傍腫瘍性神経症候群の症状と原因、障害年金の対象になる条件

傍腫瘍性神経症候群(Paraneoplastic Neurological Syndromes, PNS)は、がんが直接的に神経系に影響を与えるのではなく、免疫反応の異常が原因で神経障害が発生する稀な疾患群です。

体ががん細胞に対する免疫反応を過剰に起こし、結果的に自分の神経系を攻撃してしまうことで発症します。この免疫反応の影響で、脳、脊髄、末梢神経、筋肉といった多くの神経組織が障害される場合があります。

がん患者の中でも一部の人に発症し、早期発見と適切な対処が非常に重要とされています。

目次

傍腫瘍性神経症候群の原因

傍腫瘍性神経症候群の原因は、体の免疫システムががん細胞に反応して、神経系をも誤って攻撃してしまうことです。

通常、免疫系はがん細胞を排除するために働きますが、この疾患の場合、がん細胞の特定の抗原(表面にある特徴的な分子)が神経細胞の抗原と似ているため、免疫細胞が神経系にも攻撃を仕掛けます。肺小細胞がん、乳がん、卵巣がん、リンパ腫などがこの症候群と関連することが多く報告されています。

また、この疾患はがんの発見前に症状が現れることもあり、がんの早期発見の手がかりになる場合もあります。

傍腫瘍性神経症候群の症状

傍腫瘍性神経症候群の症状は多岐にわたりますが、一般的に神経症状が主に現れます。以下は、よく見られる症状の一部です:

筋力低下

手足の筋力低下や脱力感が発生します。重症の場合は歩行困難になることもあります。

感覚異常

手や足のしびれや痛み、感覚の鈍さなどが生じることがあります。

認知障害

思考力の低下、記憶力の減退、混乱といった認知症状が発現する場合もあります。

運動失調

バランスを取るのが難しくなったり、動作が不安定になる運動失調が見られることがあります。

てんかん発作

脳に影響が及んだ場合、てんかん発作を起こすことがあります。

視力や聴力の異常

視覚や聴覚にも影響が及び、視力低下や耳鳴り、難聴が発生する場合があります。

これらの症状は、患者によって異なり、進行のスピードや重症度も様々です。また、症状はがんの治療によって緩和されることもありますが、神経障害が残るケースも少なくありません。

傍腫瘍性神経症候群と障害年金

傍腫瘍性神経症候群により生活に支障をきたすような神経障害が生じた場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。

障害年金は、病気やけがで日常生活が困難となり、就労が難しくなった場合に支給される公的年金制度であり、身体障害や精神障害が原因であっても、対象になります。傍腫瘍性神経症候群のような稀な疾患も、症状の重篤度や日常生活の困難さに応じて支給の判断が行われます。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

障害年金を申請する際のポイントは以下の通りです。

診断書の提出

医師による診断書は必須であり、神経症状の詳細や治療内容、生活への影響について具体的に記載されていることが求められます。

症状の程度

傍腫瘍性神経症候群の症状がどの程度日常生活に影響を及ぼしているか、また、継続的な治療やリハビリが必要かどうかも重要な要素です。

就労の可否

就労が困難であることを証明する資料、たとえば職場の意見書や過去の勤務実績なども、申請の際に役立ちます。

実際の年金の受給には初診日から一定期間を経過していることが条件となることが多いため、まずは早期に専門医に相談し、必要な書類を整えることが大切です。また、傍腫瘍性神経症候群は症状が多様なため、症状に応じた障害等級が異なる可能性があります。申請に際しては、専門の社会保険労務士に相談することで適切なサポートを受けられます。

まとめ

傍腫瘍性神経症候群は、がんに対する免疫反応の過剰反応によって生じる稀な神経疾患で、症状は筋力低下や認知障害、運動失調など多岐にわたります。症状が日常生活や就労に重大な支障をきたす場合、障害年金の申請が可能です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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