エーラス・ダンロス症候群とは?原因・症状・障害年金の可能性を解説

エーラス・ダンロス症候群は、皮膚や関節、血管などの結合組織に異常をきたす先天性の希少疾患です。見た目では分かりづらい症状も多く、痛みや脱臼、臓器の脆弱性などにより、生活や就労に深刻な影響を及ぼすことがあります。

本記事では、この病気の原因と主な症状、さらに障害年金を受けられる可能性についてわかりやすく解説します。

目次

エーラス・ダンロス症候群とはどのような病気か

エーラス・ダンロス症候群(EDS)は、コラーゲンの構造や生成に関わる遺伝子の異常によって引き起こされる遺伝性疾患で、生まれつき結合組織が異常に柔らかく、脆くなるのが特徴です。皮膚が異常に伸びたり、関節が必要以上に動いたりするほか、血管や内臓までもろくなるため、重篤な合併症を伴うこともあります。

この疾患は13の病型に分類されており、病型によって症状の出方や重症度が大きく異なります。日本では「指定難病」として認定されており、医療費の助成制度も利用可能です。ただし、病型によっては遺伝子がまだ特定されておらず、診断は臨床症状や家族歴などの総合的な判断で行われることもあります。

原因は遺伝子レベルのコラーゲン異常

EDSの原因は、主にコラーゲンの構造に関わる遺伝子の異常です。古典型ではCOL5A1やCOL5A2という遺伝子に変異が見られ、血管型ではCOL3A1が原因であることが多いです。いずれも、結合組織を構成する重要なタンパク質に異常が起こることで、組織の強度や弾力性が損なわれます。

遺伝形式は病型によって異なり、親から子へ受け継がれる場合もあれば、突然変異で発症するケースもあります。関節過可動型(hEDS)については、いまだ原因遺伝子が特定されておらず、診断は症状と既往歴に基づくものとなります。

症状は多岐にわたり、生活の質に大きく影響する

EDSの症状は非常に多様であり、皮膚、関節、血管、内臓、骨格、自律神経など、全身に及びます。もっとも一般的な症状の一つが、皮膚の過伸展性と脆弱性です。肌が異常に伸びやすく、わずかな刺激でも裂けてしまうことがあり、傷の治りが遅く瘢痕が残ることも少なくありません。血管型では皮膚が薄く、静脈が透けて見えることもあります。

関節については、過可動性が顕著で、関節が通常以上に曲がるだけでなく、脱臼や亜脱臼を繰り返すことが多く見られます。これにより、慢性的な関節痛や筋肉痛に悩まされるケースも多く、歩行や階段の昇降、着替えや入浴といった日常動作にも支障をきたします。

さらに、血管や内臓の脆弱性が深刻な問題となる病型もあります。血管型では動脈瘤、動脈解離、さらには腸や子宮の破裂といった命に関わる合併症が生じるリスクが高く、定期的な検査と注意が必要です。自律神経系にも異常が及ぶことがあり、立ちくらみ、動悸、冷えなどの症状が慢性的に続くこともあります。

また、全身の筋力が低下したり、脊椎の側弯や扁平足など骨格の変形を伴う場合もあり、これらの症状が複合的に日常生活を困難にしています。

障害年金の受給は可能なのか

エーラス・ダンロス症候群は、病状が進行して日常生活や就労に支障が出ている場合、障害年金の対象になることがあります。重要なのは、単なる診断名ではなく、「どれだけ生活に支障が出ているか」という点です。

障害年金の申請にあたっては、まず「初診日」がどこかを証明する必要があります。たとえば、関節の痛みで整形外科を受診した日や、皮膚の異常で皮膚科に通った日などが該当する場合があります。この初診日を基準にして、障害認定の時期や年金制度上の要件(保険料の納付状況など)が確認されます。

次に問われるのが、日常生活への制限です。たとえば、杖や車椅子がなければ移動が困難である、脱臼や関節痛のために自宅での生活が困難である、衣服の着脱や入浴に介助が必要であるなど、実際にどの程度の支障が出ているかを診断書や申立書で詳しく示すことが求められます。

等級は、就労や生活に大きな制限があれば2級、日常生活にはある程度支障があるが就労に一部制限がある場合は3級(厚生年金加入者のみ)とされることが一般的です。

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申請時に重要となるポイント

申請の際に必要となるのは、主治医の診断書、病歴・就労状況等申立書、初診証明書、年金記録などです。特に診断書には、脱臼の頻度や関節の動きの制限、痛みの程度、日常生活への具体的な影響が記載されていることが重要です。

また、エーラス・ダンロス症候群に詳しくない医師に診断書を依頼する場合は、あらかじめ障害年金用であることを伝え、症状や制限をできる限り詳細に記録してもらうよう依頼することがポイントとなります。

障害年金以外にも使える公的支援がある

この疾患は「指定難病」にも該当するため、医療費助成制度を利用することで、通院や入院の自己負担を軽減できます。また、症状の程度によっては身体障害者手帳の交付を受けることができ、交通機関の割引や福祉サービスの利用なども可能になります。

就労が難しい場合は、就労移行支援や生活支援の制度を活用することもできます。これらの制度は併用が可能なため、行政や社会保険労務士と相談しながら、最大限に活用することが大切です。

まとめ:正しい理解と制度活用で生活を守る

エーラス・ダンロス症候群は、見た目には分かりづらいながらも、日常生活や社会生活に深刻な影響を及ぼす疾患です。正しい理解と適切な医療、そして障害年金や公的支援制度の活用が、生活の質を保つうえで非常に重要となります。症状が深刻化する前に、制度利用の準備を始めることが、自分自身を守る第一歩となるでしょう。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

>>眼の障害の受給事例はこちら

聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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事前にお客様の現状の状況をお伺いした上で、ご都合の良い日程から面談日程の調整をさせていただきます。また面談時にご持参いただきたいものなどのご説明もさせていただきます。

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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