コンパートメント症候群とは?原因・症状・障害年金の対象になるかをわかりやすく解説

コンパートメント症候群は、筋膜に囲まれた筋肉内の圧力が異常に上昇し、血流が止まり、筋肉や神経が壊死してしまう危険な病態です。原因は事故や手術後の出血などさまざまで、治療が遅れると深刻な後遺症が残ることもあります。

この記事では、コンパートメント症候群の原因や症状、障害年金がもらえるかどうかについて、わかりやすく丁寧に解説していきます。

目次

コンパートメント症候群とはどんな病気?

コンパートメント症候群とは、筋肉や神経、血管が筋膜という硬い膜に囲まれている空間(コンパートメント)の中で、圧力が異常に高まる状態のことです。通常、筋肉はこのコンパートメント内で自由に動き、血流もスムーズに流れています。しかし、外傷や骨折、内出血、ギプスの圧迫などによってコンパートメント内に血液や体液がたまりすぎると、圧力が上昇し血管が押しつぶされて血流が止まってしまいます。

その結果、筋肉や神経に酸素や栄養が届かなくなり、壊死してしまうのがこの病気の特徴です。放置すると数時間で筋組織が壊れてしまうため、極めて緊急性の高い状態とされています。

主な原因と発症のきっかけ

コンパートメント症候群は、以下のような状況が引き金となって発症します。

たとえば、交通事故や高所からの転落による骨折や打撲など、強い外力がかかる外傷。骨折後にギプスや包帯で強く圧迫された状態。また、手術後の血腫や腫れが原因で筋膜内に圧力がかかるケースもあります。時には筋トレや過剰な運動が原因となることもありますが、ほとんどは外傷性のものです。

ギプスや包帯の圧迫によって発症するケースでは、周囲に外傷の跡がないため、初期診断が遅れがちになります。そのため、外見の重症度に関わらず「痛みが異常に強い」「感覚が鈍い」といった訴えには注意が必要です。

どんな症状が出るのか?

初期の代表的な症状は「痛み」です。しかも、その痛みは通常の骨折や筋肉痛とは異なり、じっとしていてもズキズキと激しく痛み、少し触っただけでも悲鳴が出るほどのこともあります。

特に他人が患部を動かそうとした時に痛みが強くなる「他動痛」は特徴的なサインです。また、神経の圧迫が進むとしびれや感覚麻痺が生じ、さらに進行すると筋肉が動かなくなってきます。

最悪の場合、筋肉や神経が壊死し、動かなくなった部位が「拘縮」と呼ばれる状態で固まり、永続的な障害が残ってしまいます。例えば、前腕に起きた場合、手首や指が曲がったまま動かせなくなる「フォルクマン拘縮」が代表的です。

治療には早期対応が命取りとなる

コンパートメント症候群は、一刻も早く診断し、治療することが何より重要です。治療の中心は「筋膜切開術(ファシオトミー)」と呼ばれる手術で、圧迫されている筋膜を切開し、中の圧力を下げて血流を回復させます。

この処置が6時間以上遅れると、筋肉や神経が壊死してしまい、取り返しのつかない後遺症が残るリスクが高まります。そのため、症状に気づいた時点で速やかに病院を受診し、疑わしい場合はMRIや圧力測定での確認が推奨されます。

後遺症が残った場合、障害年金はもらえるのか?

コンパートメント症候群で後遺症が残った場合、それが日常生活や労働に支障をきたす程度であれば、障害年金を受給できる可能性があります。これは肢体の障害として申請されます。

たとえば、指が曲がったまま動かない、腕や脚がうまく使えない、握力が極端に低下している、痛みやしびれで歩行や動作が困難になっている、といった状態は、障害等級に該当することがあります。特に、両手や両脚など左右の複数の部位に障害がある場合は、等級も上がりやすくなります。

>>障害年金を自分で申請するのは難しい?社会保険労務士に依頼するメリットについて

障害年金を受け取るための条件と手続き

障害年金を受け取るためには、まず「初診日」が年金加入期間中であることが必要です。これは、コンパートメント症候群の原因となったケガや病気で最初に受診した日を指します。

次に、保険料の納付要件を満たしているかが問われます。原則として、初診日の前日において、過去1年間に保険料の未納がないこと、または過去の一定期間に納付実績があることが求められます。

さらに、初診日から1年6ヶ月経過後の時点で症状が固定されており、かつ障害等級に該当する状態であることが必要です。これらを証明するためには、医師の診断書や生活状況を記録した申立書を提出します。

診断書にはどのようなことを書いてもらうべきか?

