

複合性局所疼痛症候群(CRPS)とは、怪我や手術の後に通常は軽減するはずの痛みが、異常に強く長引く状態を指します。この病気は、手足のいずれかに発症しやすく、痛みだけでなく腫れや色の変化、温度の変化、運動機能の低下なども伴うことがあります。
CRPSは、慢性的な痛みを引き起こすため、日常生活に大きな支障をきたすことがあり、最悪の場合、障害年金の受給対象となることもあります。この記事では、CRPSの原因や症状、そして障害年金申請のために知っておくべきポイントを解説します。
複合性局所疼痛症候群(CRPS)の原因
CRPSの正確な原因はまだ完全に解明されていませんが、主に神経系の異常な反応が関係していると考えられています。多くの場合、外傷や手術、骨折、捻挫などのケガをきっかけに発症します。
しかし、これらの外的な要因が治癒した後も、過剰な痛みが持続し、通常の回復過程を超えて症状が悪化することが特徴です。その他、血管や免疫系の異常も原因に含まれる可能性が指摘されています。いわゆる「神経障害性疼痛」の一種で、神経が痛みの信号を過剰に送り続けることが、CRPSの特徴的な強い痛みを引き起こすとされています。
CRPSは、発症原因がはっきりしない「特発性」ケースも少なくありません。そのため、初期診断が遅れたり、適切な治療を受けられないケースも存在します。発症のリスク要因には、既往歴としての外傷の他、ストレスや心理的な要因が関わっているとも言われています。
複合性局所疼痛症候群の症状
CRPSの症状は多岐にわたり、個々の患者によって症状の現れ方や重篤度は異なります。主な症状としては、以下が挙げられます。
激しい痛み
患部に持続的かつ激しい痛みが生じます。この痛みは通常、外傷の大きさや手術の規模に対して過剰な強さで現れ、しばしば「燃えるような痛み」や「刺すような痛み」と表現されます。
腫れや皮膚の変色
患部が腫れたり、皮膚の色が変わることがあります。青白くなったり赤くなったりすることが一般的です。
温度や発汗の異常
患部が通常の体温とは異なる温度になったり、汗をかきやすくなったりします。患部の温度が異常に上がったり、逆に冷たくなる場合もあります。
運動障害
筋力の低下や関節の硬直が起こり、手や足を自由に動かすことが難しくなることがあります。
感覚の過敏
わずかな刺激(例えば、風や軽い触れられる感覚)でも、強烈な痛みを感じることがあります。
これらの症状が進行することで、日常生活における活動の制限が大きくなり、長期的には精神的な影響やうつ状態を引き起こすこともあります。
CRPSと障害年金
CRPSの症状が長期化し、日常生活や仕事に大きな支障をきたす場合、障害年金の申請が可能です。日本では、CRPSが原因で障害年金を申請する場合、医師の診断書や治療履歴が重要な証拠となります。ここでは、障害年金を申請するためのポイントをいくつか紹介します。
障害の程度の評価
CRPSは、痛みや運動機能の制限が日常生活にどれだけ影響を与えるかによって、障害年金の等級が決まります。通常は、国の定める障害等級表に基づいて、医師が具体的な機能障害の評価を行います。例えば、立ち上がる、歩く、手を使うといった基本的な動作がどの程度できるかが評価対象になります。
診断書の重要性
診断書は、障害年金申請の中で最も重要な書類です。CRPSの場合、痛みという主観的な症状が多いため、医師が客観的な基準で症状を記録し、痛みがいかに患者の日常生活に影響を与えているかを明確にする必要があります。
診断書には、具体的な痛みの部位や程度、症状の持続期間、治療内容などが詳しく記載されなければなりません。
治療記録やリハビリ記録
障害年金を申請する際には、これまでの治療記録やリハビリの状況も申立書として提出します。特に、痛みの緩和を目指した治療(薬物療法、神経ブロック、理学療法など)が行われているか、その効果がどうであったかが判断材料となります。
また、リハビリによる機能回復の有無や、日常生活における具体的な困難さも記録しておくと良いでしょう。
申請手続きの流れ
障害年金の申請は、まず市区町村の年金事務所で行います。申請書類の作成に時間がかかるため、早めの準備が肝心です。初回の申請で不備があると審査が遅れることがあるため、医師や専門家の協力を得て、正確かつ詳細な書類を提出することが求められます。
結論として、CRPSはその複雑な症状と長期化する痛みのため、日常生活における深刻な制限をもたらします。障害年金の受給は、患者の生活を支える重要な手段となり得ますが、申請には十分な準備と、医師からの正確な診断と記録が必要です。
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