

「片目が失明してしまった場合、障害年金は受給できるのだろうか?」このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が生じた場合に支給される国の制度です。視覚障害もその対象となりますが、「片目だけ」という状況では、等級認定の基準がどのように適用されるのか、気になる方も多いはずです。
ここでは、片目失明における障害年金の等級認定について、重要なポイントを解説します。
片目失明は原則として障害年金3級の対象
結論から申し上げますと、片目の失明(=視力の良い方の眼の視力が0.02以下、または良い方の眼の視力が0.03以下かつ他方の眼の視力が手動弁以下の場合)だけでは、障害年金1級または2級の対象とはなりません。
障害年金における視覚障害の等級認定は、原則として「両眼の視力」や「両眼の視野」の状態によって判断されます。片目のみの障害では、日常生活や就労への影響が比較的軽度とみなされるため、厚生年金保険の3級に該当する可能性があります。国民年金には3級がないため、国民年金加入者で片目失明の場合は、残念ながら障害年金の対象外となります。
片目失明で障害年金が認められる条件(厚生年金保険3級)
厚生年金保険の障害年金3級の認定基準は、以下の通りです。
視力障害の場合
両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの
片目失明の場合、良い方の眼の視力が0.1以下であれば、この基準に該当する可能性があります。例えば、片目が失明(視力測定不能)で、もう片方の目の視力が0.1以下であれば、3級の対象となり得ます。
視野障害の場合
- 両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下のもの
- 両眼開放視認点数が70点以下のもの(自動視野計の場合)
片目失明の場合でも、良い方の眼の視野にも何らかの障害があり、上記の基準を満たせば3級の対象となる可能性があります。
1級・2級に認定されるケースは「両眼」での重度な障害
障害年金1級や2級に認定されるのは、以下のような「両眼」にわたるより重度な視覚障害がある場合です。
1級の基準例
- 視力の良い方の眼の視力が0.03以下のもの
- 視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
- 両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下、かつI/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの
2級の基準例
- 視力の良い方の眼の視力が0.07以下のもの
- 視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの
- 両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下、かつI/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
これらの基準からもわかるように、片目失明だけで1級や2級に認定されることは極めて稀です。
申請には「眼科医の診断書」が重要
障害年金の申請には、医師の診断書が不可欠です。特に視覚障害の場合は、視力検査や視野検査の結果が詳細に記載された、眼科医による診断書が必要となります。
診断書には、以下の点が明確に記載されていることが重要です。
- 最終的な視力測定結果(矯正視力を含む)
- 視野検査の結果
- 視野狭窄の範囲や程度
- 視覚障害の原因となる傷病名
- 初診日
- 現在の日常生活や就労への具体的な支障
医師には、ご自身の状態を正確に伝え、障害年金の申請に必要であることを説明し、適切な診断書を作成してもらうよう依頼しましょう。
まとめ
片目失明の場合、障害年金は原則として厚生年金保険の3級の対象となります。国民年金には3級がないため、国民年金加入者の場合は障害年金の対象外となる点に注意が必要です。
申請を検討されている方は、まずご自身の加入している年金制度を確認し、現在の視力や視野の状態を正確に把握した上で、眼科医に相談し、適切な診断書を準備することが重要です。不明な点があれば、お近くの年金事務所や社会保険労務士に相談し、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
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