結論:申立書は、障害の状態を確認するための補足資料です。日常生活の実際の様子を伝える書類です
「病歴・就労状況等申立書」(以下、申立書)は、障害年金の請求で提出する書類の1つです。発病から現在までの経過、受診の状況、日常生活や仕事の状況を、請求する方(書けない場合は、ご家族などの代筆)が書きます。
日本年金機構は、申立書を「障害状態を確認するための補足資料」と位置づけています。診察室では伝わりにくい、日常生活の実際の様子を伝えられる書類です。
障害の程度は、主に医師の診断書をもとに審査されます。申立書は、それを補う資料として、経過や生活の実際を確認するために使われます。そのため、実際の状況が具体的に伝わるように書くことが重要です。
申立書に書く内容
申立書には、発病から現在までの経過を、期間をあけずに、受診した医療機関ごとに書きます。同じ病院に長く通った期間や、受診しなかった期間が5年を超える場合は、3〜5年ごとに区切ります。欄が足りないときは、続紙を使います。あわせて、次のことを書きます。
- 発病したときの状況:いつ、どんな症状で、何に困ったか。
- 受診の状況:どの病院に、いつ通ったか。通院をやめた期間があれば、その理由。
- 日常生活の状況:食事、入浴、掃除、買い物、金銭の管理、人づきあいなど。
- 就労の状況:仕事をしていた期間、仕事の内容、職場での配慮や周囲の支援、欠勤や早退の状況。
書くときの基本
1. 事実を、ありのままに書く。 実際より重く書いてはいけません。事実と違う内容で年金を受け取ると、不正受給となり、返還を求められるほか、罰則の対象になることがあります(国民年金法第111条)。反対に、実際より軽く書く必要もありません。
2. 具体的な場面で書く。 「家事ができない」ではなく、「洗濯機の音が怖くて、近づけない」「お金の管理が一人でできず、家族が管理している」のように、場面と程度が分かるように書きます。当センターの事例でも、お金の管理、服薬、生活上の困りごとを、場面が分かるように整理して申立書に書きました(事例)。
3. 診断書に合わせて書かない。 申立書は、実際の状況を書く書類です。書き終えたら、診断書と大きく食い違う点がないかを確認します。食い違いの原因が、診断書が実際の状態を十分に反映していないことにある場合は、申立書を変えるのではなく、日常生活の様子をまとめたメモを医師に渡すなどして、診断書の記載について相談します。
4. ほかの人の助けがあるなら、書く。 家族の支援、ヘルパー、職場の配慮など、助けがあって成り立っている部分は、助けを受けている状況を書きます。
当センターの事例には、障害者雇用で短時間勤務をしていても、ご主人の支援がなければ日常生活の維持が困難なことや、欠勤・早退が多く、就労に大きな制限があることを整理して伝えた事例があります。この事例では、初回の請求で障害厚生年金3級が決まり、その後、退職して額改定請求をして、2級が決まりました(事例)。働いている場合の考え方は、働いていても障害年金はもらえる?就労中の請求で見られる点・伝え方・注意点をご覧ください。
つまずきやすい点
- 書くことが思い出せない。 病院の通院記録、お薬手帳、日記、家族の記憶、職場の記録などを手がかりに、時期ごとに整理します。
- 症状が重くて、書けない。 ご家族などが代わりに書くことができます。その場合は、申立書の代筆者の欄に、代筆した人の氏名・電話番号・請求者から見た続柄を記入します。
- 初診日がはっきりしない。 受診状況等証明書と合わせて確認します。くわしくは、受診状況等証明書とは:初診日の証明のしかた・取れないときの対処をご覧ください。
- 病院にかかっていない期間がある。 通院していない期間も、空けずに書きます。「受診していない」を選び、受診しなかった理由と、その間の症状、日常生活や仕事の様子を書きます。5年を超える場合は、3〜5年ごとに区切ります。
- 20歳前に初診日がある。 条件により、書き方を簡単にできます(2020年10月から)。生まれつきの知的障害の場合は、大きな変化があった時期を中心に、出生時から現在までを1つの欄にまとめて書けます。様式は同じものを使います。
診断書との関係
診断書は、医師が診察の範囲で書きます。診察室ではうまく話せない方は、日常生活の困りごとが、診断書に十分に反映されないことがあります。診断書の依頼のしかたは、障害年金の診断書:種類・依頼・確認・書いてもらえないときの対処をご覧ください。
ご自身で確認しておくこと
1. 発病から現在までを、時期ごとに整理できているか。
2. 日常生活の困りごとを、具体的な場面で書いているか。
3. 診断書と大きく食い違う点があれば、どちらが実際の状態と違うのかを確認したか。
4. 仕事をしている場合、仕事の内容、勤務時間、配慮や支援、欠勤・早退の状況を書いているか。
5. 提出前に、コピーを取ったか。
ご相談は、当センターへ
申立書は、ご本人やご家族が書くことが基本です。当センターでは、聞き取りをもとに、申立書の作成をお手伝いしています。ただし、65歳以上の方、生活保護を受けている方のご相談はお受けしておりません。くわしくは、65歳以上の方の障害年金:当センターでお手伝いできないこと、ご自身で確認していただきたいこと、生活保護を受けている方は障害年金をもらえる?受け取れる場合の注意点と、当センターでお手伝いできないことをご覧ください。
愛媛・松山障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人あいパートナーズ)は、四国全域の方を対象に、障害年金の申請をサポートしています。初回の相談は無料です。電話、メール、LINE、Zoomでのご相談に加えて、LINE・郵送・メールだけで申請を進めることもできます。
料金は、受給後報酬型です。受給できた場合に、受給後報酬をいただきます。受給できなかった場合は、受給後報酬はいただきません。ただし、事務手数料(2.2万円・税込)は、委託後1週間以内にお支払いいただき、結果にかかわらず返金できません。このほか、診断書の作成料(医療機関に支払う実費)は、受給できたかどうかにかかわらずご負担いただきます。医師への同行などをご依頼いただく場合は、日当がかかることがあります(100の質問Q90)。くわしくは、サポート料金のページをご覧ください。受給をお約束するものではありません。
電話:089-907-3797(平日9:00〜18:00)。LINEとメールは、24時間受け付けています。
制度の内容は、2026年10月時点の日本年金機構などの公開情報にもとづいています。法改正などで変わることがあります。
執筆・監修:社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表 社会保険労務士 岩本浩一






















