慢性炎症性脱髄性多発神経炎の症状と進行 障害年金の等級や支給条件

慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は、神経を覆う髄鞘が炎症によって損傷されることで起こる自己免疫疾患です。この病気は、主に手足の筋力低下や感覚障害を引き起こし、進行することで日常生活に大きな影響を与えます。

CIDPは慢性的に進行するため、適切な治療が行われない場合、神経の損傷が蓄積し、長期にわたる障害が残る可能性があります。ここでは、CIDPの原因や症状、さらに障害年金の申請について詳しく説明します。

目次

慢性炎症性脱髄性多発神経炎の原因

CIDPの正確な原因はまだ解明されていませんが、免疫系が誤って自己の神経組織を攻撃することで発症すると考えられています。通常、免疫系は体外からの病原体を排除する働きをしますが、CIDPの場合、免疫系が神経の髄鞘を攻撃し、その結果、神経の機能が低下します。

この異常な免疫反応の原因としては、ウイルス感染や細菌感染、または遺伝的な要因が関与している可能性が指摘されています。しかし、これらの要因がどのようにしてCIDPを引き起こすのかについては、まだ十分な研究がなされていません。

慢性炎症性脱髄性多発神経炎の症状

CIDPの主な症状は、筋力低下、感覚障害、疲労感などです。これらの症状は通常、足や手に最初に現れ、左右対称に進行します。筋力低下は、特に足や手の筋肉に影響を及ぼし、歩行や物を持ち上げる動作が困難になることがあります。

また、感覚障害としては、しびれや異常な感覚(例えばピリピリ感や感覚の鈍さ)がみられることが多いです。これらの症状は徐々に進行し、数ヶ月から数年にわたって悪化する場合があります。さらに、疲労感や筋肉の痙攣も見られ、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

CIDPは個々の患者によって症状の現れ方が異なるため、初期症状が軽度な場合には診断が遅れることもあります。しかし、治療が遅れると、神経の損傷が進行し、永久的な障害が残るリスクが高まります。そのため、早期の診断と治療が重要です。

障害年金の申請について

CIDPは進行性の疾患であり、日常生活に大きな制限が生じるため、適切な条件を満たせば障害年金の対象となります。

障害年金は、病気や障害によって労働能力が低下したり、日常生活に支障が出た場合に支給される社会保障制度です。

障害年金の申請には、医師の診断書や病歴、症状の経過などを詳細に記載した書類が必要です。CIDPの場合、筋力低下や感覚障害などの症状が、どの程度日常生活に影響を及ぼしているかを明確に示すことが求められます。申請の際には、以下のポイントが重要です。

診断書の内容

医師による詳細な診断書が不可欠です。CIDPの診断基準や症状の進行状況、現在の治療状況について具体的に記載されていることが重要です。特に、筋力低下や感覚障害が日常生活にどのように影響しているかが明記されていると、年金審査での評価がしやすくなります。

障害等級

障害年金は、障害の重さによって等級が設定され、それに応じて支給額が決まります。CIDPのような神経疾患の場合、障害等級は筋力低下の程度や感覚障害の重さ、またそれらが日常生活に与える影響に基づいて評価されます。日常生活で介助が必要な場合や、労働能力が著しく低下している場合には、等級が高くなり、年金の支給額も増える可能性があります。

継続的な更新手続き

CIDPは慢性的な疾患であり、症状が安定しない場合もあります。そのため、障害年金を受け取るためには、定期的な診断書の提出が求められることがあります。年金の受給が継続されるかどうかは、その時点での症状や生活状況に基づいて再評価されるため、継続的に医師のフォローアップを受けることが重要です。

まとめ

CIDPは生活に大きな影響を与える疾患ですが、適切な治療とサポートを受けることで、症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させることが可能です。障害年金の申請に関しては、専門家のサポートを受けながら、適切な手続きを進めることが推奨されます。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

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鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

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精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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