シャルコー・マリー・トゥース病（CMT）は、遺伝性の神経障害であり、主に手足の筋力低下や感覚障害を引き起こします。この病気は進行性で、日常生活に影響を及ぼす可能性が高いため、障害年金の対象となることがあります。

CMTの症状は個人差があり、重度な場合には歩行が困難になったり、日常的な動作が制限されることもあります。ここでは、シャルコー・マリー・トゥース病における障害年金の申請や受給のポイントについて解説します。

シャルコー・マリー・トゥース病の障害認定基準

日本の障害年金制度では、身体障害や精神障害を抱える人々に対して年金が支給されますが、シャルコー・マリー・トゥース病は進行性であるため、その症状や影響によって障害等級が決定されます。CMTのような神経障害の場合、障害認定基準は主に「肢体の機能障害」として評価されます。具体的には、以下のような症状や状況が評価の対象となります。

• 歩行が困難、または車椅子が必要な状態
• 手足の筋力低下による日常生活動作（ADL）への支障
• 感覚障害が原因で危険を認識しにくい場合
• 筋肉の萎縮が進行し、恒常的な介助が必要となる状態

障害等級は１級から３級までありますが、シャルコー・マリー・トゥース病の症状がどの程度日常生活に影響を与えるかで等級が決まります。特に歩行や手の機能に大きな支障がある場合、２級や１級に該当する可能性があります。

障害年金の申請プロセス

シャルコー・マリー・トゥース病で障害年金を受給するためには、正確な診断とその証明が必要です。まずは専門医による診断書を取得することが重要です。この診断書には、病名だけでなく、具体的な症状や障害の程度、日常生活への影響が詳細に記載されている必要があります。

次に、申請者自身がどのように日常生活に支障を来しているかを説明する「病歴・就労状況等申立書」も提出します。この書類は、申請者の日常生活の困難さを詳細に説明する重要な資料です。申請には他にも、年金保険料の支払い状況や年齢に応じた要件を満たしているかが確認されますので、必要書類を整えて申請を行います。

受給後の生活と更新

シャルコー・マリー・トゥース病は進行性の病気であるため、障害年金を受給し始めた後も、定期的に病状の確認が行われます。

更新手続きの際には、再度診断書を提出し、病気の進行度や生活への影響を報告する必要があります。症状が進行した場合には、等級が変更されることもありますので、適切に申請を行うことが大切です。

また、年金受給者はリハビリや日常生活をサポートする福祉サービスを利用できる場合もあります。障害年金だけでなく、こうした公的支援も積極的に活用することで、生活の質を向上させることができます。

申請の際の注意点

シャルコー・マリー・トゥース病で障害年金を申請する際には、専門的な知識が必要になることが多いです。特に、申請書類の準備や診断書の内容については、専門家に相談することが推奨されます。社会保険労務士や障害年金の専門家に依頼することで、申請がスムーズに進むことが多く、受給できる可能性が高まります。

また、障害年金の申請には時間がかかることがあり、病状が進行している場合でもすぐに受給が開始されるわけではありません。そのため、早めに準備を進めることが重要です。特に、初診日の確認や、保険料の支払い状況の把握は事前に行っておくべき事項です。

＞＞障害年金を自分で申請するのは難しい？社会保険労務士に依頼するメリットについて

まとめ

シャルコー・マリー・トゥース病は進行性の神経障害であり、日常生活に大きな支障をきたすことが多いため、障害年金の対象となる場合があります。適切な診断書の提出や、日常生活の困難さを証明する書類の準備が重要であり、申請プロセスには時間がかかることも考慮して早めに対策を立てることが求められます。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の１つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人も見えますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。
６５歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われる生活補助金です。

＞＞障害年金の基礎知識について

＞＞障害年金の受給額について

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

障害年金に該当しているかどうか簡単に診断できるページがありますのでもし障害年金をもらえるかもと思った方は是非診断してみてください。

＞＞障害年金に該当しているかどうか簡単に分かる１分間受給判定

目の傷病

白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症　など

聴覚

メニエール病、感音性難聴、突発性難聴　など

肢体

重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病

脳卒中、脳出血 、脳梗塞など

精神

統合失調症、うつ病、躁うつ病、てんかん、発達障害、知的障害など

呼吸器疾患

気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧

狭心症、心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病

慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症　など

その他

悪性新生物（ガン）、高次脳機能障害、化学物質過敏症、各種難病（強皮症、パーキンソン症候群）、その他難病など

岩本浩一

岩本　浩一 （いわもと こういち）
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

早く、障害年金のことを知っていればよかった、最初から専門家に相談すればよかった。

相談の現場で、最も耳にする言葉です。

障害年金の請求で一番大事なことは、不安を感じたり、わからないことがあったりしたときに、すぐに専門家に問い合わせをすることです。

ひとりで悩みを抱えず、まずは当センターにお気軽にご相談ください。
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