障害年金に「子の加算」はある?対象条件や金額、注意点まで詳しく解説

障害年金を受給している方にとって、生活を支えるうえで「加算制度」は大きな助けとなります。その中でも、「子どもがいる場合に年金額が増える制度=子の加算」があることをご存じでしょうか? 加算を受けるためには条件や制限があり、知らないと損をする可能性もあります。

この記事では、障害年金における「子の加算」の対象となる子どもの条件や、令和7年度の加算金額、申請時の注意点までを詳しく解説します。

目次

子の加算とは?障害年金の支給額が増える制度

障害年金の「子の加算」とは、障害等級1級または2級の年金受給者に対し、生計を同じくする子どもがいる場合に支給額が上乗せされる制度です。この加算は、障害基礎年金、障害厚生年金のいずれでも適用されますが、障害厚生年金では3級には加算されない点に注意が必要です。

年金受給者が子どもを養育していることを前提に設けられており、育児や教育にかかる経済的負担を考慮して支給される制度です。

子の加算が受けられる「子ども」の条件とは?

加算の対象となる子どもには、明確な条件があります。以下のいずれかに該当する子が対象です。

  • 18歳に到達する年度の末日(3月31日)までの子
  • 20歳未満で障害等級1級または2級の障害を持つ子

つまり、高校3年生の3月31日までの子どもや、重度の障害がある未成年の子どもが対象となります。大学生や就職している子どもは対象にならず、加算の資格を喪失します。

また、結婚している子や、婚姻届を提出していない内縁関係でも、事実上結婚していると判断される場合は、加算の対象外になります。

令和7年度の子の加算額(2025年度)

令和7年度における子の加算の金額は、以下のとおりです。

  • 1人目・2人目の子:それぞれ 239,300円/年(約19,942円/月)
  • 3人目以降の子:それぞれ 79,800円/年(約6,650円/月)

たとえば、18歳未満の子どもが3人いる場合の加算総額は、

239,300円 × 2人 + 79,800円 = 558,400円/年
(約46,533円/月)となり、年金の支給額に大きな差が出ます。

加算を受けるには「生計同一」が条件

子どもが加算対象となるには、単に年齢要件を満たすだけでなく、「生計を同じくしている」ことが必要です。生計同一とは、同居している場合だけでなく、別居していても仕送りや生活費の支援がある場合も含まれます。

申請時には以下のような書類で生計同一が証明されることが求められます。

  • 同一世帯であることを示す住民票
  • 仕送り記録(振込明細など)
  • 扶養控除の申告書など

これらの証明が不十分だと、加算が認められないことがあるため、十分に注意しましょう。

申請のタイミングと必要な手続き

障害年金の「子の加算」は、自動的に支給されるわけではありません。子どもが生まれた際や扶養に入ったとき、または年金請求時点で子どもが加算条件を満たしている場合は、「加算対象であること」を申請し、必要書類を提出する必要があります。

具体的には以下のような書類が求められます。

  • 年金請求書または加算申立書
  • 戸籍謄本
  • 子どもとの続柄がわかる書類
  • 生計同一関係に関する証明書類

年金機構や市区町村の窓口で手続き可能です。手続きを怠ると加算を受け損ねてしまうので、対象となる子どもがいる場合は早めの申請を心がけましょう。

加算が終了するケースにも注意

子の加算には「打ち切り」もあります。以下のようなケースでは、加算対象から外れ、支給が終了します。

  • 子どもが18歳到達年度の3月31日を超えた
  • 子どもが結婚した
  • 子どもが就職して扶養を離れた
  • 生計同一関係が解消された
  • 子どもが死亡した

支給停止事由に該当した場合は、速やかに年金機構に届け出が必要です。届け出が遅れると過払いが発生し、後日返還を求められることもあるため注意しましょう。

まとめ:子の加算を正しく理解し、確実に受け取ろう

障害年金の「子の加算」は、扶養する子どもがいる家庭にとって大きな支えとなる制度です。年齢や障害等級などの条件を満たしていれば、年額で最大数十万円単位の加算が受けられるため、受給額に大きな差が出ることもあります。

一方で、加算の対象となるには条件が細かく決められており、申請や証明が不十分だと認められません。申請漏れや支給停止の見逃しを防ぐためにも、子どもの状況が変わった際にはその都度、年金機構に相談し、正しく届け出を行うことが大切です。

生活を支える障害年金を最大限活用するために、子の加算制度について正しく理解し、確実な手続きを行いましょう。ご自身だけで不安な場合は、社会保険労務士など専門家への相談も検討してみてください。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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