障害者手帳は、障害を持つ方々が利用できる様々なサービスや支援を受けるために発行される証明書です。この手帳には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも伴います。また、障害者手帳を取得することで、障害年金の受給資格にも影響があります。この記事では、障害者手帳のメリットとデメリット、そして障害年金について詳しく解説します。

障害者手帳のメリット

医療費の助成

障害者手帳を持っていることで、医療費の助成を受けることができます。特に、通院や入院の際にかかる医療費の自己負担額が軽減され、場合によっては無料になることもあります。また、リハビリや薬の費用も助成される場合があり、医療費にかかる経済的負担が大幅に減少します。

公共交通機関の割引

多くの自治体では、障害者手帳を提示することで公共交通機関（バス、電車、タクシーなど）の運賃割引を受けることができます。割引率は地域によって異なりますが、通勤や通学、通院の際に交通費を節約できるのは大きなメリットです。さらに、同伴者も割引が適用されるケースがあるため、介助者と一緒に移動する場合も経済的負担が軽減されます。

税制優遇

障害者手帳を所持していると、所得税や住民税の軽減措置が受けられることがあります。具体的には、障害者控除が適用されるため、所得税や住民税の負担が減ります。また、自動車税や自動車取得税も減免されるケースがあり、車の維持費が抑えられるメリットもあります。

福祉サービスの利用

障害者手帳を持つことで、介護サービスや生活支援サービスを受けられる場合があります。例えば、訪問介護やデイサービス、福祉用具の貸与など、日常生活をサポートするためのサービスが提供されます。これにより、生活の質を向上させることができ、必要なサポートを受けながら自立した生活を送ることが可能になります。

障害者手帳のデメリット

プライバシーの問題

障害者手帳を提示することで、自分の障害を他人に知られてしまうリスクがあります。特に、職場や公共の場で手帳を提示する場面では、プライバシーが侵害されると感じる人も多いです。また、障害者手帳を持っていることが、就職活動や日常生活において差別や偏見に繋がる可能性がある点もデメリットです。

手続きの煩雑さ

障害者手帳を取得するための手続きは、複雑で時間がかかることが多いです。申請には医師の診断書が必要であり、その取得に時間や費用がかかる場合もあります。また、手帳の更新やサービス利用の際にも同様に手間がかかり、負担に感じる人も少なくありません。

地域差によるサービスの違い

障害者手帳を持つことで受けられるサービスは、住んでいる自治体によって異なります。例えば、医療費助成や公共交通機関の割引率、福祉サービスの内容が地域によって違うため、同じ障害者手帳を持っていても受けられる支援が異なることがあります。この地域差は、サービスを期待している人にとってはデメリットとなり得ます。

社会的な偏見や誤解

障害者手帳を持っていることで、社会的な偏見や誤解を受けることもあります。特に、外見からは障害が分からない場合、周囲の人々が手帳の所持に対して疑問を抱くことがあり、説明を求められる場面もあるかもしれません。このような状況がストレスとなり、手帳を持つこと自体に抵抗を感じる人もいます。

障害年金について

障害年金の概要

障害年金は、障害の程度に応じて国から支給される年金制度です。障害者手帳を持っている人が必ず受給できるわけではなく、障害基礎年金や障害厚生年金の受給資格を満たしている必要があります。障害年金の額や受給条件は、障害の等級や年金制度への加入状況に依存します。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

受給条件の厳しさ

障害年金を受給するためには、障害発生時点で一定の年金保険料を納付していることが必要です。また、障害の程度が障害等級に該当するかどうかが審査されますが、軽度の障害だと判断された場合、受給資格が認められないこともあります。さらに、医師の診断書が重要な役割を果たすため、診断内容が適切でないと、受給が難しくなることもあります。

＞＞障害年金もらえない人はどんな人か？社会保険労務士が詳しくポイントを解説

＞＞障害年金を自分で申請するのは難しい？社会保険労務士に依頼するメリットについて

申請手続きの負担

障害年金の申請手続きも、複雑で時間がかかることが多いです。医師の診断書や障害を証明する資料、過去の年金納付状況など、多くの書類を準備する必要があります。また、申請後に年金の受給が認められるまでには時間がかかることがあり、その間の生活費の確保が課題となる場合もあります。

＞＞当事務所に依頼するメリット

まとめ

障害者手帳は、多くのメリットがある一方で、プライバシーや手続きの面でのデメリットも存在します。また、障害年金の受給には厳しい条件があり、申請手続きが煩雑なこともあります。しかし、これらの制度をうまく活用することで、生活の質を向上させることができます。制度の特徴を理解し、必要なサポートを得るための準備をしっかり行うことが大切です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

相談の現場で、最も耳にする言葉です。

障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。

ひとりで悩みを抱えず、まずは当センターにお気軽にご相談ください。
当センターは全力であなたに寄り添います。

無料相談を行っておりますので、是非ご利用ください。

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