在宅酸素療法で障害者手帳はもらえる?申請方法と注意点

在宅酸素療法(HOT)は、慢性呼吸不全や肺疾患などで長期的に酸素吸入が必要な方にとって欠かせない治療法です。この療法を受けている方は、呼吸機能に障害があると判断され、身体障害者手帳の交付対象になる場合があります。手帳を取得すると、医療費や交通費の助成などさまざまな公的支援が受けられ、生活の負担が軽減されます。

この記事では、申請条件や手続き、手帳取得後に受けられる支援、そして障害年金との関係についてわかりやすく解説します。

目次

呼吸機能の障害は身体障害者手帳の対象

在宅酸素療法を行っている方の多くは、「呼吸器機能障害」に該当する可能性があります。これは、肺や気道の病気などにより、酸素の取り込みが著しく低下している状態を指します。

身体障害者手帳は、障害の程度によって等級が定められており、呼吸機能障害の場合は主に1級・3級・4級が対象です。等級は、動脈血中の酸素分圧(PaO₂)や酸素飽和度、歩行時の息切れの程度などによって判断されます。

ただし、在宅酸素療法を行っているからといって、必ずしも自動的に手帳が交付されるわけではありません。申請には、正確な医療データと医師の診断が必要です。

身体障害者手帳の申請に必要なもの

障害者手帳を取得するには、主治医(指定医)による診断書が欠かせません。診断書には、呼吸機能の検査結果や、日常生活における制限の程度が詳しく記載される必要があります。

手続きの流れは以下の通りです。

  1. 主治医に「身体障害者診断書・意見書」の作成を依頼
  2. 市区町村の障害福祉課に申請
  3. 診断書の審査を経て、1〜2か月後に手帳の交付

必要な書類には以下が含まれます。

  • 指定医が作成した診断書・意見書
  • 障害者手帳交付申請書
  • 顔写真(縦4cm×横3cmなど)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、保険証など)

医師と事前に相談し、必要な検査を受けたうえで申請を進めましょう。

手帳を取得すると受けられる主な支援

身体障害者手帳を取得すると、さまざまな福祉サービスや経済的支援を受けることが可能になります。

主な支援内容は以下の通りです。

  • 医療費の一部助成(自立支援医療など)
  • 公共交通機関の割引(バス、電車、タクシーなど)
  • 携帯電話・NHK受信料の割引
  • 所得税・住民税・自動車税などの軽減
  • 公営住宅への優先入居
  • 駐車場利用証の交付(障害者用スペースの利用)
  • 生活用具の給付(酸素濃縮器、空気清浄機などの補助)

これらの支援は等級や自治体によって異なるため、詳細はお住まいの市区町村に確認することが大切です。

在宅酸素療法の方にとっての手帳のメリット

在宅酸素療法を受けている方は、日々の酸素機器の使用や通院、外出時の制限など、多くの負担を抱えています。障害者手帳を取得することで、交通費や医療費の助成を受けられるほか、公共施設の割引利用などにより、精神的・経済的な負担が軽減されます。

また、手帳を持っていることで、周囲の理解や配慮を得やすくなるというメリットもあります。就労支援や住宅支援など、生活のあらゆる場面でサポートを受ける土台となるため、申請を迷っている方は一度、医療機関や福祉窓口に相談してみることをおすすめします。

障害者手帳とあわせて知っておきたい「障害年金」

在宅酸素療法を行うような重度の呼吸器障害は、障害年金の対象となる可能性もあります。障害年金は、病気やケガによって働くことが難しくなった人に支給される年金制度です。

ポイントは以下の通りです。

  • 初診日が公的年金加入期間中であること
  • 保険料を一定期間納付していること(納付要件)
  • 診断書で「日常生活や労働が困難」であることが証明されること

障害者手帳とは別制度ですが、同時に申請することも可能です。障害年金が認定されれば、毎月の収入補填として大きな支えとなります。経済的不安がある方は、専門の社労士や年金事務所に相談し、自分が対象になるかどうかを確認してみるとよいでしょう。

まとめ:手帳と年金で、療養生活を支える選択を

在宅酸素療法は、命を支える大切な治療法ですが、生活の中で多くの不自由さや経済的負担も伴います。身体障害者手帳を取得すれば、生活支援や医療費助成など、さまざまな公的サポートが受けられるようになります。

また、呼吸器機能の障害が重度であれば、障害年金の受給も視野に入れることができます。制度を知り、活用することで、安心して治療に向き合うための環境が整います。

まずは、主治医に相談し、自分がどの制度の対象になるかを確認することから始めましょう。一歩踏み出すことで、療養生活は大きく前向きに変わっていきます。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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事前にお客様の現状の状況をお伺いした上で、ご都合の良い日程から面談日程の調整をさせていただきます。また面談時にご持参いただきたいものなどのご説明もさせていただきます。

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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