髄膜腫は、脳や脊髄を覆う髄膜から発生する良性の腫瘍です。一般的にはゆっくりと成長し、悪性のケースは少ないですが、発生部位によってはさまざまな神経症状を引き起こすことがあります。

髄膜腫が原因で生活に支障が出る場合、障害年金の対象となることもあります。

髄膜腫の原因

髄膜腫の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が考えられています。最も一般的に指摘されているのは、遺伝的な要因や放射線への曝露です。

例えば、放射線治療を過去に受けたことがある人や、特定の遺伝子異常を持つ人が髄膜腫を発症するリスクが高いとされています。また、女性に多く見られることから、ホルモンバランスも発症に関与している可能性があります。エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが、髄膜腫の成長に影響を与えるとされています。

髄膜腫の症状

髄膜腫の症状は、腫瘍の大きさや発生部位によって異なります。小さいうちは症状が現れないことも多いですが、腫瘍が成長して脳や脊髄を圧迫することで、次のような症状が現れることがあります。

頭痛

特に朝に強い頭痛が見られることがあります。

視力障害

視神経が圧迫されると、視力の低下や視野の狭窄が生じます。

めまい

平衡感覚の異常からめまいやふらつきが起こることがあります。

痙攣

腫瘍が脳の特定の部位を刺激することで痙攣発作が発生することがあります。

麻痺や感覚異常

腫瘍が神経を圧迫すると、手足の麻痺や感覚の鈍化が起こることがあります。

記憶障害や集中力の低下

脳の前頭葉に近い部分に髄膜腫ができると、認知機能が影響を受けることがあります。

これらの症状は、腫瘍が成長するにつれて徐々に悪化することが多いです。そのため、早期の診断と治療が重要です。

髄膜腫と障害年金の関係

髄膜腫による症状が重度で、日常生活や仕事に支障をきたす場合、障害年金の申請が可能です。障害年金は、病気やけがによって働けなくなった、もしくは働くことが困難になった場合に支給される制度です。

髄膜腫の場合、腫瘍の位置や症状によっては長期間にわたり治療や経過観察が必要になるため、障害等級に該当することがあります。

障害年金の申請には、医師の診断書が必要であり、症状の程度や日常生活への影響が評価されます。髄膜腫で障害年金が認められる例としては、視力低下や麻痺、痙攣などの症状が日常生活に著しい影響を与えている場合が考えられます。また、手術後も後遺症が残った場合や、再発リスクが高い場合も申請の対象となることがあります。

障害年金の等級と支給内容 障害年金は、障害の程度に応じて１級から３級に分類され、等級に応じた金額が支給されます。髄膜腫に関連する症状が重度であるほど高い等級に該当する可能性があり、日常生活における介護の必要性や就労能力の低下が審査のポイントとなります。

＞＞障害年金を自分で申請するのは難しい？社会保険労務士に依頼するメリットについて

まとめ

髄膜腫は、良性の腫瘍であることが多いものの、脳や脊髄に圧力をかけることでさまざまな神経症状を引き起こす可能性があります。視力障害や麻痺、痙攣などの症状が現れることがあり、これらが日常生活に支障をきたす場合、障害年金の申請が可能です。

障害年金を申請する際には、症状の程度や医師の診断書が重要な役割を果たすため、適切な診断とサポートを受けながら進めることが大切です。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
６５歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

相談の現場で、最も耳にする言葉です。

障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。

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