多発性脊椎圧迫骨折の原因と症状、障害年金の受給手続きを解説

多発性脊椎圧迫骨折とは、脊椎(背骨)に複数の圧迫骨折が同時または連続的に発生する状態を指します。

この疾患は、骨粗鬆症や外傷などの原因で骨密度が低下している方に特に多く見られ、背骨が自重や軽微な外力によって潰れるように圧迫されてしまうことが特徴です。圧迫骨折が一度起こると、姿勢の崩れや神経症状などによって生活に大きな支障をきたすため、治療と予防が非常に重要です。

目次

多発性脊椎圧迫骨折の原因

多発性脊椎圧迫骨折の主な原因には、以下のようなものがあります。

骨粗鬆症

骨粗しょう症は骨密度が低下する疾患で、多発性脊椎圧迫骨折の最大の原因です。骨が脆くなることで、わずかな衝撃でも背骨が潰れてしまう可能性があります。特に高齢女性に多く見られます。

外傷や事故

交通事故や転倒などによって大きな外力が背骨にかかると、脆弱な部位に圧迫骨折が発生することがあります。また、重いものを持ち上げることで突然に起こる場合もあります。

腫瘍や感染症

骨に転移したがんや骨の感染症(骨髄炎など)が脊椎に発生することで骨が弱まり、圧迫骨折を引き起こすことがあります。

長期間のステロイド使用

ステロイド薬の長期使用は骨密度の低下を引き起こすため、脊椎圧迫骨折のリスクが高まります。

多発性脊椎圧迫骨折の症状

この疾患による症状は、発症数や程度により異なりますが、以下が一般的な症状です。

腰痛や背部痛

多発性の圧迫骨折がある場合、背中や腰に強い痛みが持続することが多く、動くたびに痛みが悪化することもあります。痛みは骨折した部位に集中し、日常生活に影響を与える場合も多いです。

身長の低下

複数の椎骨が圧迫されると、背骨全体が沈み込むように変形し、結果的に身長が低下します。また、背骨のカーブが強くなるため、猫背になることもあります。

神経症状

骨折した椎骨が神経に影響を与える場合、しびれや麻痺などの神経症状が下肢に現れることがあります。場合によっては、排尿・排便機能にも影響が出ることがあります。

活動範囲の制限

痛みによる運動制限がかかり、歩行や座位の維持が困難になることが多いです。進行するにつれて日常的な動作や家事も困難となり、介護が必要な状況に至る場合もあります。

多発性脊椎圧迫骨折と障害年金の受給について

多発性脊椎圧迫骨折により日常生活に支障が出ている場合、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金は、病気やけがにより通常の労働や生活が困難になった場合に支給される年金で、以下の条件を満たすことが基本となります。

初診日が確認できること

障害年金の請求においては、いつ初めて医療機関に受診したかを示す初診日が必要です。医師の診断書や病院での受診記録が求められます。

加入期間と保険料納付条件

障害年金の受給には、年金保険料の納付要件が条件に含まれます。年金加入期間中に保険料をしっかりと納付していたかどうかが審査に影響します。

障害等級の認定

多発性脊椎圧迫骨折の場合、脊椎の変形や神経症状が重篤であることが多く、障害等級2級や3級が適用される場合があります。障害等級は、身体の障害の程度と日常生活への支障に基づき判断され、年金受給額に影響します。診断書には医師による日常生活や就労能力の影響についての具体的な記載が求められます。

障害年金請求の流れと注意点

障害年金の請求は、適切な書類の準備が重要です。まず、かかりつけ医師に障害認定用の診断書を記載してもらうことが必要です。また、障害年金の認定は年金事務所や日本年金機構で行われるため、具体的な症状や日常生活への影響を詳細に記載することが審査通過のために有効です。

さらに、障害年金には更新が必要な場合もあります。特に、症状が悪化した場合は等級変更や再審査の可能性があるため、継続して受診し最新の症状を確認してもらうことが望ましいでしょう。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

まとめ

多発性脊椎圧迫骨折は、骨粗しょう症や外傷などにより複数の脊椎に圧迫骨折が発生する疾患です。強い痛みや身長の低下、神経症状など、日常生活に支障が出ることも多く、場合によっては障害年金の対象となります。

障害年金の申請には初診日や納付状況、障害の程度が確認されるため、医師の診断書と適切な書類の準備が必要です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

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