障害年金の審査では、診断書の内容が極めて重要になります。特に、どの部位がどの程度機能しないのか、歩行や動作、手先の作業にどんな支障があるのかを、具体的かつ客観的に書いてもらう必要があります。

医師には、見た目の損傷だけでなく、「可動域の制限」「握力の低下」「筋力の左右差」「日常生活の動作にかかる制限」など、生活に与えている影響を詳細に記載してもらいましょう。可能であれば、日常生活で困っている具体的な例(着替えに時間がかかる、箸が使えないなど)を伝え、それが反映されるようにしましょう。

まとめ:後遺症が残ったら、制度の力を借りる選択を

コンパートメント症候群は、初期対応が遅れると重度の後遺障害を残すリスクがある病気です。機能障害が残った場合、経済的な支援として障害年金を活用することができます。

自分や家族の生活を守るためにも、制度の存在を知り、必要な手続きを進めることはとても大切なことです。困難をひとりで抱え込まず、医療機関や年金事務所、社会保険労務士といった専門家と協力しながら、適切な支援を受ける準備をしていきましょう。

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障害年金とは

「障害年金」とは、公的な年金の1つで、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度であります。
障害者のための特別な手当と勘違いされている人もいらっしゃいますが、実は老齢年金と同じ公的年金です。

対象となる障害について

障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害のイメージが強いですが、実は様々な傷病が障害年金の対象となります。

下の図で障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。

部位・傷病症状
ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、眼球萎縮、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症

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聴覚、平衡機能

感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害

>>聴覚、平衡機能の障害の受給事例はこちら

鼻腔

外傷性鼻科疾患

口腔(そしゃく言語)、言語

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血栓(言語)など

肢体の障害事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股間節症、肺髄性小児麻痺、脳性麻痺脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、脊髄損傷、パーキンソン病、硬直性脊髄炎、脳血管障害、脊髄の器質障害、慢性関節リウマチ、筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群、線維筋痛症

>>肢体の障害の受給事例はこちら

精神障害うつ病、そううつ病、統合失調症、適応障害、老年および初老などによる痴呆全般、てんかん、知的障害、発達障害、アスペルガー症候群、高次脳機能障害、アルツハイマー等

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呼吸器疾患

気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など

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循環器疾患心筋梗塞、心筋症、冠状僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性疾患など

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腎疾患慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など

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肝疾患肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症

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血液再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群、HIV感染症

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その他人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、白血病、周期性好中球減少症、HIV、乳癌・胃癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等のがん全般、悪性新生物、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

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この記事を書いた人

岩本 浩一 (いわもと こういち)
社会保険労務士法人あいパートナーズ 代表

このたび、障害をお持ちで苦しんでいらっしゃる方々やそのご家族の皆様に対して、何か少しでもお力になりたいという想いから、私を育んでくれた地元の松山市で当センターを立ち上げることにいたしました。

障害年金は、公的な制度であるにも関わらず認知度が低いため、本来であれば受け取る権利がある方でも、様々な理由により多くの方々が受給に至っていないのが現実です。当然ながら、手続きをしなければ受給できません。黙っていても誰かが教えてくれるものでもなく、結局は障害をお持ちの方々がご自身で気付くしかないのです。何とか障害年金の相談まで辿り着いたとしても、またしても高いハードルが立ちはだかります。

そうした理由から、請求に必要な書類を準備する事が出来ず、手続きすらできないという状況になり、障害年金の申請を諦めてしまっている方が多くいらっしゃいます。

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