節の過可動性
関節が通常以上に動くため、脱臼・亜脱臼を起こしやすい。慢性的な関節痛がある。
筋肉痛・倦怠感・疲れやすさ
長時間の立位や歩行が困難になりやすい。
内臓・血管の障害
特に「血管型」は動脈破裂や内臓破裂のリスクが高く、命に関わるケースもある。
自律神経障害や消化器症状
立ちくらみ、動悸、便秘・下痢などが日常生活を妨げることもある。
これらの症状は慢性化しやすく、年齢とともに悪化するケースもあり、就労や家事、移動に困難を伴うことがあります。
障害年金の対象になる可能性はある?
EDSは指定難病(難病情報センター・指定難病168)として登録されています。病名だけで障害年金が支給されるわけではありませんが、次のような条件に該当する場合は受給の可能性があります。
- 歩行に杖が必要で、長距離移動が困難
- 頻繁に関節が脱臼し、支援がなければ日常生活が送れない
- 慢性的な痛みや疲労により、就労が著しく制限されている
- 自律神経失調症や消化器症状により、生活に強い支障が出ている
実際に、EDSで障害基礎年金2級の受給が認められた例もあります。診断書に「常時支援が必要な状態」や「痛みや動作制限が強く、移動が困難である」ことが記載されていました。
>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて
障害年金を受け取るための条件
EDSで障害年金を申請する際には、以下の4つの条件を満たす必要があります。
初診日が証明できること
初めて医師に相談した日が初診日となります。病院の診療記録や紹介状が証明に使えます。
保険料納付要件を満たしていること
初診日の前日時点で、過去の保険料を一定期間(原則2/3以上)納めていることが必要です。
障害認定日で等級に該当していること
初診日から1年6か月後または症状が固定した日において、1級〜3級の障害状態に該当している必要があります。
現在も障害状態が継続していること
障害が改善していない、または再発・悪化している場合でも申請できます。
診断書と申立書の内容が重要
障害年金の審査では、提出する診断書と病歴・就労状況等申立書が非常に重要です。EDSは外見から症状が分かりにくいため、書類上でいかに「日常生活にどれだけ支障があるか」を伝えるかがポイントです。
たとえば以下のような内容を盛り込むとよいでしょう。
- 関節の脱臼頻度、痛みの強さ、移動手段(杖・車いす)の有無
- 家事や外出、入浴・着替えなどの日常動作が自力でできるか
- 就労制限の具体的な状況(休職・退職・短時間勤務など)
まとめ|エーラス・ダンロス症候群と障害年金の受給可能性
エーラス・ダンロス症候群は、外見から分かりづらくても、本人の生活には大きな影響を与える病気です。慢性的な痛みや関節の不安定さにより、移動や就労に支障をきたしている方は、障害年金の対象になる可能性があります。
申請の際は、医師との連携を密に取り、詳細な診断書や生活の実情を丁寧に記した申立書を用意することが重要です。必要であれば、社会保険労務士や年金相談窓口に相談しながら、無理のない申請手続きを進めていきましょう。
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