

両大血管右室起始症(Double Outlet Right Ventricle, DORV)は、先天性心疾患の一種で、肺動脈と大動脈の両方が右心室から起始する異常を指します。本来、肺動脈は右心室、大動脈は左心室から出るべきですが、DORVでは両方が右心室から出るため、体内の血液循環に重大な支障が生じます。
この疾患は新生児や乳児期に診断されることが多く、早期の外科手術が必要となるケースが一般的です。
両大血管右室起始症の原因
DORVは先天性の心臓の奇形であり、遺伝的な要因や環境要因が複雑に絡み合って発生するものと考えられています。特定の遺伝子異常や染色体異常が原因となる場合もありますが、明確な原因が特定できないことも多いです。
また、母体が妊娠中に風疹や糖尿病などの持病があった場合、胎児の心臓発育に影響を与えることがありますが、これは直接的な原因とは断定できません。
両大血管右室起始症の症状
両大血管右室起始症の症状は、心臓内の血液の流れが異常になることから発生します。主な症状としては、次のようなものがあります。
チアノーゼ
血液の酸素不足により、皮膚や唇が青紫色になる現象。
息切れ
酸素が十分に供給されないため、呼吸が速く、苦しく感じる。
疲れやすさ
特に新生児や乳児期に見られ、授乳や活動時に疲労が強くなる。
心雑音
心臓の異常な血流によって、医師が診察中に心雑音を聞き取ることができます。
成長の遅れ
酸素供給が十分でないことにより、体重の増加や身長の成長が遅れる場合があります。
症状の程度は、心室中隔欠損症(VSD)やその他の合併症の有無によって異なります。特に重篤な場合は、新生児期に緊急手術が必要となることがあります。
指定難病とその対応
両大血管右室起始症は指定難病の一つに認定されています。
指定難病とは、患者数が少なく、原因の解明や治療法の開発が難しい疾患を指します。指定難病に認定されることで、患者は医療費の一部が公費で助成される「難病医療費助成制度」の対象となります。この制度により、高額な医療費を負担することなく、継続的な治療や管理が可能となります。
両大血管右室起始症の治療は主に外科的な手術を中心としたものになります。具体的には、心室中隔欠損症(VSD)を修正する手術や、肺動脈と大動脈の血流を正しく流すための手術が行われます。術後も定期的なフォローアップが必要であり、生活全般における医療サポートが重要です。
障害年金の受給について
両大血管右室起始症の患者は、症状の重さや手術の有無、術後の経過によっては障害年金の対象となる場合があります。
障害年金は、日常生活や就労に支障が出る場合に支給される公的な年金制度です。心疾患が原因で障害認定を受けるには、疾患の影響が「1級」「2級」「3級」のいずれかに該当する必要があります。具体的には、以下のような状況が考慮されます。
1級
極めて重篤な状態で、常に介助が必要な場合。
2級
日常生活に著しい支障があり、自力での活動が制限される場合。
3級
就労に制限がかかるが、日常生活はある程度自立できる場合。
申請の際には、医師の診断書や病歴、症状の経過に関する書類が必要です。特に手術の内容やその後の経過、日常生活における制約の程度を詳しく記載することが重要です。
また、障害年金の申請には一定の条件があり、年金加入期間や保険料の納付状況が確認されます。申請が認められるかどうかは個々の状況によりますが、認定されると生活費の一部を補うための支援が受けられるため、申請を検討することが推奨されます。
>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて
まとめ
両大血管右室起始症は、先天的な心疾患であり、適切な治療とフォローアップが必要です。日本では指定難病として認定されており、医療費助成制度を利用することで経済的な負担を軽減できます。
また、症状が重く日常生活や就労に支障をきたす場合には、障害年金の申請も可能です。病状に応じた適切なサポートを受けることで、患者とその家族の生活の質を向上させることが期待されます。
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