障害年金と遺族年金は併給できる?制度の仕組みと併給の可否を解説

障害年金と遺族年金は、どちらも公的年金制度から支給される給付金ですが、この2つを同時に受け取ることができるのか疑問に思う方は少なくありません。生活の安定を支えるこれらの制度について、正しい知識を持っておくことは非常に重要です。

本記事では、障害年金と遺族年金の併給の可否や、実際に受け取れる可能性のあるケースについて詳しく解説します。

目次

障害年金とは?

障害年金は、病気やけがによって一定の障害を負った人が受け取ることができる年金です。国民年金からは「障害基礎年金」、厚生年金からは「障害厚生年金」が支給されます。支給の対象となるには、障害認定日と保険料納付要件を満たす必要があります。

等級によって金額が異なり、日常生活や就労の制限の程度によって区分されます。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

遺族年金とは?

遺族年金は、亡くなった方に生計を維持されていた遺族が受け取る年金です。国民年金から支給される「遺族基礎年金」と、厚生年金から支給される「遺族厚生年金」があり、受給資格には死亡した方の保険料納付状況などの条件があります。主に配偶者や子どもが対象となります。

障害年金と遺族年金は併給できるのか?

結論から言うと、障害年金と遺族年金の「併給」は原則できませんが、「選択」して受給することが可能です。ただし、受給の対象となる年金の種類や受給者の立場によって、組み合わせによっては一部併給が可能なケースもあります。

具体的には、以下のようなルールがあります。

同じ人が両方の年金を受ける場合

障害基礎年金と遺族基礎年金など、同じ種類(基礎年金同士)の年金は併給できません。どちらかを選ぶ必要があります。

異なる年金種別の場合の併給

例えば、遺族厚生年金と障害基礎年金のように、「基礎年金」と「厚生年金」の組み合わせであれば、一部併給が可能となります。

併給が可能な具体例

たとえば、夫を亡くした40代の妻が、過去の病気により障害基礎年金2級を受給している場合、遺族厚生年金の受給資格があると、障害基礎年金と遺族厚生年金の併給が可能です。逆に、障害基礎年金と遺族基礎年金のように、同じ「基礎年金」の2つを受給することはできません。

このように、基礎年金と厚生年金の違いが併給可否のポイントになります。

併給か選択か、どちらを選ぶべきか?

年金を選択する際には、受給額の合計や将来のライフプランを見据えた上で、どの組み合わせが最も有利かを慎重に考える必要があります。基本的に金額が高い方を選ぶことが一般的ですが、厚生年金部分の併給が可能な場合は、部分的な受給がプラスされることで総額が増える可能性もあります。

年金事務所や社会保険労務士などの専門家に相談することで、より正確な判断ができます。

申請手続きのポイント

併給や選択をする場合には、どちらの年金も申請が必要です。受給資格があるにもかかわらず申請していないケースも多いため、自分の状況に合った年金制度を確認し、適切な手続きを取ることが重要です。

申請には医師の診断書や住民票、戸籍謄本などが必要になる場合がありますので、事前の準備をしておきましょう。

まとめ:自分に合った年金受給の形を選ぼう

障害年金と遺族年金は、それぞれ生活の安定を支える重要な制度です。併給の可否については制度により制限がありますが、状況に応じて選択または一部併給が可能な場合もあります。自分の受給状況を正確に把握し、有利な方法を選ぶためには、専門家への相談や情報収集が不可欠です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

>>呼吸器疾患の受給事例はこちら

循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

>>循環器疾患の受給事例はこちら

腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

>>腎疾患の受給事例はこちら

肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

>>血液の受給事例はこちら

その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

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