

人工透析を受ける際に必要となるシャントの造設。これは命をつなぐ大切な医療処置ですが、日常生活や仕事に大きな制約をもたらします。実はこのような状況にある方は、障害年金の対象となる可能性があります。
本記事では、人工透析と障害年金の関係について詳しく解説します。
人工透析を受けていると障害年金の対象になる理由
人工透析は、慢性腎不全などで腎臓機能が著しく低下した方に必要な治療で、週に数回の通院を継続的に行う必要があります。透析の開始にあたっては、シャントと呼ばれる血管を体内に造設する外科処置が不可欠です。これは、血液透析を円滑に行うための準備であり、生活に大きな影響を与える医療行為とされています。
そのため、人工透析を行っている人は、身体的・社会的な制限が強くなることから、障害年金の認定基準においても、原則として「2級」に該当するとされています。これは日常生活への影響の大きさが、国の定める基準を満たすためです。
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人工透析で障害年金を受け取るための3つの要件
障害年金の申請には、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害認定日要件」の3つの条件を満たす必要があります。まず「初診日要件」とは、透析が必要となった病気(たとえば慢性腎炎など)で最初に医療機関を受診した日を指します。この日が正確に証明できることが重要です。
次に「保険料納付要件」では、初診日の前々月までに、一定の年金保険料を納付している、または免除されていた期間があることが条件となります。そして「障害認定日要件」では、人工透析を開始して3ヶ月経過した時点が、障害の程度を評価する基準日とされます。この3点がそろって初めて、申請のスタートラインに立つことができます。
人工透析と等級の目安|1級も対象になる可能性
原則として、人工透析を受けている場合は障害年金2級に該当しますが、症状が特に重い場合や、透析以外にも日常生活に著しい制限がある場合には、1級に認定される可能性もあります。たとえば、自力での移動や食事が困難なケース、合併症による重大な影響が認められる場合などが該当します。
等級の違いによって年金の支給額は大きく異なるため、自身の症状がどの程度かを医師の診断書などを通じて正確に伝えることが大切です。
初診日の証明ができない場合の対応
障害年金の申請で最も多いトラブルが、「初診日の証明ができない」という問題です。過去に通院していた病院が閉院している、記録が廃棄されているなどの理由で証明が困難な場合は、「受診状況等証明書が添付できない理由書」や「申立書」を提出することで代用が可能です。健康診断の結果や、処方薬の記録なども補助資料として活用できます。
こうした手続きは非常に煩雑であるため、不安がある方は社会保険労務士など専門家への相談も検討すべきでしょう。
支給額と年金の種類について知っておこう
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。自営業の方や専業主婦など、国民年金に加入している人は基礎年金、会社員や公務員など厚生年金加入者は厚生年金が支給されます。基礎年金2級の場合、年間で約78万円前後が支給されるケースが多いですが、厚生年金ではこれに加えて報酬に応じた上乗せ分があるため、金額は大きく異なります。
なお、年金の支給開始は、認定日から1年半以内に行われることが一般的ですが、申請のタイミング次第ではさかのぼって支給を受けることも可能です。
まとめ|人工透析を始めたら早めの申請準備を
人工透析を受けることは、身体への負担だけでなく、通院や仕事の調整など、生活全般に大きな影響を及ぼします。こうした状況を支える制度として、障害年金は非常に重要です。シャント造設を含めた透析治療を受けている方は、まず自分が障害年金の対象となるか確認し、必要書類を準備の上、早めに申請の準備を進めましょう。
将来の生活の安心のためにも、制度の正しい理解と適切な手続きが不可欠です。
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