ADHDで仕事ができないと感じたら・・・障害年金の対象になるケースと判断ポイント

ADHDと診断され、「仕事ができない」「何度もミスをして職場にいづらい」「転職を繰り返してしまう」と悩んでいる方は少なくありません。それでも、「ADHDで障害年金は無理なのでは」「発達障害は甘えだと思われそう」と不安を感じ、制度を調べることすらためらってしまうケースも多くあります。

しかし、ADHDによって仕事や日常生活に大きな支障が出ている場合、障害年金の対象となる可能性があります。

本記事では、ADHDで仕事ができないと感じている方に向けて、障害年金の考え方や申請時のポイントを分かりやすく解説します。

目次

ADHDとはどのような障害か

ADHD(注意欠如・多動症)は、生まれつきの脳機能の特性による発達障害です。
主な特性として、次のようなものがあります。

・集中力が続かない
・忘れ物やミスが多い
・段取りや優先順位がつけられない
・衝動的に行動してしまう

本人の努力不足ではなく、脳の特性による困難である点が重要です。

ADHDで「仕事ができない」と感じやすい理由

ADHDの特性は、職場環境と強く関係します。

・マルチタスクが苦手
・曖昧な指示が理解できない
・時間管理ができず遅刻や締切遅れが多い
・周囲の雑音で集中できない

その結果、
「注意される → 自信を失う → さらにミスが増える」
という悪循環に陥ることも少なくありません。

転職を繰り返してしまうケースも多い

ADHDの方の中には、
・職場に定着できない
・短期間で退職してしまう
・人間関係がうまく築けない

といった理由で、転職を繰り返す方もいます。
これは能力がないからではなく、環境とのミスマッチによるものです。

ADHDは障害年金の対象になるのか

結論として、ADHDそのものが直ちに障害年金の対象になるわけではありません。
しかし、ADHDによって

・就労が著しく制限されている
・安定して働くことができない
・日常生活にも支障が出ている

場合には、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金で重視されるポイント(発達障害)

ADHDに関する障害年金では、次の点が特に重視されます。

・就労の継続が可能か
・配慮や支援がなければ働けないか
・日常生活能力にどの程度の制限があるか
・対人関係や社会適応の状況

「働いているかどうか」ではなく、
どれだけ制限や支援が必要かが判断の軸になります。

障害等級の考え方(目安)

障害等級2級が検討されるケース

・就労がほぼ不可能
・日常生活に常時援助が必要
・一人で生活を維持するのが困難

重度のADHDや、二次障害(うつ病など)を伴う場合に検討されます。

障害等級3級が検討されるケース

・労働に著しい制限がある
・配慮がなければ就労が困難
・短時間勤務や簡単な作業しかできない

一般就労が難しく、安定した就労ができない場合が該当しやすくなります。

二次障害がある場合は重要な判断材料になる

ADHDの方は、長年の失敗体験や叱責により、

・うつ病
・不安障害
・適応障害

といった二次障害を併発していることも少なくありません。
これらは障害年金の判断において重要な要素になります。

診断書で重要になるポイント

ADHDの障害年金では、診断書の内容が結果を左右します。

・集中力や遂行機能の障害
・職場での具体的な困難
・支援や配慮の必要性
・就労継続が困難な理由

「ADHDの診断がある」だけでなく、
生活や仕事への影響が具体的に書かれているかが重要です。

病歴・就労状況等申立書で伝えるべきこと

病歴・就労状況等申立書では、次の点を意識します。

・子どもの頃からの特性
・仕事で起きた具体的な失敗
・退職や休職に至った経緯

「頑張ればできる」ではなく、
頑張ってもできなかった事実を正直に書くことがポイントです。

「働いていると障害年金は無理?」という誤解

ADHDの方からよくある質問に、
「少しでも働いていたら障害年金はもらえませんか?」
というものがあります。

結論として、働いていても、内容や制限の程度によっては対象になります。
短時間勤務や支援付き就労であれば、認定されるケースもあります。

申請を検討すべきタイミング

・仕事が続かない
・生活が成り立たない
・心身の限界を感じている

このような場合は、「まだ我慢できる」と思わず、制度を知ることが大切です。
初診日や診断時期の整理も、早めに行うことをおすすめします。

まとめ

ADHDで「仕事ができない」と感じる状態は、努力不足ではなく、脳の特性による困難です。
就労や日常生活に大きな制限がある場合、障害年金の対象となる可能性があります。

大切なのは、自分を責めることではなく、困難さを正しく言葉にして伝えることです。
制度を知り、必要に応じて専門家や支援機関に相談することが、生活を守る一歩につながります。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

>>精神障害の受給事例はこちら

呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

>>呼吸器疾患の受給事例はこちら

循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

>>循環器疾患の受給事例はこちら

腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

>>腎疾患の受給事例はこちら

肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

>>血液の受給事例はこちら

その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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(5)初診日(医療機関に初めて受診した日)、 (6)加入年金制度の種類と加入状況、(7)傷病名(診断傷病名)

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なお、お伺いした内容から受給可能性が低いと判断できる場合にはその旨をこの段階でお伝えさせていただきます。

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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